project
お届けしてきた小樽自身座談会もこの記事で最後となります。
小樽自身が果たした役割や、これからの情報発信など、編集長の皆様が熱く語っている様子をご覧ください!
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語っていただく皆様
■小樽自身初代編集長 山城 栄太郎
(一社)小樽観光協会理事。
東京の某ファッション誌の副編集長だった経験も活かし、小樽自身創刊を進める。本業は創業100年超えの花屋社長。趣味は山登り。
■小樽自身二代目編集長 安田 徹
(一社)小樽観光協会理事。
2022年10月号から小樽自身の二代目編集長を就任。自らも積極的に取材を行い記事を執筆。計18号をまとめる。趣味はスポーツ観戦。
〈特別ゲスト〉
■Sitakke編集長 渡邉 春菜
HBCが運営するウェブマガジン、Sitakke(したっけ)の編集長。2023年4月から小樽自身の記事をSitakke上で掲載していただいている縁もあり、座談会出演を依頼。
趣味は散歩、小さな町の郷土資料館やお祭りを巡るのが好き。また、プライベートで何度も小樽を訪れるほどの小樽好き。
〈進行役〉
■大塚 英治
(一社)小樽観光協会理事。海好きの潜水士。
小樽自身創刊から議論に参加。本業や趣味の経験を活かし、記事では魚卵・バンライフ・キャンプシリーズを主に担当。
Sitakke渡邉編集長が語る
「外からみた小樽自身」
大塚)次は外から見た目線ということで、マスメディアという側面や、同じくウェブマガジンを運営されている立場として、渡邉さんにはどのように小樽自身は映っておりましたか?
渡邉)色々な思いがありますが、まずSitakkeの関わりとしては、2023年4月から、小樽自身から記事をいくつかご提供いただいて、月2本程度掲載させていただいておりました。個人的に、本当に毎回記事を読むのが楽しみ楽しみで…。
というのも私、結構色々と観光雑誌を読むんですけど、小樽の観光は取り上げられるネタが大体一緒になりがちな印象があって。
渡邉)先ほども申し上げましたが、道外のお客さんからしたらそれでもいいのかもしれないですが、札幌の20~30代の女性からすると、いつも同じでは正直ちょっと…というのがありまして。
一方、小樽自身の記事は、毎回私が知らなかった情報ばっかりなんですよね。市民目線を立ち上げからずっと大事にされているメディアというところで、私自身もメディア運営に携わる中で、すごく勉強させていただきました。
渡邉) メディアとしても、一貫して共感だったり、記事を読んだ人が小樽を自分事にできるのが小樽自身の強みだなと。
まさに名前の通り、小樽自身=あなた自身というのが、媒体としてすごく強いなと思っています。
テレビ局の課題でもあるんですが、どこのエリアでも電波に乗せて広く発信しないといけない。
「今人気のグルメは?」というように、最大公約数として情報を出してしまいがちで、目の前の一人一人のあなたに、というような届け方がなかなか難しいんです。
渡邉) 一方で、小樽自身やSitakkeなどのウェブマガジンの場合には、例えば「小樽 スナック 初心者」のように、検索してそのページに辿り着いていると思うので、広く発信せず閲覧数が少なくても、狭くても欲しい方に情報が届くような形でもいいと思ってるんですよね。
テレビや観光雑誌では伝えきれない情報を出すのがウェブの魅力ですので、そういった意味で小樽自身がやっていることは、まさにウェブの理想的なあり方だと思っています。
安田)小樽自身は名称も一新し、季刊誌としてリニューアルするのですが、このコンセプトは大事にして続けていきたいですね。
大塚)小樽自身をやっていることで取材が入ったりするのですけども、メディア側からすると、情報を探す中で、こういった小樽自身のような情報というのは価値はあるんでしょうか?
渡邉)めちゃくちゃありますね。テレビでも、ウェブで良い記事だなと思ったのをご紹介することがあります。
特に、観光協会が出している情報は信頼性も高いので、すごく価値があると感じますね。
先ほど、SNSでも多くのコメントが寄せられているという話がありましたが、一般ユーザーの反応とかも実はテレビ局では見ていたりするので、大事な存在だなと思っています。
小樽自身が果たした役割とは?
大塚)次は、小樽自身が果たしてきた役割ということで、思いつくまま語っていただきたいと思うんですけども、山城さんいかがでしょうか?
山城)実は小樽自身は、観光客の方に向けての情報であると同時に、半分は小樽市民に向けての情報だったんじゃないかなと思ってます。
「小樽の観光スポットの芽を探す」というのが、私の中でサブテーマになっていて、例えば、温泉の露天風呂を紹介する時も、ただの施設紹介だけでなく、"雪見風呂"のような形で紹介することによって、雪の降らない地域の方には魅力的に映る。
そのように、新しい切り口で紹介することにより、「芽を花咲かせていく」という作業でした。
山城)この芽を小樽市民にも気づいて欲しい。
小樽には何もないでしょと言うのではなくて、あそこに行ったら楽しいよ、良い店だよと、小樽市民自身が言えるようになってほしい。
そういった意味で、小樽自身ではたくさんの情報を見られるようにアーカイブとして残したので、これが小樽市民の間でも深まっていけば、役割を果たしたと言えるのではないかと思います。
大塚)安田さんが思う小樽自身の果たした役割はいかがでしょうか?
