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【小樽通2024夏号】熟した果実の贅沢なひととき ― 後志体験記Vol.1

2024.07.25

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。



後志エリアって、どんなところ?

とっても広い北海道!行政的には14の地域区分(総合振興局、または振興局)に分かれています。道民には天気予報でよく耳にするあのエリア名と言えば、ピンときますね。この地域区分のひとつ「後志」というのが、小樽も含まれる地域になっています。

ところで、この「後志」という漢字、何と読むかご存知でしょうか?きっとこのウェブマガジンをご覧になっている方の大多数はおわかりかと思いますが…。そう、答えは「しりべし」ですね!

北海道の南西部に位置していて、蝦夷富士とも呼ばれる「羊蹄山」があり、世界屈指のパウダースノーのニセコがあり、海岸の美しい景観とか、ひと言では紹介しきれない多様な観光資源があるのですが、今号では「農」に焦点を当ててみましょう。

「後志」(しりべし)の情報はこちらから
しりべしガイド公式サイト

北海道で農業というと、帯広や十勝という地名を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実はここ後志も「北海道農業の縮図」と呼ばれるほど、幅広い生産物を生み出す農業エリアなのです。中でも、果樹については、全道の産出額のうち約7割を占めており、後志エリアの農業の特徴のひとつともいえるのです。

ということで、「農」は「農」でも、今回は果樹園を訪問してみたいと思います。これから秋にかけて、果物の収穫が楽しみになる季節ですが、今の時期は、さくらんぼが実っていましたよ。



ニトリ観光果樹園へ行ってみよう!

余市町登町にある「ニトリ観光果樹園」は、その広大な敷地と沢山の種類の果物があるのが特徴です。
春のイチゴから始まり、さくらんぼ・桃・プルーン・プラム・ぶどう・和梨・りんごと、5月から11月までの間、たくさんの種類の果物が実りつづけます。まさにフルーツ王国。

▶実りのカレンダーはこちら

行ってきます!

食べごろの木には、印がつけられています

訪れた時は、ちょうどさくらんぼのシーズン!ふさふさとした葉っぱの下で実る赤いさくらんぼを目指して、広い園内を進みますが、歩いても歩いても、次々とさくらんぼの木が現れます。(あれ?今一体、自分はどこにいるのでしょう?)とわからなくなるほどです。

種類が多すぎて迷ってしまいます!

これにしよう!

時間制限は無し、一度入園したら閉園時間までいてよいとのことで、焦らなくても大丈夫。時間を気にせずに、沢山の種類のさくらんぼをじっくりと食べ比べて、お気に入りの品種を見つけるのも楽しそうです。

ちなみに、ニトリ観光果樹園で栽培されているさくらんぼの種類は、公式サイトによるとこちら↓
紅さやか・紅ゆたか・佐藤錦・月山錦・紅きらり・紅秀峰・南陽・夢あかり・サミット・紅てまり・さおり

他にも「おりひめの季節」や「陽峰」などの木もありました。時期的に実っていない品種や逆に終わっている種類もあったかもしれませんが、とは言え、全ての木を確認することすらできませんでした。広すぎる!



フルーツ狩りは、なぜ楽しいの?

ところで、果物狩りの魅力って何でしょうか?

色々な種類が食べ放題!時間も無制限!入園料の分、元を取らなくっちゃ!とついつい、食べることに夢中になってしまうのですが…(反省)。
しかし、ふと立ち止まって考えてみると、このように畑で完熟の瞬間の食物を口に入れることができるというのは、とても貴重なことですね。

熟れすぎると傷んでしまうのも。当然です、ナマモノですから。

今の時代、スーパーやデパート、商店などの店頭で野菜や果物を購入する人がほとんどと思いますが、店頭で手にするタイミングにあわせ、ちょうどよく食すことができるようにするには、畑で完熟を迎えてから収穫をしていては、きっと遅いことでしょう。生産地と消費地が近いということは、それだけ新鮮なものを、より良い状態で食すことができるということ。畑でその時に熟しているものを食すことができる果物狩りでは、濃厚な味わいを楽しむことができるのです。

特に、こちらの果樹園では、土づくりを大事にして、果実栽培を続けてこられています。秋から冬にかけて、つまり収穫が終わってから冬が始まるまでの間に、広大な敷地に百数十トンもの有機堆肥(たいひ)を撒いて、次の季節のフルーツ作りの準備をします。ものすごい重労働ですが、これが、美味しいフルーツの生み出すのだそう。

生産現場である畑に足を踏み入れ、実際に自分で収穫をする。たったこれだけの体験ですが、生産者の方々が食べ物を育ててくれるおかげで、私たち消費者がそれを口にすることができるのだなぁと、しみじみと考えさせられる場所でもあります。

シリパ岬を遠景に、お土産用に購入したさくらんぼとともに記念撮影

●ニトリ観光果樹園
北海道余市町登町1102-5
電話0135-23-6251
果物狩りの料金やアクセス情報はこちらから



フルーツめぐりのドライブもおすすめ

小樽市塩谷から余市を経由して仁木町の然別まで、通称「フルーツ街道」と呼ばれている農道があります。果樹園やフルーツの販売所、最近増えているワイナリーやワイン畑の景色も楽しむことができます。

今回は、ニトリ観光果樹園にお邪魔しましたが、余市町や隣の仁木町には、ほかにも観光果樹園があり、フルーツ狩りを楽しむことができます。直売所もあるので、体験はできなくても、もぎたてや完熟の果物を購入するチャンスもありますね。

詳しくはこちらのサイトからご確認ください
余市観光協会 公式サイト 体験一覧
仁木町観光協会 公式サイト 果物狩り一覧