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【小樽通2025夏号】美しい小樽の海 紺碧の舞台へ出陣[つむぐおたる深堀りレポ]

2025.06.15

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


皆さんの好きな色は何ですか?

情熱の赤。純粋な白。幸せの黄。

青にも色々な「あお」がありますが、美しく深い青緑色の「」は知的・高貴な印象を持ち、小樽を歩くと「碧」という色がよく似合う街だと感じます。

小樽観光ガイドマップ「つむぐおたる」では、「海と運河がつむぐ7つの小樽の物語」という切り口で、7つの物語に分けて小樽を紹介していますが、
今回は、物語の一つ「碧の小樽」に焦点を当てて、碧が美しい小樽の海を皆さんと一緒に存分に堪能していきたいと思います!

[公式]小樽観光ガイドブック「つむぐおたる」はこちらから

「遠い昔より命を育み、今も恵みをもたらす紺碧の舞台」
碧の小樽の物語より





[お知らせ]
青の洞窟クルージングを予定されている皆様へ(2025/07/22)
2025年7月17日、小樽市の青の洞窟にて落石が発生したため、安全を優先し、青の洞窟内への進入を取りやめております。詳しくは、各事業者にお問い合わせください。
https://otaru.gr.jp/citizen/aonodoukutsu20250718



これからのシーズン、小樽で最も「碧」を楽しめる場所。
それは青の洞窟です。

小樽の青の洞窟は、北海道で唯一の海域公園地区に指定されている小樽の海岸線の中にあり、美しい海と奇岩怪石が織り成す絶景と共に楽しむことができます。

青の洞窟に行くため様々な会社が運航しており、それぞれ出発地点や特徴がありますので、旅のスタイルに合わせてお選びください。

こちらのサイトに青の洞窟を運営している会社をいくつかご紹介しています。



JR小樽駅から徒歩圏内に、青の洞窟クルーズの出発地点が多くありますが、今回は小樽駅からバスで約20分の塩谷地区にある「青の洞窟観光しおや」で体験させていただくことにしました。

実は塩谷の乗船場は、青の洞窟に最も近い場所にあります。
そのため、青の洞窟に行くまでの乗船時間が短く、景色をゆったりと楽しめたり、船酔いが心配な方におすすめだったりします。

また、天候により市内中心部から出航できない時でも、風の影響が少ない塩谷港からは出航できる事があるなど、塩谷発ならではのメリットもあるんです。

小樽駅前(のりばC)発、塩谷海岸行きのバスに乗ります。
※バスの運行情報はこちらで検索できます。

終点、塩谷海岸のバス停を降りたら目の前に海!

潮の匂いと波の音に癒されながらの徒歩約9分。受付を済ませます

今回体験させていただく「青の洞窟観光しおや」の皆様。
どうぞよろしくお願いします!



それでは、「碧」を探しに小樽の海原へ!
今回船を操縦していただける営業部長の石田さんによると、ここ最近は天候があまり良くなく碧色は見えなかったとのこと。

しかし本日は快晴。綺麗な碧色が見えるのではと石田さん。期待が高まります。
約30分の遊覧観光ではありますが、この後、非常に濃い30分を過ごすことになります。

本日は晴天なり。港に別れをつげます。

はしゃいで写真を撮りまくる私。

漁をしている方が手を振ってくれました!良い天気ですね~



どこまでも続く海原と断崖絶壁の間を走る船。

青の洞窟に行って帰ってくるだけだと実は思っていたのですが、途中にいくつもの要所があり、どれも見応えがあります。
しかも、ポイント毎に石田さんが説明してくれるので、綺麗だねで終わりがちな景色も意味のあるものになるのが◎。

話を聞くと、約1000万年前の活発な海底火山活動によって形成された小樽海岸。
遠い昔に思いを馳せながら、今この瞬間に広がる景色を見つめます。

奇岩怪石の中を突き進む船

約1000万年前という太古の営みに想いを巡らせる一時

天敵がいなく餌も豊富なこの場所は鳥の楽園とのこと。
白い地層の上にある特に白い部分は鳥のフンなんですって!

豊富な海の幸が四季折々に水揚げされる小樽。
今まさにシーズンのウニが海底にびっしりでした!

石田船長の話術が光ります。



ここまで来る間の絶景で既に満足感でいっぱいの私ですが、本番はこれから。
いよいよ青の洞窟に近づいてきました。

海水の侵食によってできた洞窟。
遠い昔の自然が作り出した神秘的な光景をどうぞご覧ください。



小樽の海で「碧」を堪能した後、せっかくの機会ですので、青の洞窟観光しおや代表の高石さんにお話しをお聞きしました!
高石さんは50年以上、塩谷の海で漁師をしており、小樽の海を知り尽くしている方です。

--とても濃い時間を体験させていただき、ありがとうございました。
--早速、お聞きしますが、高石さんはいつ頃から青の洞窟に関わっていたのでしょうか?

(高石さん)
元々は私の親が、塩谷海水浴場に遊びに来ていたお客さんを乗せて遊覧船を行っていたのが走りだね。
「青の洞窟」という言葉が出来る前から営業しているけど、景色は当時から全く変わらない。最初ぱっと見た時に、いや真っ青だなって私も感じてたんだけど、それがまさか青の洞窟なんて名前がついてブームになるとはね。

--地元の方だけが知っている場所が、全国的に有名になるなんて驚きですよね。

(高石さん)
そうだね。今は怒られるけど、私が小学校の頃は、あの洞窟の中で泳いだりガヤ釣りをしたりして遊んでたね(笑)それくらいよく行く場所でした。

--地元の方にとっては当たり前でも、他の方から見ると驚きの光景です、私もそうでした。青の洞窟を体験した時のお客さんの反応が目に浮かびますね!

