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【小樽通2025春号】ドラマのあるまち小樽・花園をめぐる女子旅レポートvol.3 〜お昼の花銀通り編~

2025.03.15

『小樽・花園』と言えば、小樽の昔からある飲み屋街。

夜になれば地元の辛党たちがお酒と楽しいおしゃべりを求めて集まるエリア。
一方で、昼は少し寂しい印象…と思っていませんか?

甘いもの好きな私としては一言言いたい…

『小樽・花園』は辛党たちのものだけじゃない! 
実は、喫茶店、スイーツがある花園スイーツロードなのだ!」と…

ということで、花園銀座商店街(花銀)を歩いて見つけた昼の花園カフェ・スイーツ巡りを小樽出身の女子目線で紹介します。
時間の流れがゆっくり感じられる、花園ならではの過ごし方が見つかりました。



ぽかぽかお散歩DAY!

少しずつ日差しが暖かくなり、春の訪れを感じる3月。

3月って年度末でバタバタしたり、新しい年度が始まる前でソワソワする時期ですよね。忙しい年度末の疲れを甘いもので癒したいところです。
でも正直、花銀って閉店したお店も多くて昼は寂しいイメージ…

一抹の不安を感じながら、とりあえず歩いて探してみることに!

左がわたし、右が幼馴染ちゃん



個性的で楽しいお菓子がたくさん『みにとまとん』

ひとまず歩いてみると、花銀の入り口のアーチをくぐりすぐにある青いひさしと白い壁が可愛らしいお店が目に入ります。店を覗いてみると、中では数名の方が”パラパラ”を踊っている…? 一旦、見なかったことにして通り過ぎましょう。

その不思議なお店のお隣には、店頭の赤いトマトのイラストが印象的なお菓子屋さん『みにとまとん』さんがありました。

トマトのイラストが目印!

お店には小さな袋に入ったクッキーやマドレーヌ、ゼリーなどさまざまなお菓子が並べられていて、甘党的にはわくわくが抑えられません。
お菓子を手に取ってよくみると…「あんかけ焼きそばクッキー」「おたるワインクッキー」「寿司ガリクッキー」とお菓子の表記にはあまり見ないワード。

たくさんのお菓子は迷うのが楽しいね

個性的なだけでなく、ちゃんと
美味しいのです

「小樽でお店やろうと思ったら、たくさんお菓子のアイディアが浮かんできちゃった!」

こう話すのは『みにとまとん』でお菓子の商品開発を担っている辻井麻里子さん。

アイディアマンな辻井麻里子さん

ご主人がもともと”小樽出身”の辻井さんご夫婦。お二人は小笠原諸島父島から移住され、去年花園にユニークで楽しいお菓子を販売するお店をオープンされました。

小樽ならではの個性的なお菓子の種類は豊富で私は特に「おたる水族館非公認 あざらしクッキー」の大きなお目々が可愛くてお気に入り。
他にも話題の種になるような楽しいお菓子がたくさんあるので、ぜひ本物を見て欲しい! そしてなにより、ちゃんと美味しい!
(↑すごく大事)

あざらしクッキーと辻井さんイチオシの
帆立しょうゆマドレーヌ

「小樽スィーツ」に熱い想いを語る辻井さん

  

『みにとまとん』の楽しく個性的なお菓子は、ラジオなどにも取り上げられ、現在注目度上昇中! 個性的で楽しく、美味しいお菓子をぜひ店頭で見て、味わって。

●『みにとまとん』
北海道小樽市花園1丁目4-3
電話 0134-64-5825
営業時間 11:00~18:00
定休日 火曜
公式SNS:instagram



小樽に暮らすみんなの部室 『オタルブ』

『みにとまとん』さんを出ると、先ほどまで”パラパラ”を踊っていたお店が、カフェのようになっているではありませんか。 気になるので入ってみることに。

青いひさしと白い壁が可愛らしい外観の『オタルブ』

『オタルブ』は、小樽に暮らす ”みんなの部室” になってほしいという思いでオープンした、喫茶を併設したコミュニティスペースです。

こう話してくれたのは、代表社員の三﨑さんとスタッフの作間さん。
医療関係のお仕事をしている仲間で、障がいや病気の有無に関係ない第3の居場所となることを目指しオープンしたとのこと。その名の通り、「部室のようになんでもできる場所」

喫茶を楽しめるだけでなく、レンタルスペースとして使えたり、店奥の「1棚SHOP」ではハンドメイド作品などを購入できます。

今日はレンタルスペースとして「パラパラ教室」が開かれていたというのが、先ほどのパラパラを踊る人たちの謎の結末でした。

地元の方の利用はもちろん、花園エリアにはゲストハウスが多く立地していることから、午前中はコーヒーを求めて外国人観光客が来ることも多いとのこと。

お客さんが来るたびに、三﨑さんや作間さんが明るく話しかけ、居心地のよいコミュニティができています。さまざまな方が集まり、交流するまさにみんなの部室のような空間です。

広々と明るい店内、つい長居しちゃいそう

みんなの部室ならば…と図々しいお願いを。
「さっき『みにとまとん』さんで買ったお菓子、食べてもいいですか?」と聞くと、

持ち込みは全然OKですよ! うちの「こだわりコーヒー」でも「ドリンク」でも
たのんでね!

