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小樽人が愛する町中華[その1]【小樽通2025秋号】

2025.09.22

観光地として知られる小樽ですが、市民の暮らしに根づいた「町中華」もまた、この街の味わいを語る上で欠かせない存在です。
暖簾をくぐれば、炒め油の香りや食器の音に混じって、どこか懐かしい空気が漂う。地元の人々が通い続けるその理由を探しに、小樽通ライターが小樽市民に愛されるお店を訪ねました。

「いつものね。」

席に着くなりそう言われて出てくるのは「紅生姜あり・カラシなし」の僕専用あんかけ焼そば。寡黙に鍋を振る澤田さんとテキパキとお客を捌く奥さんの夫婦二人で経営している中華料理店「五十番菜館」さんは僕の行きつけ店だ。

母が学生の頃からあるらしい五十番さんに、僕も社会人になってから通うようになった。硬めの餡に定番の野菜、そしてグリーンピース、キクラゲにプリっとしたエビが2尾。

豪快に掻き混ぜて餡と麺を絡ませたら、いざ実食。
変わらない味で、ごく稀にある「あれ…なんか味が落ちたかも…」が通い始めてここ10数年ない(と僕は思っている)。

※普通に頼むと辛子が添えられていて紅しょうがはついてきません。

本当に大好きで、僕の中のソウルフードの教科書的な存在だ。
ちなみに、そんな地元密着店のように見えるが、昨今の外国人観光客増加の中、五十番さんは海外にもよく旅行に行かれている経験から、バリバリ英語で応対していて、そんなシーンに出くわす度、何故か僕は無関係に誇らしくなるのであった。

(文・じんたん)

五十番菜館
住所 小樽市稲穂2丁目10番1号
電話番号 0134-32-4793
営業時間 月~金・日11:00~15:00、土 11:00 ~ 16:00
食べログ https://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010601/1018074/



運河沿いの歴史的建造物で市民にも人気の中国料理を堪能!

歴史的建造物としても有名な好さん、この建物は石原慎太郎、裕次郎さんのお父さんが働いていた建物で、ここに石原兄弟が出入りしていた。という話も残っています。そんな好さんは、宴会場として使われることも多い、地元にも人気のお店です。

あんかけ焼そばで有名なお店ですが、他のメニューも食べてみようと思い、スタッフさんにオススメを聞いてみました。「答えは、あんかけ焼そばの注文が8割、あとは同じくらい」だそうです。結局自分で決めなければいけなくなり、私が選んだのは、ランチセットメニューの「鶏肉の甘酢セット」サラダ、ザーサイ、スープ、ライス、焼売がついていて、ボリュームたっぷり、これはお得です。

メニュー ランチセット 鶏肉の甘酢セット 1260円(税込)

濃厚でとろっとした甘酢あんがたっぷりのお肉、ライスが進みすぎて、お肉がまだ4つ残っているのに、ライスはあと1口分。皆さんんはこのようなことにならない様に気を付けてください。やさしい味のスープとシャキシャキ野菜、焼売にザーサイとバランスのよい、おいしいランチになりました。ちなみエビチリは辛めだそうです。メニューが変更になることもございます。

(文・まってぃ)

小樽中国料理 好(ハオ) 
住所 小樽市色内1-2-18 協和浜ビル1F
電話番号 0134-32-0680
営業時間 11:00~14:00、17:00~21:00(L.O.19:30)
公式ページ https://otaru-hao.com/



オタモイ・幸エリアの住民に深~く愛されているお店。最近は2024年に公開されたNetflixのドラマのロケ地になったことでも話題です。

お店ができてから44年。現在の店主は2代目です。レトロで清潔な店内は落ち着く空間。

定食やオムライスも提供していますが、今回は「町中華」のテーマなのでお願いしたのはラーメンセット。

セットなのにごはん茶碗1杯分以上はあるチャーハンは、ご飯がふわふわ。一口頬張ると、うまみのある味で手が止まりません。塩味が際立つさわやかな紅ショウガとの相性が最高!
ラーメンもしっかりした味付けなのに、いつまでも食べていたい美味しさ。

チャーハン単品も、遠方からわざわざ食べにくるファンもいるくらい人気だそう。

美味しさの秘密を店主に教えてもらいました。ラーメンスープは豚バラ、ゲンコツ、鶏ガラ、豚足を7時間半煮込んだもの。出汁やスープは全て1から作っており、美味しさを最優先に。チャーハンは少量でも注文を受けてから鉄鍋を振って調理。重い鍋を振りすぎて手のひらにはタコが!大変だけど鉄鍋じゃないとこの美味しさは出せないからと、笑いながら話していました。

お客さんに喜んでもらうために手間を惜しまない姿勢が、長く愛される理由だと強く感じるお店。

(文・アキコ)

