project

【小樽通2025春号】花よりの団子~桜もいいけど、やっぱり食べたいご当地スイーツ

2025.03.15

冬の終わりとともに、冷たい空気が少しずつ緩み、柔らかな空気が街を包み始めると、春の訪れを感じます。ほんのりと甘い花の香り、芽吹いた草木の青々しい匂い、土が温まりはじめる独特の湿った空気…。ほかの季節も好きですが、私は春の匂いが一番好きです。
春の空気を吸うだけで気分が高揚して、自ずと行動的になり、用事は無くとも色々なところに行ってみたくなりますよね。
冬の期間、自宅に引きこもりがちで、少ししかやってない除雪を「運動した」と言い聞かせていた分、春は積極的に外に出歩き、運動不足を解消し、健康的に過ごそうと思っています。
 
そんな私がお出かけ目的に選んだのは…。春といえば、やはり桜!

小樽で桜が見られるスポットはいくつもあり、公共機関で行きやすいスポットから、車でドライブがてら見に行けるスポットまで様々です。

開花時期は例年、4月下旬〜5月上旬の約1ヶ月。

1年間でこのタイミングにしか見られないと思うと、これ以上ないお出かけ目的になります。日本の美や精神を象徴する花である桜を見て、心を清めるのも良いかもしれませんね。

そして、桜には甘いものが付き物。より風情を感じ、桜を楽しむためにも甘いものも味わうべきだと思うのです(健康的とは…)。ということで今回は、小樽の桜スポットとスイーツをご紹介しようと思います。

 それでは行ってみましょう!



※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。





【ラインナップ】

●小樽総鎮守「住吉神社」 ~ JR南小樽駅
 └和スイーツの王道「大福もち」/雷除志ん古
 └運が良ければ食べられる、幻スイーツ⁉/プリン専門店 アンデリス

●浄土宗紫雲山 天上寺
 └温かいワッフルと冷たいアイスのマリアージュ/喫茶 ハシビロコウ

●朝里ダム湖畔園地
 └竜王戦小樽対局おやつメニュ—に選ばれた絶品スイーツ/トーイズスウィート



小樽住吉神社は、小樽市内でも歴史が深く、1868年明治元年創建で、総鎮守として、地域の人々の信仰を集めています。また、長い石段の参道が特徴的で、上ると海を望むことができるのも魅力のひとつです。ご利益も多岐にわたり、特に海上安全や商売繁盛を願う人々に親しまれています。

年間を通して、初詣や夏祭り(住吉神社例大祭)など、祭事やイベントが豊富であること、またバスや電車での交通の便も良いことから、地元民や観光客など、毎年多くの参拝者が訪れています。

筆者が学生時代に、家から駅までの道中で、日常的に神社付近を歩いていましたが、改めて見ると、ロケーションといい、歴史の深さといい、佇まいといい、素敵なところだったんだと再認識しました。150年以上が経ち、今なお住吉神社が存在してくれていることに自然と感謝の気持ちが溢れてきます。あることが当たり前に思ってはダメですね。

「お参り後に、ゆっくり桜をお楽しみください」と、宮司の星野さんは言う。
神社で参拝して、桜を楽しむ。正しい春の過ごし方なような気がします。

小樽総鎮守「住吉神社」
小樽市住ノ江2丁目5番1号(Googleマップ
お問合せ時間:09:00~17:30
Tel:0134-23-0785
駐車場:有
公式サイト



住吉神社との距離は徒歩約10分。のんびり歩きながら桜をはしごするには打って付けのスポットです。

桜は傾斜面に咲いていて、駅のホームから見上げれば、懐かしさや歴史を感じる駅の建物、春の暖かい風が吹く開放的な空、密度の濃いピンクと白の花びらはまるで芸術作品のように感じます。また、駅外の橋の上から見る桜は、駅ホームのくすんだ屋根の色、電車線やレールの人工物と桜のコントラストが情緒を感じます。

公共機関で桜を見たい人は、特に住吉神社とJR南小樽駅がおすすめです。

JR南小樽駅
小樽市住吉町10-7(Googleマップ
みどりの窓口:5:30~23:10
Tel:0134-23-0362
駐車場:有
公式サイト



JR南小樽駅から徒歩約5分。住吉神社から徒歩約6分。
小樽で150年以上の歴史がある老舗餅店です。

早朝5:30から営業されていて、お餅がなくなり次第終了します。
筆者が11時頃に行ったときには、ちょうど完売していましたので、電話での事前予約がおすすめです。

「どんつき」と呼ばれる餅つき機でつかれたお餅は、程よい粘り気ともっちり感が絶妙。もち米の風味も最高で、長く愛されている理由が分かります。また、一般的な大福と比べてサイズが少し大きく、塩気のある「こしあん」が相まって、食べ応え満点。コスパ良すぎです。

