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※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。
日に日に寒くなってまいりました。いよいよ冬本番。「こんな寒い日は鍋にしよう」という声も聞こえてきそうな季節になりました。小樽でお召し上がりいただける北海道の郷土料理、冬の魚を鍋で楽しみましょう!
【注意事項!!】取材中にお店の方々は「今日は市場に入ってないからなー」とか、「出回るようになったら、お店でも出すよ」などとおっしゃっていました。そうなんです。魚が獲れなければ、そして仕入れることができなければ、お店で提供もできないのです。飲食店には事前にお問い合わせいただいた方が確実です。
かじか汁
カジカと言っても色々と種類があり、この時期、格別に美味しいのはトウベツカジカ。これは北海道での呼ばれ方で、本名はケムシカジカと呼ばれます。
お肌がブヨブヨとしていて見た目はグロイですが、美味しすぎて、突いて鍋を壊しちゃうので、鍋壊しとも言われる魚です。
「かじか ろばた焼き」では「真かじか」を使用。年中メニューにありますが、旬はやはり冬、「特に肝が濃厚」とお店のお母さんが語ってくれました。
かじか汁には、ぷりっぷりの身はもちろん皮や内臓、肝とともに、じゃがいも、大根、人参、長ネギなどの野菜が入ります。かじかのダシと野菜のうま味が最高のバランスです。「一味を振って食べると温まるよ」とのこと。食べやすいように一人前ずつに分けて提供されます。
▶かじか ろばた焼き
小樽市稲穂2-13-17
電話0134-23-6744
営業時間17:00〜23:00(日曜定休)
ごっこ汁
ごっこという魚、ご存知ですか?学名は「ホテイウオ」と言い、七福神の布袋様に由来する縁起の良い名前です。普段は深海の中層を泳いでいるのですが、産卵のために浅瀬に来遊します。コラーゲンたっぷり、ぷるぷるした身から出る出汁は最高です。
「酒処ふじりん-小樽・おでん-」では、ごっこが出回るようになると、お店でごっこ汁を提供します。表面はぬるぬるなのが特徴のごっこ、熱湯を上からかけると、皮が縮むのですが、そうなると見た目は、まるで怒った時のふぐのようだとか。メスは、身体の中半分がぷちぷちの卵、白身部分は、ゼラチン質でぷりぷりです。醤油で味をつけて、豆腐、大根、長ネギ、岩海苔でごっこ鍋が完成です。
▶酒処ふじりん-小樽・おでん-
小樽市稲穂2-11-2
電話050-8881-0525
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営業時間17:00〜22:00(21:30LO)(火・水曜定休)
あんこう鍋
あんこうは、体全体が柔軟性に富み、粘りがあるため、普通の魚と異なり「吊るし切り」という、下あごにフックをかけて体をつるし、アンコウの口から水を流し込んで胃を膨らませ、柔らかい胴体に張りがでたところを解体する独特な方法で捌かれる。
冬の代表的な鍋料理のひとつ、あんこう(鮟鱇)鍋。あんこうは、余市など、小樽の近海でも獲れます。小樽の人気店、商店街の路地裏にある「らく天」で提供のあんこう鍋は、味噌仕立て。信州味噌と京都の石野白味噌の合わせ味噌。肝も喧嘩にならないよう炙って汁に溶いてコクを出します。これは美味しそうですね~。
▶らく天
小樽市稲穂2-13-7
電話0134-22-6336
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ご予約はこちらから
営業時間18:00〜23:00(月曜日定休)
三平汁
「三平汁」は、塩漬けにしたサケ、タラ、ニシンなどの魚と、人参や大根などの野菜を一緒に煮込んだ郷土料理。塩漬けにして保存された魚を野菜とともに煮こみ、その魚の塩分だけで味を付けるが特徴。
「三平汁」という名前の由来は、諸説あると言われており、松前藩の殿様が狩りに出た際に、斉藤三平という漁師の家であり合わせのもので煮こんだ汁を食べて、大変気に入ったため「三平汁」という名がついた説や、有田焼(伊万里焼)の陶祖、李三平の三平皿という深皿に盛ることに由来するとされる説などがあります。
鱗友朝市内にある「朝市食堂」では、市場に出回る魚が手に入った時に、定食や丼と一緒に提供する汁物でお出ししています。よって、いつ出されるかわかりませんが、観光客の方には大好評だとか。 家庭料理では、小樽では鰊で三平汁にされる方が多いかもしれませんね。
▶朝市食堂-
小樽市色内3-10-15 鱗友朝市内
電話 0134-24-0668
営業時間4:00〜14:00(日曜定休)
★編集長の「作ってみた!」シリーズ
市場やスーパーで買ってきた食材で、自宅で楽しんでしまうという方法もありますね!月刊小樽自身編集長が、自ら調理した食レポをお届けします!
