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小樽に移住してきて早十数年。
ここでの生活に大分慣れてきてはいるものの、まだまだ小樽初心者な私。
小樽ならではのモノをもっと知りたい・楽しみたい!ということで、来月、旬な時期を迎える「シャコ」について「通」な方々にお話を聞いてきました!
目次(リンクで移動できます)
▷海を愛する男に話をお聞きしました!
▷浜の母さんに美味しいシャコ汁の作り方を学んできました!
▷小樽市民におすすめのお店を聞いてみました!
※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。
海を愛する男に話をお聞きしました!
シャコについて聞くには、その道のプロに聞いたほうが良い!
ということで、小樽通の編集長で、実は海をフィールドとした様々な仕事をしている大塚さんにシャコのことを詳しくお聞きしました。

ーー大塚さん、シャコ通になりたいです!
ーー小樽のシャコは美味しいとよく聞きますが、どこに美味しさの秘密があるのでしょうか?
(大塚)
小樽のシャコの美味しさの秘密は大きく分けて3つあります。
まずは「鮮度」。小樽はシャコの産地なので、獲れた翌日にはセリにかかって市場に出回ります。
獲れたて、剥きたて、茹でたてが一番美味しいですよね?旬な時期になると、そのくらい新鮮なシャコを小樽中で楽しむことができます。

(大塚)
市場はもちろんのこと、寿司屋では旬な時にしかシャコを出さないくらいこだわっているところもありますし、様々な料理店でもシャコを使って美味しい料理を提供していますよね。
ーー小樽中で新鮮で色々なシャコ料理を楽しめるのはとても魅力ですね!私も小樽に引っ越してきて、美味しいシャコ料理を食べて感動したことを覚えてます。
ーーそれでは、2つ目はなんでしょうか?
(大塚)
やはり「大きさ」ですね。小樽のシャコは国内の他産地と比べてサイズが大きいのが特徴です。

ーー確かに市場で見ても大きいのがずらりと並んでますよね。
--それにしても、小樽のシャコはなぜ大きいのでしょうか?
(大塚)
小樽のシャコは、日本海側の暖流である対馬海流を経て、その先にある小樽に辿り着いているので大きいというのはよく言われています。
--なるほど、十分に育って流れ着いたシャコが小樽付近にはたくさんいるんですね。(大きく育ってくれてありがとう!)
--それでは最後、3つ目はなんでしょうか?
(大塚)
最後は「漁師の丁寧な仕事」ですね。
水揚げしたシャコは網に絡まりますので、下手にはずすと身が傷付いてしまいます。そこを小樽の漁師達は熟練した技で丁寧に一匹ずつ網からはずすことで綺麗な状態を保っているんです。
また、シャコは死後、酵素反応により身が溶けてしまうため、生きている間に茹でる必要がありますので、素早く丁寧に網から取り外し茹でる必要があるなど下処理が必要となります。

た、大変そう…

(大塚)
そうやって下処理されたシャコを一つ一つ丁寧に仕分されているから、私達のもとに美味しいシャコが届くんですね。そこは忘れてはいけないと思います。
ーー目の前のシャコを食べるばかりで、漁師の皆さんのがんばりを考えてなかったです。(反省)改めてシャコに関わっている全ての方に感謝!
ーーそれでは、シャコの旬な時期を教えてください!
(大塚)
まず小樽では春と秋にシャコ漁が行われており、春シャコは4月~6月、秋シャコは10月~12月が旬となっています。
春は長い冬が終わり産卵に向けて、卵を蓄える時期です。春シャコのメスは産卵を控えてお腹にたくさんの卵が詰まっていますので、独特な味わいを楽しめるんです。
その食感も面白くて、よくある卵のプチプチというよりは、蟹の内子のようにコチコチしていて、食感がまた良いんですよね。

(大塚)
一方、秋シャコは、成熟前のシャコで栄養たっぷりの身で、身入りが良く厚みがあるのが特徴です。
春と秋、それぞれ違った良さがありますので、春シャコと秋シャコを食べ比べるのもぜひおすすめしたい!
--実は春シャコのメスはまだ食べたことないので、独特な食感を早く味わってみたいです。
(大塚)
4月の解禁をお楽しみに。
ちなみに秋のシャコ漁は、実は道内で小樽しか行っていないんですよ。
ーーえ、小樽だけなんですね!知らないことばかりです。
ーーちょっと気になったのですが、シャコ漁ってどのようにしているんですかね?
(大塚)
気になっちゃいましたか。実はシャコ漁面白いんですよ。
小樽では「刺し網漁」という、魚の通り道に網を仕掛け、網目に刺させたり、絡ませたりして魚を獲る漁法でシャコを捕まえています。

