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【月刊小樽自身2023年3月号】シリーズ百年企業―お米とワインと遠藤商店で

2023.02.25

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


2022年8月1日で、小樽に市制が布かれて100年!
小樽市制100年にちなんだ、小樽市内の100年企業紹介シリーズ第7弾。

今回の百年企業は、お米とワインのお店「遠藤商店」。
お米屋さんとしての枠組みを超えて愛されるお店作りの秘密に迫ります!



お話を聞いたのはこちら

代表取締役の遠藤友紀雄さんにお話を聞きました!
1984年にお店を継ぎ、現在に至ります。

目次(リンクで移動できます)
遠藤商店の歴史
お店づくりの3つの柱
お米について
ワインの品揃えがスゴい!
遠藤さんのここがスゴイ!
店舗情報



遠藤商店の歴史

遠藤商店の創業は1906年。当時の店主の出身が越後(新潟)、奥さんの出身が酒田(山形)だったことから、当時は北前航路で運ばれる越後米、庄内米の仕入れに注力していました。

大正末期~昭和初期頃のお店の様子

遠藤さんがお店を継いでから約40年間の間に、倒産しそうになったこともあったそうです。

(遠藤さん)
1994年頃からの10年間は、暗黒の時期でした。
1993年秋の大凶作で売る米が無くなってしまって、タイ米を緊急輸入しました。でも、お客さんが欲しがるのは国産のお米。
国産の米の値段は通常の1.5倍にも跳ね上がっていたので、借金もしました。

1995年には食糧法によってお米の販売が自由化されました。それまでは農協などを通さないと販売できなかったお米が、どこでもお米を売れるようになったんです。スーパーの出店も相次ぎ、立地的にも囲まれてしまってお米は売れなくなりました。

しかし、お米を自由に売ることができるなら、好きな農家さんから直接仕入れることもできるのでは?と考えました。
今は後志(しりべし)地方の農家を中心に、農薬を減らして栽培したお米を売っています。当時は赤字続きで大変でしたが、やがてプラスになるだろう、というのが今は実っています。



お店づくりの3つの柱

困難な時代を乗り越えて現在まで続いている遠藤商店の、お店づくりの3つの柱を教えてもらいました!

その①「飲食店への提供」
将来的に少子化が進み、家庭での消費量は減ると思ったんです。そこで、1990年代は、レストランなど事業所への営業を頑張りました。ちょうど小樽観光も賑わっていた時期です。今では、多くのホテル様、飲食店様が当店のお米を使ってくださっています。

その②「店頭をユニークに」
珍しいワインや有名な高級ワインを置いたり、道の駅でも買えないような良いお米を置くようにしました。そうすると、子育てが終わった世代など少し余裕が出て、良いものを選びたいというお客様に好評なんです。

その③「ネットショッピングの活用
お米とお酒はヤフーショッピングでも販売しています。やはりネットショップの存在は大きいです。
遠方のお客様はネットショップで買ってもらっていいんですけど、もちろん、小樽まで直接来ていただいて、小樽で飲食するともっと美味しいですよ。笑



お米について

遠藤商店では、お米を必要な量だけ、量り売りで購入することができます。
店頭では玄米で置いているので、その場でお好みの強さで精米することができます。

それぞれのお米農家さんの顔が見えるPOPが素敵です!

販売しているのは、小樽近郊の農家さんのお米。農薬や化学肥料を節減した栽培方法のお米が主で、お店専用に栽培してもらっているお米がほとんどです。



ワインの品揃えがスゴい!

入店して驚くのが、ワインの量。売り場の面積の半分以上にワインを置いています!

フランスやイタリアのワインから小樽や余市、仁木の有名ワイナリーのワインなど、幅広い種類のワインを揃えています。

ワインはお酒の販売が自由化した後、1998年頃から本格的に取り組み始めたそうです。今ほどの販売面積になったのはここ10年くらいの間とのこと。

※普段は開放していません。

遠藤さんに「バックヤードツアー」と称して連れてきてもらったのが、地下室。
とんでもない量の高級ワインが、所狭しと保管されています!(もちろん、写真には写り切っていません)
フランスの超高級ワインや、隣町余市町の流通が少ない超人気ワイナリーのワインなどが眠っています…!ちなみに、お米の倉庫にもワインが保管されていました。

品揃えの良さから、「お酒を探しているなら遠藤商店に行ってみて」と言われたという声をよく聞くそうです。



遠藤さんのここがスゴイ!

こだわりと情熱をもってお店作りをされている遠藤さんですが、外部の活動にも積極的に参加されており、一番力を入れているのは町内の事だそうです。
人が住みたくなるような街づくりを心掛け、実際、近所には若い人たちが増えはじめているとのこと。

それもあってか、遠藤商店のことを取材していると、とにかく感じるのは遠藤さんの愛され具合。小樽在住の老若男女からの声の一部をご紹介します。

■遠藤さんの人柄がとても素敵!(30代男性)

■家族愛、地元愛、小樽愛、利他、思いっきり商店経営のあたたかさを感じる(60代男性)

■遠藤さんは、旧岡崎家能舞台を活かす会の会長も務めてます。舞台のお掃除のあとツルツルになった床の上で「やゃ、すべるすべるぅ〜」と能楽師の真似をしてくれるお茶目な方です。(40代女性)

■遠藤さんは米の炊き方の指導もしてくれる(50代男性)

■ワインを買いに行った時、とても丁寧に色んな種類を提案してくれました。(20代女性)

顔が広い遠藤さんなので、上記に挙げたのは遠藤さんを知る人からの声のごく一部。お店が長く小樽市民に愛され続けている理由は、経営方針はもちろん、遠藤さんの人柄も大きいのでしょう。

美味しいお米とワインを求めに、小樽へお越しの際はぜひ遠藤商店へ足を運んでみてください。



店舗情報

小樽市豊川町14番3号 Google Map
TEL:0134-33-2201
ホームページ
yahooショッピング



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