安田)小樽自身では、小樽市民が自分の街のおすすめの場所を勧めたい!という思いをもって記事を制作し、発信してきました。
小樽市民もそうですし、小樽に来ようと思っている方に、地元民がお勧めするお店やスポット、イベントなどが届けられたんじゃないのかなと思っております。
また、私も色々と取材に行かせてもらい、お店の方とお話もさせていただいたんですが、そこから輪が広がったことも良いことだと感じています。
大塚)大切なことであり基本でもありますよね、良いものを良い情報としてお伝えしていくのは。
人に伝えるときに聞きかじった情報を伝えるだけではダメでしょうから、自分で取材して体験するというのは意味がありますよね。
大塚)体験という意味では、編集部でキャンプをする企画もやりました。おじさん4人が集まって焚火を囲むというのは普通はないですよ(笑)
こういう時間が取材をしつつも楽しかったり、仲良くなったり、次のアイディアが生まれるということもありましたので、そういった意味で、内部の意識改革という役割もあったんじゃないかなと思います。
これからの情報発信を語る!
大塚)テーマとしては最後となります。今後の情報発信に向けてということで、まず小樽自身は今回の特別編集号をもって一時お休みをさせていただきます。
今後は、年4回の季刊誌ウェブマガジンを、名前を変えて発行する予定ということで、現在準備を進めているところでございます。
そこで、ウェブマガジンに限らず、今後の情報発信に向けて何か抱負ですとか、こんなことやってみたいとか、編集長の皆様に自由に語っていただきたいと思います。まずは渡邉さんからお願いします。
渡邉)先ほど安田さんがおっしゃっていた、取材を通してできた輪というのを、今後も発展していけたらすごく素敵だなと思います。
特に小樽自身では市民ライターを大事にされていると思うので、そこをもっと募ったり、育成したりして、発信者をどんどん増やしていくことができるのではないかなと思っています。
例えば、港に新施設ができると思いますので、そこを拠点に発信者を募ってワークショップを開くとか、市民と一緒にコンテンツ作りをする取組があれば、すごく面白いかと思います。
大塚)その際は、ぜひテレビで取り上げていただければと思います。
安田さんはいかがでしょうか?
安田)私としては、今後の季刊誌ウェブマガジンになっても、市民目線というところは大事にしていきたいと考えています。
最近そのような市民目線の情報が求められていて、テレビでも取り上げてもらっていますので、小樽市民ならではの情報発信を続けていければいいなと思います。
それと、小樽自身では移住者シリーズというのを配信してきました。
ただ単にお店の紹介じゃなくて、どういう気持ちで小樽に来て、どういうところにこだわっているのか、そういう人物紹介という部分について、今後も発信していきたいですね。
渡邉)移住者シリーズは、Sitakkeでも配信してまして、歴代第2位の人気記事となっていますね!
大塚)そういった意味では、テレビにも取り上げていただいていますので、経済効果についても検証してみると面白いかもしれないですね。
それでは最後に、山城さんお願いします。
山城)今から20年ぐらい前に小樽市観光基本計画を作ったとき、タイトルをつけようとなったんです。色々議論した結果「いいふりこき宣言」というタイトルをつけました。
その意味合いというのが、小樽市民というのは、自分の街を自慢したがるんだと、それが基本計画の基本になるんだということでした。
私、まさにその通りだなというふうに思って。
山城) やはり小樽自身の原点は、小樽の人が、小樽のいいところを「どうだ、いいだろう?」というふうに紹介するところなんじゃないかなと思ってます。そこには、かっこつけとかじゃなくて、浜っぽい小樽人の気質みたいな感じがあるのかなと。
だから今後も、素敵な絵がずらっと並んでいるだけではなくて、「どうだ、いいべ?美味いべ?」みたいな、小樽人の雰囲気がにじみ出るようなメディアであったらいいんじゃないかと思います。
渡邉)山城さんがおっしゃってる雰囲気というのが、これまでの歩みでできていると思います。
今は「推し」という言葉がありますけども、市民たちが自分の小樽の「推し」を語るみたいな雰囲気が小樽自身はあると思うので、一読者としても、一メディアとしても楽しみにしてます。
大塚)3年間、計36号を発行したノウハウが私達にも貯まっていますし、認知度も上がってきたので、これを加速する形で、次の季刊誌に向けてがんばりたいですね。
最後に
大塚)最後に、ゲストの渡邉さんから一言お願いいたします。
渡邉)改めて自分のメディアにとっても勉強になる話で、こういった貴重な機会を与えてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
私も今まで小樽といえば「海鮮」と「運河」というイメージがすごく強かったので、小樽自身の記事を読んで、小樽の楽しみ方ってこんなにあるんだということを知ることができました。
「小樽に来たら必ず海鮮を食べて、観光地巡りしなきゃ!」という自分の思い込みから解放されたというか、気づきが最近ありまして、そうなると世界が広がり、あちこち小樽を歩いて楽しい日々です。
この間もアナウンサーと一緒に小樽にきて、ただぼんやりと運河を眺めながらビールを3時間ぐらい飲むみたいなこともありました(笑)
それに気づいたのも、小樽自身が扉を開けてくれたからだと思いますので、感謝しております。
大塚)約1時間半、熱く語っていただいたことにより、多くのお話をお聞きすることができました。
編集長の皆様、ありがとうございました!