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2024年春から始動した地域独自の仕組み、「小樽おもてなし認証」は今年3年目。この認証を取得した企業・施設は、認証のプロセスのなかで自社のおもてなしをあらためて見直し、他の認証取得施設と共に学び合いながら、さらなる「おもてなし力」向上に努めています。本記事では、令和7年に「小樽おもてなし認証」を取得した事業者から2施設の取組をご紹介します。
※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。
オーセントホテル小樽
夏場は8~9割が国内のお客さま、冬になるとその割合が逆転するほど海外からのお客さまでにぎわうという「オーセントホテル小樽」。スキーを楽しむヨーロッパやオーストラリアのリピーターが、毎年1週間から10日ほど長期滞在していくそうです。「10年くらい前はアジアからのお客さまが主流でしたが、最近は冬になるとヨーロッパのお客さまが増えます」と語るのは、宿泊支配人の宗原さん。「言葉がわからなくても、とにかく話を伺うという姿勢でお迎えしています」と話してくれました。

宗原支配人のモットーは「これで終わりはない」ということだそう。「お見送りの時には、次にまた会いましょうという想いで接しています。だからこそ、お客さまには自分を覚えていただきたい。あの人のいるホテルってどこだっけ?と思ってもらえるよう、意識して日々お客さまと対応しています」と語る宗原支配人。覚えてもらうためには、相手によって対応を変える必要もあるそうで、「小さなお子さまやご年配の方に対し、ピシッとした接客をしても安心感は生まれません。ホテルマンらしくピシっとしていることより、この方に覚えてもらいたいと思えば、自然とお客さま一人一人に合わせたおもてなしができるんです」と笑顔で教えてくれました。

他のスタッフにも同じことを求めてはいるものの、「言われたからやります、というような意識では義務的になってしまい工夫も生まれません。それより、若いスタッフたちには、一日ひとつでいいから“なんで?”という意識を持つように言っています。“なんで怒られたのか”“なんでやるんだろう”など、その一つひとつの積み重ねが経験になります。やらなきゃいけないでは、おもてなしにはならないと思うんです」と話してくれました。
小樽おもてなし認証を取得しての想いをお聞きしたところ、「サービス業として取れて当たり前ではあるのですが、良かった、ようやく仲間入りできたという安堵感もあります」と語る宗原支配人。「サービスを可視化できたのもよかった。また、小樽という地域全体で取り組めることをとても嬉しく感じています」とのこと。支配人になってからは、表に出ることは減りましたが、「自分はお客さまのために存在する」と、日々、改善に取り組んでいるそうです。「怖い人、自分がいるからちゃんとしなきゃと思われる存在でいいと思っています」と言いつつ、「小樽雪あかりの路」の際には、全力でオラフ(アナと雪の女王のキャラクター)を作り上げ、「かなりのクオリティに仕上げました!」と笑顔で話してくれました。「すべてはお客さまに喜んでいただくため」というまっすぐな想いと、サービス業にかける熱い想いがひしひしと伝わります。
最後に、「素晴らしいホテルはたくさんあるけれど、いろいろな人が自由に使えるホテルでありたいと思っています」と語る宗原支配人。オーセントホテル小樽は、ストイックなプロ意識による徹底したサービスとお帰りなさいの想いが込められた「あたたかなおもてなし」が、バランスよく混じり合っている空間でした。

▶オーセントホテル小樽(令和7年取得)
・公式サイト
ワイン&カフェレストラン 小樽バイン
明治45年建築の「旧北海道銀行本店」の建物を利用した「小樽バイン」。小樽市指定歴史的建造物にも指定された重厚な外観ということもあり、「格式や値段が高いと思われたりしますが、肩ひじ張らず利用できるレストランです」と話すのは、店長の坂田さん。カップルやご夫婦の利用も多く、テーブルごとに間接照明もあるので、「ちょっと良い雰囲気のレストラン」として、気軽に利用してほしいそうです。