という三﨑さんのこころよいお返事。

なんと、『オタルブ』さんはコーヒーやソフトドリンクなどを注文すれば、食べ物の持ち込みもOKとのこと。

~地元「小樽焼」のカップで飲めるこだわりのコーヒーと
『みにとまとん』さんで買ったスィーツをいただこう~

ということは、花銀のお気に入りのお菓子たちを買い揃えて、『オタルブ』さんでお菓子パーティーができるのでは?なんて妄想も膨らみます。

三﨑さんからこんなお話もいただきました。

(花銀)商店街は今、お菓子屋さんが少しずつ増えてきていますが、イートインスペースがないお店もあると聞いています。お店で買ったお菓子を『オタルブ』に持ち込んで、好きなように楽しんでもらいたいです。
暖かくなったら、店の前にベンチを出して外で座れるようにしたいんです。”花銀” は桜が植えられているので、店先でのお花見なんて楽しそうですよね。

花銀でお気に入りの美味しいお菓子を揃えて、ベンチで桜を見ながら食べる。
ゆったりと時間が過ぎる花銀らしいそんな過ごし方もいいですね。

●エンパワメント系喫茶店『オタルブ』
北海道小樽市花園1丁目4-2
電話 0134-33-3775
営業時間 9:00-12:00/13:00-18:00
定休日 月・火・水
公式SNS:instagram



花銀のまち歩きはゆっくり、のんびりと

この日は最高気温8度、冬が寒く厳しい小樽にも春の訪れを感じる日。

雪解け季節は足元がざくざく路面になっているのでスーツケースを引いたりおしゃれ靴の方はちょっと注意が必要かも。

特に花銀は、少し緩やかな坂道になっているので、一足一足、ゆっくり歩くのがおすすめ。

今は寂しげな街路樹も、春には桜が咲き、また違った表情を見せます。
「桜を見ながら新倉屋さんのお団子が食べたいなー」なんて思いを馳せながら、ゆっくり花銀の坂道を登っていきます。

ざくざく路面はゆっくり
滑らないように歩こう

新倉屋さんの和スイーツも
外せないけどまた今度!



唯一無二なくつろぎのひととき『洋菓子の館』

私たちが辿りついたのは、昭和11年創業、小樽の老舗洋菓子店の一つ、『洋菓子の館』さん。

『館』さんは店の奥に喫茶室があり、ステンドグラスとシャンデリアが印象的なレトロな雰囲気の中でケーキやコーヒーを楽しむことができます。

テーブルもイスも歴史と風格を感じさせ、古き良き小樽の喫茶店という雰囲気です。

この重厚感は今じゃ再現できない

喫茶室のケーキセットは、店頭にあるケーキのショーケースから選ぶ仕様。
『館』は北海道初の生クリームケーキ発祥の店とのことで、やっぱり外せないのはショートケーキ。そして、人気のケーキは「館モンブラン」とのこと。
(小樽の老舗洋菓子店にあるモンブランはココア生地に生クリーム、上に削りチョコが乗っているものなのです)

選んだのは、館モンブランとショートケーキ、チョコケーキ!

やっぱり『館』のケーキは生クリームとスポンジが美味しく、コーヒーとの相性抜群です。

喫茶室で甘いものの幸せに浸っていたら、なにやらテキパキと注文を取り、食器を片付け、若いスタッフに指導する素敵なマダムの姿が…

『館』勤務歴40年以上のベテランスタッフ菅原さんでした。

長年好きな『館』を見つめてきた菅原さん

昔の花銀は、喫茶店がたくさんありましてね。午前中は新聞を読みに来る殿方、午後には奥様方のおしゃべりの場として館の喫茶室も賑わったものです。
商店街は少し寂しくなりましたが、喫茶室にくつろぎや楽しいおしゃべりのひとときを求めてやってくるお客さんがいることは変わりません。