湖月食堂
住所 小樽市オタモイ1丁目25-9
電話番号 0134-26-3124
営業時間 11:00~15:00 日曜定休
食べログ https://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010601/1009588/



メルヘン交差点から徒歩4分、観光スポットが集まる堺町通り商店街にも近い萬珍閣は、笑顔が素敵な中国吉林省出身の店長・宮(ゴン)さんの本格中華のお店。

中心部にありながらも駐車場もあります。

7種類のラーメンにあんかけ焼きそば、定食メニューは16種類。美味しそうなメニューの選択肢が多く注文に迷います。

辛いもの好きな方におススメという四川ホルモン定食は、ホルモンがたっぷりでホルモン好きの私にはとても嬉しい一品でした。
一口目は辛いかも!と思うも、後に引かない辛さ。辛いものがそこまで得意ではない私でもどんどん食べ進められます。
噛みやすいホルモンも、箸が進む理由の一つ。甘辛い味噌ベースのたれをまとっていて、ご飯を何杯でもおかわりできそうです。
定食を頼むとご飯のおかわりは無料になるので、食いしん坊にはありがたい!

付け合わせの大根サラダはさっぱりとして、コッテリに傾いた舌をリセットできます。セットのザーサイはごま油の風味がよく、デザートには杏仁豆腐までついてきます。

一品食べると、全メニュー開拓したくなる美味しさです!

(文・アキコ)

萬珍閣
住所 小樽市有幌町2-20 宮本ビル1F
電話番号 0134-26-6339
営業時間 11:30~14:30、17:30~21:00 月曜定休
食べログ https://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010601/1041610/



小樽市内でも珍しい"刀削麺(とうしょうめん)”が食べられるお店。

赤い看板が目印です。

地元民に長く愛されるこの店は、小樽市塩谷の国道5号線沿いにあり、小樽市街と余市町を結ぶ主要ルート上に位置します。
観光や帰省シーズンには交通量が増え、お盆の時期が最も忙しいとのこと。
店主の桒原さんは御年71歳。豊富なメニューの中、厨房で調理するのは桒原さんお一人。

「刀削麺 トマトと卵のピリ辛味」

中華の王道「麻婆豆腐」や「チャーハン」も人気ですが、やはり珍しい「刀削麺」が一番のおすすめ。
小麦粉の塊を包丁で直接削り茹でる麺は、もちもちした食感と力強いコシが特徴です。特に「トマトと卵のピリ辛味」は、酸味、辛味、卵のまろやかさが絶妙に合わさり、誰でも食べやすい逸品。

「働くことが好きでね。75歳までは頑張りたい」と笑顔で語る桒原さん。

観光客も地元客も惹きつける一杯を、小樽・塩谷で味わってみてはいかがでしょうか。

(文・たるえもん)

中国料理 輝楽飯店
住所 小樽市塩谷2丁目15−16
電話番号 0134-26-0062
営業時間 月・水・木・金:11時30分~15時00分
     土・日・祝:11時30分~15時00分、17時30分~20時30分(ラストオーダー20時)
定休日 火曜日
公式ページ



元ホテルシェフの中華料理が優しいお値段でお腹いっぱい食べられる中華屋さん。

小樽商科大学へと続く坂道の途中にある「天蓮華」は、2015年にオープンした町中華のお店です。創業からまだ10年ほどですが、すでに学生や地元の人に親しまれる存在になっています。
腕をふるうのは、かつてホテルで料理を手がけていたシェフ。気取らない雰囲気の中で本格的な味を楽しめるのが魅力です。

人気メニュー「ホイコーロー定食」

よく注文されるというホイコーロー定食は、甘辛い味噌ダレが豚肉と野菜に絡み、ご飯がどんどん進む一品。加えて、ちょっと珍しい台湾ラーメンや、真っ黒な見た目がインパクト大の黒チャーハンも評判です。
ボリュームたっぷりなのに価格はお手頃で、学生から常連の大人まで幅広く支持されています。ラーメンや炒飯といった定番も揃っており、日常の中で「今日はしっかり食べたい」と思ったときにふらっと立ち寄れるお店です。

(文・たるえもん)

中華料理 天蓮華
住所 小樽市富岡1-20-4
電話番号 0134-55-0449
営業時間 11:00~14:00LO、(土日のみ)17:00~18:30LO
     ※スープ・食材がなくなり次第、営業終了となる場合がございます。
定休日 月曜(不定休あり)
駐車場 有
食べログ



今回ご紹介したのは6店舗ですが、もちろん小樽の町中華はこれだけではありません。
まだまだ取材してきましたので、続きは「小樽人が愛する町中華[その2]【小樽通2025秋号】」よりご覧ください!



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小樽人が愛する町中華[その2]
2025年9月23日(火)17:00配信

  

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