2025年3月から4月にかけ、店舗内の改修を行っていた間には、なかなかできていなかったスタッフの研修を行ったそう。「調理担当やホールスタッフなど、大学生も含めて約30名のスタッフがいます。お酒の知識が少ない者もいるため、NPO法人ワインクラスター北海道の阿部ソムリエに来ていただき、初のワイン研修をスタッフ全員参加で行いました」とのこと。これまでは、「ソムリエのような知識もないし…」というスタッフたちもいましたが、研修後は自信をもってお客さまにワインを薦めている様子を見て、研修の成果を感じているそうです。

坂田店長自身も、改修・休業中にいろいろな学びがありました。普段は行けなかった飲食店を訪れては、味や接客などを勉強。その中で「サッポロ・ザ・パーフェクト・クラシック」という、美味しいクラシックビールの提供店に与えられる公認制度を知り、休業明けの小樽バインでもエントリーをすることに。覆面調査を経て、道内400店舗の「パーフェクト クラシック」提供店のなかから、見事に「ベスト オブ パーフェクト クラシック」受賞店に選出されました!

また、「小樽バイン」のおもてなし向上のために大切にしているのが、スタッフ間の日ごろのコミュニケーション。「グループLINEで、情報を共有しています。おもてなし認証制度の覆面調査結果もスタッフ間で共有しました。注意ばかりではモチベーションが上がらないので、良い口コミを伝え合い、モチベーションがアップするよう心掛けています」とのこと。「話し合いをしよう」となるとスタッフ間でも話しづらさがあるので、日ごろのコミュニケーションのなかでいろいろと伝え合っているそうです。
もちろん、失敗から学んだこともしっかりと情報共有します。以前、注文した料理を次々と提供してしまい、会計時、お客さまから「もう少し順番に出してほしかった」と言われてしまったそう。「忙しい時だったので、オーダーが入ったものはどんどん出してしまいましたが、確かにテーブルの上はいっぱい。お客さまのことを考えていなかったと反省しました。スタッフとすぐに共有し、それからはテーブルのお皿の具合を見て、声をかけてから出すようになりました」と坂田店長。

たくさんのスタッフがいるからこそ、共有し、失敗を繰り返さないことが大切です。その情報共有の積み重ねが、日常的な居心地の良さにつながり、美味しいお酒や料理を心から楽しめる雰囲気につながるのでしょう。市民にも観光客の方にも愛される小樽バイン。坂田店長も、「これまでより、少しずつ夜の利用が増えてきました。小樽バインの認知度も上がってきたと感じます」と嬉しそうに語っていました。ぜひ、美味しいビールとワインを楽しみに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
▶ワイン&カフェレストラン 小樽バイン(令和7年取得)
・公式サイト
令和8年 小樽おもてなし認証 取得施設[発表]
令和8年は、新たに5社7施設が認証を取得しました。今春に実施された各種審査を経て、晴れて「小樽おもてなし認証」を取得した施設はこちらです。おめでとうございます!!
| 株式会社新倉屋 | 新倉屋 花園本店 |
| 株式会社新倉屋 | 新倉屋 駅前店 |
| 株式会社新倉屋 | 新倉屋 総本舗 |
| 株式会社北洋銀行 | 北洋銀行 小樽中央支店 |
| 株式会社小樽観光振興公社 | 小樽海上観光船 |
| 一般社団法人小樽観光協会 | 小樽運河観光案内所 |
| 株式会社パーク・オタルチッコウ・オペレーションズ | グランドパーク小樽 |
▶令和8年 小樽おもてなし認証 取得施設
https://www.otaru-omotenashi-project.com/post/r8ninsho-shisetsu
なお、下記の日程で、認証式が開催されます。
●令和8年 小樽おもてなし認証 認証式
日程 令和8年7月9日(木)
会場 小樽芸術村 旧三井銀行小樽支店(小樽市色内1)(Map)
▽式次第
第一部 14:00~ 認証式
第二部 14:30~16:00 おもてなし力向上セミナー「価値ある時間とおもてなし」
第三部 16:30~18:00 交流会 (会場:小樽バイン)
▶認証式の詳細はこちらから

ライター 田口 智子
1974年札幌生まれ。1996年に小樽市職員。観光振興室勤務などを経て、2007年にFMおたるに入社。2023年11月からフリーのパーソナリティー、ライターとして活動している。小樽の街歩きガイドブック『小樽さんぽ』『小樽さんぽ2』『とっておき!小樽さんぽ』などの著書がある。
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