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小樽の街を散歩していると出会うのが、イケメンのおにいさんが引く人力車。冬の小樽もさっそうと流しています。他の地方では経験できない風景。ということで、雪国の人力車を引く俥夫たちはどんな苦労や喜びがあるのか、えびす屋小樽店の松永洋所長に聞きました。
デコボコ雪道でも乗り切る!
人力車の構造はいたってシンプル。2つの車輪を結んだ軸に座席の部分をのせたもの。これを座席から伸びた2本の引き棒で引いて、動かすというしかけです。この引き棒、素人が引くと必ず振動がうまれます。肘をうまく使ってブレをうまく吸収するのがコツです。グズグズの雪もこれで突破。
人力車は今、飛騨高山のメーカーで手作りしていて、このメーカーでのみ製造されているようです。
重要なパーツ「板バネ」
デコボコでも雪道でも快適な乗り心地を生むための重要なパーツが「板バネ」。弓型の板が合わさったような形状で、振動をここで受け止めてくれるサスペンションの役割です。
プロが引くと意外と軽い?
座席から伸びる引き棒の扱い方が重要になるのは想像がつきますが、その構造を理解すると、意外にも軽く扱えると松永さん。片手でもいけるし、女性でも引けるといいます。コツは、引き棒が水平になるポイントで引くこと。そうすると、約80㎏の重さもほとんど感じないのがプロのようです。
これが基本の持ち方。右手で持っているのが引き棒、左手で持っているのが舵棒。車の通行状況も確認しながらなので、右後方を確認しやすい持ち方なんです。
ハイクラスのおもてなし!
明治の文明開化とほぼ同時に誕生した人力車。当時は身分の高い人や、海外からの要人を乗せる乗り物。そんな、ハイクラスさを残しているのが毛氈(もうせん)。ひざかけに使う毛布のような生地ですが、これがとってもあったか。寒いと思われがちな北国の人力車は、ちょっと贅沢感もあってとってもあったかなんです。小樽のおもてなし。
小樽の車体は銀色!
人力車の車体の色は本来、黒が基本ですが、小樽では銀色なんです。冬は日の入りが早くなるので、暗い道でも見えやすいように。これは、全国的にみても小樽だけ。ちょっと近未来的なイメージが加わって、雪の中を疾走する風景にはぴったりです。
いつもと違う景色へ!
風を切って優雅に移動する快適さは、誰の心もつかむはず。それが雪道となれば貴重な経験。防寒対策もばっちりの座席で、さあまだ見ぬ景色へ。
えびす屋小樽
小樽市色内2-8-7
TEL:0134-27-7771
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