カジカ鍋、作ってみた
(編集長談)カジカ鍋は冬の小樽の家庭の定番なのでお店ではなかなか食べられない事もあるので、そんな時は自分で作ってみるのもいいでしょう!
▼(編集長の食レポ)
実は引き締まってプリプリ、肝和え味噌が溶けた鍋つゆはコクと甘味があって普通の味噌鍋とは別格の旨さです。ヒレとかエラの近くはコラーゲン成分がトロトロでぷるんと食べられて美味しい。
やっぱカジカ鍋は味噌が合います。
調理のコツは、皮にやや磯臭さがあるのでしっかり塩振って皮面に湯をかけ回してしっかり霜降りにするのがいい。
また肝和え味噌を作るときは味醂を加えて味噌を溶かすと甘みが加わってさらに美味しい。肝は裏漉しするかすり鉢でするとさらに汁が滑らかになって飲みやすい。
身も卵も肝も汁も具材も全部美味しくなるカジカ鍋でした。
アンコウ鍋、作ってみた
(編集部注)カジカ鍋を作った翌日、魅せられたかのように今度はアンコウ鍋にトライする編集長。さすがです!(おかげでネタが増えました)
▼(編集長の食レポ)
カジカより身の歯触りいい弾力があってプリプリ、磯臭さも少なく明らかに上質です。さすがアンコウです。全身がゼラチンで骨も柔らかめでアンコウは食べやすいです。そして身がしっとりプルプルで上品な味。磯臭さがあまり無い。
そして、確かにアン肝美味しいです。ウニ、イクラに匹敵する珍味ですね❤
▼メモ:アンコウの七つ道具
※アンコウの可食部分のこと
(ちなみにアンコウは骨以外捨てるところのない魚と言われている)
①ヤナギ(身)「柳肉」(りゅうにく)ともいう。白身で淡白。
②カワ(皮)コラーゲンたっぷりで味もあり、代表される部位。とも酢が代表的な一品料理。
③水袋(胃)胃袋には特徴があり、噴門部に歯のようなものが上に2か所、下に2か所ある。この歯のようなもので噛み砕くわけではないが、丸呑みにした魚が逃げられないように「返し」になっている。
④キモ(肝臓)いわゆるアンキモ。アンコウを美味しくしてくれる代表的な部位。「海のフォアグラ」とも呼ばれている
⑤ヌノ(卵巣) 平板状のためにそう呼ばれる。
⑥エラ(えら) 普通の魚においてはエラは食べないが、アンコウでは鍋に入っている。
⑦トモ(尾鰭や胸鰭など)付け根の食感が良く美味しい。
他にもホホ肉(柳肉)や大身(尾の部分)、背骨の周りも出汁になり、基本的にあんこうは顔(歯や目)そして骨以外のすべての部位が食べられるとされる。
新鮮な海鮮が手に入る小樽ならではのお鍋の楽しみ方、いかがでしたでしょうか?和食のお店や居酒屋、寿司屋などでもお鍋を提供していますので、是非お気軽にお問い合わせください。一部のお店では要予約、あるいは宴会メニュー限定などとなっていますので、ご注意ください。