画像提供:小樽のおさかな普及推進委員会©o-plan
(大塚)
シャコは普段、海底の巣穴に住んでじーっとしているのですが、時化で海底が濁ったときに餌を求めて巣穴から出てくるんです。
そのシャコの習性を利用して、荒天の前に網を設置し、天候が穏やかになってから水揚げします。
一般的な漁とは逆で、時化の日が多いほど操業日が増える特殊な漁業なんですよ。
ーー天気が悪いほどシャコが獲れるんですね、面白い!その習性を見つけて漁に生かそうとした人すごいですね〜
ーー色々とお話しを聞いて、早くシャコが食べたくなってきました。
ーー大塚さんのシャコを買うおススメの場所が聞きたいです!
(大塚)
小樽ではやっぱり市場ですね。新鮮なシャコを買って持ち帰るもよし、発送するもよし。
また、最近は小樽市内でも民泊などの宿泊施設でキッチンを使えるところが増えてきたので、買ったその日に宿泊先でシャコを剥いて食べるという体験もいいですよね。
体験は感動に繋がるのでぜひ小樽を訪れた時にはおすすめしたい。
ーー宿泊先でシャコを剥いて食べるなんて素敵な体験ですね♪
ーー最後に、大塚さんのシャコのオススメな食べ方が知りたいです!
(大塚)
私は塩茹でで食べるのが一番ですね。日本酒、白ワイン、ビール…お酒が止まらなくなります。
先ほども言いましたが、春シャコ・秋シャコ、オス・メスでも違ってくるので、ぜひ食べ比べをしてほしい。
また、「通」な人はシャコの"爪"を食べますね。シャコの爪は筋肉が発達していて身がしっかりしているので、ストーブの上で乾かして食べると、豆粒サイズになるけど旨味が凝縮されて、これがまた日本酒に合うんです。
ーーシャコの爪も食べたことなかったです!通ですねぇ~。
ーー大塚さん、シャコのことを色々と教えていただきありがとうございました!
シャコ通になれたらいいな。まずは春シャコ、4月の旬の時期まで待ちきれない!!
浜の母さんに美味しいシャコ汁の作り方を学んできました!
自分でもシャコ料理を作ってみたい!
ということで、地元漁師を長年支え続けてきた通称「浜の母さん」に「シャコ汁」の作り方を学んできましたので、皆様にご紹介します!

漁師の家の家庭料理として、昔からシャコが取れた日にはシャコ汁を作っていたんですって!
⓪事前準備として、シャコにはさみを入れます。
この作業をすることでシャコが剥きやすくなるんです。
(今回は見た目重視のため頭は残しています)

2.尾をV字に切り落とす
3.両側を切り落とす。
※3は思い切りよく切るのがコツ!
画像:小樽のおさかな普及推進推進委員会©o-plan

①水と昆布を入れて、沸かす

②沸くまでの間に、大根を入れる
※野菜の種類や切り方はお好みで!

③沸騰する直前で昆布を取り出し、沸騰したらシャコを入れる

④少し経ったら、ネギ(白い部分)、味噌、お好みで味の素を入れる
⑤煮込んでシャコから出汁が出るのを待つ

⑥出汁が出てシャコの旨味を感じたら、お椀に入れて、ネギ(緑の部分)をひとつまみして完成!
シャコが大きくて食べ応えがあって、出汁の旨みがうーん美味しい♪
味噌汁を作る要領で簡単に作ることができますので、ぜひ皆様も小樽でシャコを買って作ってみてくださいね!
※シャコを食べるときは、お腹側の殻を頭の方から、背中側の殻を尾の方からゆっくりと剥いてお食べください。
※2024年11月16日に開催された「YOI-TARU~味覚祭2024」で、浜の母さん伝授のシャコ汁が振舞われ、大盛況となりました!

小樽市民におすすめのお店を教えてもらいました!
ここまで記事を読んだら、春シャコを食べたくなったに違いないですよね。
それではお待ちかね、春シャコを提供している飲食店をご紹介します。
【編集部Pick up!】洋食屋マンジャーレTAKINAMI
洋食屋マンジャーレTAKINAMIでは春シャコを使った料理を2品提供します。
刺身や海鮮丼のイメージが強いシャコですが、今年は洋食で楽しんでみませんか?
シャコのトマトクリームスパゲッティ
春シャコと言えばたまごを抱えたメスが美味しいですね。子持ちシャコの甘味とレモンのさわやかさを加えたスパゲッティです。

八角とシャコのアクアパッツァ
旨味のある八角とシャコをイタリアの漁師料理アクアパッツァにしました。一皿で小樽の海の幸をいただけるお料理です。

洋食屋マンジャーレTAKINAMI
小樽市色内1-1-16
ランチタイム11:30~14:00(L.O.13:30)、ディナータイム17:30~21:30(L.O.20:00)
TEL:0134-33-3394
ホームページ
小樽市民の口コミ情報
小樽でシャコを提供しているお店はたくさん!
正に「小樽通」の、小樽市民に聞いてみました。
※シャコ料理の提供は仕入れに大きく影響されます。提供状況は、事前に各店舗へお問い合わせください。

堺町通り、出世前広場の小樽茶屋 里で、シャコ焼いて出してたなぁ。
(40代会社員)
※漁師さんから直接仕入れたシャコを提供しているそうです!
下記のお店でも提供しています!

小樽通編集部ライター MATSUKIN
小樽に移住してきて十数年のサラリーマン。ここ最近、小樽の幅広さ、奥深さにやっと気づき、この街を楽しむことに奔走中。甘いものに目がない。