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小樽では、10月13〜15日の3日間、歴史的な町並みの保存とまちづくりについて考える「第46回全国町並みゼミ小樽大会」が開催されました。
小樽で開催されたのは、1980年、2001年に続き3度目。全国で3回も開催されているのは小樽だけなんです!
歴史的景観の保存活動に携わる全国各地の関係者や市民、台湾からの使節団24名を含む約400名が参加しました。
今年は小樽運河が誕生して100年という節目の年です。今回の大会のテーマは、「小樽運河100年の歴史から考える〜今、ふるさとの魅力を未来へ〜」。
この大会では、これからの100年を見据え、小樽が抱える課題を明確にし、持続可能な歴史文化都市を実現するために全国の様々な先進事例に学びました。
そんな小樽大会の様子をご紹介します!
10月13日 ~開会セレモニー・記念講演・小樽報告・各地からの報告など~
大会初日、秋晴れの中、全国の町並み保存運動の活動を行っている方々が会場の小樽市民センター(マリンホール)に集結。
小樽大会の実行委員長の中 一夫 氏による開会の挨拶で大会の幕が開きました。
■記念講演
台湾歴史資源経理学会秘書長
丘 如華 氏
小樽運河保存運動の中心であった、小樽運河を守る会2代目会長の峯山冨美さんから影響を受けたことや、台湾の町並み保存運動の歴史を紹介。
■小樽報告
法政大学社会学部 教授
堀川 三郎 氏
小樽を39年間にわたって調査。1986年に88棟あった市内の歴史的建造物が2016年には17棟に減ったことを指摘。 小樽のまちづくりの現在は「終わりのはじまり」ではないかとも語った。
■小樽報告
パネルディスカッション
小樽運河保存運動の歴史から何を学び、 これからの小樽のまちづくりにどう活かしていくのかを世代を超えて考える場となった。
その他、函館・新潟・盛岡・福島・倉敷・名古屋・茨城など各地から町並み保存とまちづくりの取り組みが発表されました。
10月14日 ~歴史文化まち歩き・分科会~
大会2日目は早朝の小樽運河清掃からスタート。
その後、小樽市観光物産プラザ3番庫ギャラリーに集合し、歴史文化まち歩きを実施しました。
コースは、日本の近代化を牽引した小樽を学ぶAコースと、色内銀行街と小樽運河の今を知るBコースの2つ。
Aコースはおたる案内人ボランティアが、Bコースは小樽観光ガイドクラブの会員が案内役を務め、こども案内ポイントとして、各コース3ヵ所で、朝里小学校児童と未来創造高校の生徒が案内役を務めました。
また、5つの分科会でもまち歩きを行い、各会場でパネルディスカッションを実施。
第3分科会の会場は、小樽市に寄贈され保存が決まった旧北海製罐第三倉庫の近くにある北海製罐㈱の小樽工場事務所棟。「水辺の関りの再考~運河周辺の水辺環境づくり~」をテーマとし、水辺の利活用法などについて意見交換をしました。
10月15日 ~記念シンポジウム・分科会報告・峯山冨美賞贈呈式・閉会式~
最終日となる3日目は、 小樽市役所内にある小樽市議事堂で行われました。 記念シンポジウムでは小樽市、函館市、愛媛県内子町の3市町長が 歴史的な町並みをどう守るかや、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)など、町並みを残すために展開する各方策などを語りました。
その後、2日目に行われた分科会の報告を大学生たちが約5分間にまとめ上げて発表。 そして、地域の文化と歴史的集落・町並みなどの保存・再生・活用運動を通じて地域の活性化に寄与することに貢献した方に贈られる「峯山冨美賞」の贈呈式が行われ、NPO法人小諸町並み研究会事務局長の荻原礼子 氏が受賞しました。
閉会式では、小樽大会実行委員長の中 一夫 氏が登壇し、この3日間を振り返り参加者そしてこの1年間準備を行ってきた実行委員会のメンバーに感謝の言葉を述べました。
次回の第47回大会は2024年10月26〜27日、東京で開催されます。2024年は全国町並み保存連盟結成50周年を迎え、歴史まちづくりの次の展開について討議が行われます。