(高石さん)
景色はもちろん素晴らしくて喜んでくれるけど、楽しみ方で言うと、私たちの場合、景色2割、説明8割かな。
私たちの船は、塩谷発で少人数ということもあって、のんびり見れることができて説明も多いのが特徴。
せっかく来てくれたんだから、見て帰ってきて何だったんだろうというよりは、お客さんに納得して帰ってもらいたいし、説明しながら景色を見てもらうと、やっぱり港に帰ってからのお客さんの反応が違うね。いや良かったわぁ~って。

--私も本日体験したので分かります。最近では、気づきや納得感が得られる観光が求められていることもありますので、それを昔から率先してされているのは凄いことです。

「あなたが感動した小樽のおもてなしエピソード」のグッドエピソード施設として感謝状が贈られたこともあります

--月並みな質問になりますが、高石さんのおすすめの景色を教えてください!

(高石さん)
ここら辺の海は積丹ブルーと言われるくらい綺麗な色をしているので、まずはそこを見てほしい。
あとは、つるかけ岩のオタモイ側、船の上から断崖を見上げる景色が絶景。
映画「アバター」で見る山の絶景に似てるなといつも思う、あれは上空からの景色だけどね。船から200mの崖を見上げる光景はなかなか見れないので、ぜひ見てほしいね。

--確かに下から見上げると、アバターの山の絶壁くらいの壮大さに見えますね。
--小樽の海を見る時に感じてほしいことはありますか?

(高石さん)
小樽の海を見る時は、360度ぐるっと楽しむくらいの余裕で見てほしいね。ついつい目の前の岩場ばかり見ちゃうんだけど、たまに沖合いを見ると、カモメの群れが飛んでるところにイルカがさっと出たりって景色が見えたりね。

特に7月、水温が20度くらいになると、海の透明度が増して、底まで見えるから。魚が豊富な場所だから、サバが小魚を追いかけるところが見えたりする。

ただ海を眺めるだけじゃなくて、カモメが群れてる場所の下には必ず魚がいるんだって分かるし、見どころがたくさんあるから、ぜひいろんな角度からこの小樽の海を楽しんでほしいね。

--小樽の海には本当に多くの生き物がいて、それを想像しながら海を見るとまた違って見えますよね。
--最後に、高石さんにとって、小樽の海はどのような存在でしょうか

(高石さん)
本業は漁師だからね、私としてはこの海があるうちは生き続けたいと思うね。
他では色々と汚染だとかのニュースを聞くけど、小樽の海はいつまでもこのままで、あまり手を加えないような形で、一生を終えればいいかなという感じだね。

--遠い昔からあるこの海をいつまでも守りたいですね。
--高石さんお忙しいところありがとうございました!



小樽には、まだまだ海を舞台にしたアクティビティがたくさんありますが、もう一つだけご紹介!

小樽駅から海に向かって徒歩10分。小樽運河を超えた先にある第3号ふ頭では、海上観光船「あおばと」が運行しており、こちらでも小樽海岸を堪能できます。(青の洞窟の中に入ることはできません)

今回、編集部一同で「あおばと」を楽しんできましたので、少しだけご紹介します!

※小樽海上観光船は、新ターミナルへの移転準備期間として、6月1日~7月27日まで、仮設の観光船乗り場にて営業しています。詳しくはこちらから

小樽港で切符を購入して乗船。たくさんの方が乗船してました。

広い船内。自由席となっていて、救命胴衣を着用すれば外に出ることもできます。

出航!小樽の街がどんどん小さくなっていきます。

ウミネコやカモメが餌を求めて、船についてきます!小樽の鳥は賢い!

もう一つの乗船場「祝津港」。船と鰊御殿と日和山灯台の構図が素敵♪

ポイント毎にスタッフの方が説明してくれます。

岩の上にトドがいると、スタッフの方が教えてくれて双眼鏡で必死に探す私。(実際にこの写真のどこかにトドがいます)

美しい海と奇岩怪石が織り成す絶景。この辺りを最後に楽しみつつ、小樽港に引き返します。

日常を忘れて、皆でぼ~っと海を見る一時。こんな時間も必要ですよね。

帰り道でこんな光景に遭遇。鳥の行列?

あっと言う間の1時間30分でした。
楽しかったけど、港に帰ってくると何故かホッとしますよね。

切符売り場では様々なグッズも販売。お土産にどうぞ!



小樽の「碧」を少しでも楽しんでいただけましたか?

時を超えて残る静けさや深み、美しさといったニュアンスが感じられる「碧」は、多くの歴史的な建造物や文化財が活用されている小樽によく似合う色です。

これから夏本番を迎えます。
小樽に訪れた際には、今回、ご紹介した海のアクティビティはぜひ体験していただきたいですが、小樽の街全体として「碧」を感じてみてはいかがでしょうか。



小樽通編集部ライター MATSUKIN
小樽に移住してきて十数年のサラリーマン。ここ最近、小樽の幅広さ、奥深さにやっと気づき、この街を楽しむことに奔走中。甘いものに目がない。



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