これからも未来永劫、食べ続けたいと思うお餅屋さんです。

雷除志ん古(かみなりよけしんこ)
小樽市若松1-5-13(Googleマップ
営業時間:5:30 ~ 品切れまで
定休日:日曜日、祝日
Tel:0134-22-5516
駐車場:無
公式SNS



JR南小樽駅から徒歩約5分。住吉神社から徒歩約6分。プリン専門店のアンデリスさん。

ここのお店は、「噂のプリン大福」が人気商品で、筆者も定期的に食べているのですが、今回ご紹介したいのが、運が良ければ食べることができる、幻とも言えるスイーツ2選です。

1つ目は、「プリン大福(苺と木苺)」
生の苺と甘酸っぱい木苺(ラズベリー)のクリームが絶品のスイーツで、
良い苺が入荷できないと販売自体しないという徹底したこだわり。ベースは「噂のプリン大福」と同じで、噛んだ瞬間、もっちもちの求肥の食感から始まり、ぷるぷるのプリンとふわふわな生クリームが、上品で甘酸っぱい苺と交わり、贅沢の極みとも言える美味しさ。自分へのご褒美や贈答品としてもピッタリなスイーツです。(賞味期限は当日中です)

2つ目は、和洋折衷「プリンどら焼き」
和の要素に生クリームとプリンという洋菓子の要素を加えた和洋折衷スイーツです。
小樽の和菓子屋さんから仕入れているどら皮とこしあんを使用していて、舌触りは軽く、ふわっとした食感のどら皮は、甘さがほんのりと控えめなため、中のこしあんとプリンと生クリームとのバランスが絶妙に調和しています。

「プリン大福(苺と木苺)」と「プリンどら焼き」は、常時販売しているわけではないので、来店前に電話で事前確認するのがおすすめです。

プリン専門店 アンデリス
小樽市住ノ江1丁目5番1号(Googleマップ
営業時間:10:00 ~ 17:00
定休日:水曜日(臨時休業有)
Tel:0134-34-1616
駐車場:無
https://undelice.jp/
公式SNS



続いては、お寺で見る桜スポットです。
JR南小樽駅から徒歩約19分。境内に駐車場もあるため、徒歩でも車でも行ける桜スポットです。

このお寺は、明治13年、奥沢十字街近くに浄土宗函館中教院小樽出張所を開いたのがはじまりで、明治15年に天上寺を公称しています。平成6年には、小樽市の歴史的建造物に指定されています。
境内に約30本のソメイヨシノがあり(一部、八重桜もあり)、六地蔵や慈母観音、五劫思惟(ごこうしゆい)の阿弥陀様とのコントラストが楽しめます。見頃は例年5月上旬。

今回、取材に応じてくれたのは副住職の石上壽應さん。

なんと今年の5月に、現住職の石上源應(ゲンオウ)さんが退任され、石上壽應(じゅおう)さんが第六世住職に継承されるとのことです。

「これだけ大きなお寺ですし、守っていかなければいけない責任を感じています。」と石上壽應さんは言う。

穏やかな表情の中で、その目から、自信や覚悟を筆者は感じました。

そんな節目のタイミングで見る桜は、長い歴史や継承される未来を感じ、考え深いひと時となることでしょう。

浄土宗紫雲山 天上寺
小樽市入船4-32-1(Googleマップ
参拝時間:午前8時~午後5時
Tel:0134-23-0975
駐車場:有
公式サイト



天上寺で桜を見た後は、落ち着いた雰囲気の喫茶店で、ゆったり小休止するのがおすすめです。
天上寺さんから徒歩約11分。車だと約3分の距離。
古民家のような佇まいで、懐かしい雰囲気がありつつ、入口の看板や装飾が非常におしゃれな「喫茶 ハシビロコウ」さん。中に入ると、床や壁、家具など、木製を基調とした空間なため、温かみがあり、ホッとする居心地の良い喫茶店です。カウンター席もあるので、一人でも入りやすいです。

私のおすすめは、HOTのストロングブレンドコーヒー。カフェオレやアーモンドオーレも捨てがたかったのですが、甘いものとのバランスを考え、ブラックコーヒーをチョイス。ストロングと名が付いていますが、苦すぎず、風味が豊かでクセもないので、非常に飲みやすかったです。そして、ドリンクを注文すると、なんと、焼き立てのベルギーワッフルが付いてくるんです。しかもアイス付き。ワッフルは、外サク、中ふわもち。ほんのりと感じる甘さが絶妙です。焼き立てで温かいワッフルにアイスを乗っける食べ方は絶対にやってほしいです。もう1セット注文しようかと思うほどでした。

マスターの原さん曰く「ワッフルを始めたきっかけは、前身の店も喫茶店で、そのお店からワッフル機を譲り受けたから。それだけです(笑)」とのこと。きっかけはシンプルでも、クオリティは間違いなしです。