菅原さんは喫茶店のお仕事が好きで、『館』にずっと長く勤められているとのこと。古くなった椅子に手入れをし、食器を磨き上げ、ほこりひとつない空間を整えています。

特に人気メニューのみつ豆は、昔から変わらない美味しさ。
ゆでた赤えんどう豆、サイの目に切った寒天と求肥に透明な蜜をかけていただきます。

何十年前の小樽の女性たちも、忙しい日々の合間にこんな風にみつ豆を食べながらおしゃべりをしていたのかな、なんて考えてみたり。
コーヒーをおかわりするほど、のんびり時間を過ごしていると、あっという間に外は薄暗くなってきました。

昔から小樽市民に愛されてきた『みつ豆』

菅原さんに会いに行きたくなっちゃうね

『館』の喫茶室は貸し切りイベントやコンサート利用なども可能だそう。
お祝いパーティー、喫茶室のレトロな雰囲気を生かして「コスプレオフ会」や撮影なんていうのも楽しいかも…

●『洋菓子の館』
北海道小樽市花園1丁目3-2
電話 0134-23-2211
営業時間 11:00-20:00 (喫茶室L.O19:30)
定休日 水
公式SNS:instagram



締めホットドックはいかが?『Melody Fair Hotdog

今日はクッキーにケーキにみつ豆に…甘いもの尽くしな1日で甘党大満足でした!
このまま甘い気分で帰路につきましょ……おやっ!?

…あれ?

プハッー!

甘いものも好きだけど、やっぱりアルコールを飲みたい!ということでやってきたのは、『Melody Fair Hotdog』さん。

素敵な音楽と映画がかかる空間で、ホットドックをいただきます!

甘いものの後のしょっぱいものは最高

片手で頬張れる手軽さがちょうどいい!

オリジナルのピンクレモネードもおすすめ

ホットドックのパンは小樽っ子たちにはお馴染みの平野パン。給食で食べ慣れたコッペパンの味です。ソーセージも小樽の老舗、深澤精肉店ものを使っているそう。

スタンダードなホットドックから、常連だった高校生が考えた「C・P・Oドッグ」のようにサラダ感覚でさっぱり食べられるものまで、さまざまなメニューがありますよ。

マスターの下間さんは聞き上手で、お店は明るいバーのような雰囲気。

カウンターと5席と2人掛けのテーブル席でお客さん同士も仲良くなれちゃう距離感で、なんとも居心地がいい!

『館』で暗くなるまでおしゃべりしたのに、まだまだお酒とホットドッグを片手におしゃべりが止まらない私たちなのでした。

マスターの下間さんとのおしゃべりも楽しい

●『Melody Fair Hotdog』
北海道小樽市花園3丁目8-5
電話 0134-64-6159
公式SNS:instagram
※営業日・営業時間は事前にご確認ください



意外とゆっくり時間が流れる「昼の花銀」

昼の花銀は実際に歩いてみると、新しい個性的なお店があったり、昔から変わらない老舗の味がありました。喧騒を離れたのんびりとした贅沢なひとときを花園銀座商店街で過ごすのも「小樽通」なものです。

小樽・花園で過ぎる時が止まったかのように…
いや、この時計本当に止まってます

今も昔も変わらない、喫茶とスイーツとおしゃべりがつきない街、昼の花園銀座商店街で時間を忘れたひとときを過ごしてみてください。

そして「花園がスイーツロードとしてもっと盛り上がるといいな!」と期待する甘党なのでした。



小樽・花園をめぐる女子旅レポートまとめ 〜お昼の花銀通り編

◯花銀は辛党だけのものでなく、甘党が楽しめるお菓子屋さん、喫茶店が揃ってます◎

◯気になるお店があったらどんどん入ってみよう!面白い人や食べ物、雑貨との出会いが待ってます。

◯花銀は緩やかな上り坂。雪解けの季節はゆっくり歩きながら店先の雰囲気や樹木、雪解けの水音、たまに通る電車の音なんかも楽しみながら、足元に気をつけて歩いて。

◯営業日や営業時間が限られているお店もあります。SNSなどで営業状況をチェックしてから行くのがおすすめ。売り切れ次第閉店のお店もあるので、行きたいお店は早めに行こう。

◯お店にイートインがない場合は、お気に入りのお菓子屋さんでお菓子を買って、オタルブさんで食べるのもおすすめ。花園スイーツロードを盛り上げましょう。



小樽通編集部 まつださおこ

幸小→長中→潮陵の小樽っ子(今は札幌在住)
大学ではデザインを学んで、小樽のまちづくりに関わったことがきっかけで、今は地域コミュニティや観光などをテーマにしたまちづくりの仕事をしています◎
最近は、仕事の出張先でぬい活をしたり、幼馴染ちゃんとコナンを追ったり、マダミスしたりするのが楽しいです。



  

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