ワッフルが美味しすぎたので、これは他のも絶対美味しいな、と旨いものレーダーが反応。
メニューの中に『カヌレ』があり、注文してみました。

カヌレとは、フランスのボルドー地方で生まれた伝統的な焼き菓子で、外はガリッと、中はしっとりとした食感が特徴で、「材料はプリンと一緒なんです」と原さんは言う。
日本の桜を見て、ベルギーのワッフルとフランスのお菓子を味わえるなんて、海外旅行気分です。

《暇な時限定》濃厚カルボナーラ

カヌレを食べながら、フードメニューを眺めていると、常連らしい人が来店。

すると「マスター、暇ですか?」と一言。マスターは食い気味で「大丈夫ですよ」とオーダーを受ける瞬間を目の当たりにしました。ひとりで自然と微笑んでしまいました。

朝7時からモーニングもやっていて、フードも全部美味しそうなので、次回はモーニングとランチで行ってみようと思います。

あと「マスター、暇ですか?」が言いたい。

喫茶 ハシビロコウ
小樽市入船3-17-24(Googleマップ
営業時間:7:00 ~ 19:00
定休日:月曜日、火曜日(臨時休業有)
Tel:080-6096-7486
駐車場:有
公式SNS



小樽駅から札幌市方面に車で20分。朝里川温泉郷のさらに奥にある朝里ダム(オタルナイ湖)の側で、ダム湖畔を散策できるスポットです。

ここはなんと言っても、開放的で清々しいロケーションが魅力のひとつで、自然に近い場所だからこそ味わえる癒しがあります。太陽の光を浴びながら、自然の空気を吸い、優雅に咲いている桜を見れば、きっと「また来たい」と思うことでしょう。

朝里ダム湖畔園地
小樽市朝里川温泉2丁目580−10(Googleマップ
駐車場:有



朝里ダム記念館から車で約6分。緑の屋根と白の外壁が西洋のレトロな住宅を思わせる、おしゃれでかわいらしいお店。

小樽市出身の神野(かんの)修平さんがオーナーシェフを務めているのですが、この神野シェフ、凄い人なんです。10年間ヨーロッパで修業をし、パリやロンドンのヒルトンホテルなどで副料理長を務め、さらには、札幌京王プラザホテルの開業に伴い、フランス料理長のご経験もある、名実ともに凄腕シェフです。

神野修平さん

神野さんと北原 照久さん

また、ここのお店は、テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』でお馴染みの北原 照久さんが共同経営されているとのこと。店名の“トーイズ“や、店内におもちゃがあしらわれている理由が分かりました。

ここまでの情報で、食べていなくても「美味しい」と言ってしまいそうなくらい、心が踊っているのですが、今回、取材に応じていただいたパティシエの清水亮さん平がおススメする3品と、筆者が食べたかった1品をご紹介したいと思います。(ひとりで全部は食べておりませんのでご安心ください)

パティシエの清水亮平さん

1つ目は『モン・ヴェール』抹茶マロンクリームとあずきのムース、栗入りタルトにのせて。

清水さんが考案したスイーツで、贅沢にも栗を丸々ひとつ使用しています。抹茶のほろ苦さとあずきの甘さが調和し、滑らかでしっとりした食感が、タルトのサクサク感と相まって絶品です。
また、2023年11月に開催された、将棋界の最高位を争う第36期竜王戦第4局小樽対局に提供されるおやつメニューに選ばれたスイーツです。

2つ目は『ショコラプリンロール』
ふわふわチョコスポンジにチョコムース、濃厚ブリュレ。上にのったアーモンドスライスのパリパリ食感が楽しいロングセラー商品です。

3つ目は『シュークリーム』
クッキーシューにオリジナルカスタードをたっぷりつめた定番商品です。

そして、筆者が食べたかった1品『カスタードクロワッサン』
バターをたっぷり使用したクロワッサンにお店自慢のカスタードをつめたボリューム満点な一品。味もコスパも最高の1品です。

ちなみに選んだ理由は、クロワッサンが好きなのと、大きかったから、です。
他にも気になるスイーツがあったので、また行きます(笑)

トーイズスイート(TOYS Sweet)
小樽市朝里川温泉1丁目306(Googleマップ
営業時間:9:30 ~ 19:00
定休日:水曜日
Tel:0134-54-0501
駐車場:有
公式SNS



今回ご紹介した桜スポットは、ほんの一部です。もちろん美味しいお店も。

年に一度の桜シーズン。小樽市内の桜を見に行けば、ひょっとしたら、美味しい発見、素敵な出会いがあるかもしれませんよ。

皆さんも是非、小樽の春を楽しんでください。

(その他の桜スポットはこちらをご参照ください。)



小樽通編集部ライター たるえもん
近代的な都会の街並みと下町情緒あふれる商店街、どちらにも魅力を見つける流浪に編集者。学生時代にグラフィックデザインを専攻し、ポスターや名刺など、紙媒体のデザインに魅了される。時代のニーズに合わせて、WEB業界でECに携わり、WEBディレクターを経験。現在は地元小樽の魅力に浸かりながら、雑誌編集にいそしむ日々。



Webマガジン小樽通 2025春号 INDEXページ