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【月刊小樽自身2024年2月号】建築・歴史・生物・美術・家庭科…どれからめぐる?春告魚・ニシンをたどる祝津旅

2024.01.25

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


2月はニシンが旬な季節。
小樽とニシンについては、歴史的にも切っても切れない関係にあります。
今回は、ニシン漁で栄えた漁村集落の面影を今も残す「祝津エリア」をニシンに絞ってご紹介!
見て食べて楽しんで、様々な角度からニシンを満喫してくださいね♪

小樽とニシンについてはこちらでもご紹介しております!
【月刊小樽自身2022年2月号】ニシンに新時代到来!?
【月刊小樽自身2022年3月号】小樽の春の風物詩 ニシンの群来(くき)が見たい!



祝津エリアとは?

夏の祝津の様子

明治時代に最盛期を迎え、小樽に好景気をもたらしたニシン漁。
漁夫たちが暮らし、作業をしていたのが番屋と呼ばれる建物です。
祝津には今でもその番屋がいくつか残っており、ニシン漁で栄華を誇った網元の、贅沢な御殿や暮らしも垣間見ることができます。

祝津は車やバスで、小樽駅から15~20分程度で行ける好立地。
ニシンを楽しむにはうってつけの場所となりますので、これからご紹介していきます!



にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)

まずご紹介するのが、「にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)」
青山家は明治・大正を通じ、ニシン漁で巨万の富を築き上げました。
その三代目の政恵が17歳の時、山形県酒田市にある本間邸に魅せられ大正6年から6年半余りの歳月をかけ、お客様をお招きするために建てられたのが旧青山別邸です。

旧青山別邸は平成22年、国より登録有形文化財に指定されました。
約1500坪の敷地内に木造2階建てで建坪は190坪。家屋の中は6畳~15畳の部屋が18室、それぞれに趣が異なり、金に糸目をつけず建てられた創建101年目を迎えた豪邸です。

北海道屈指の美術豪邸を見て、ニシンで栄えた当時のことを思い馳せてはいかがでしょうか?

邸宅内の様子
※旧青山別邸内は写真撮影はできませんのでご注意ください。

また、小樽貴賓館ではお食事処もあり、旬のおすすめメニューはニシン料理です。
脂の乗った一夜干身欠きニシンを厳選し、化学調味料は一切使わずに大釜でじっくり炊き上げます。料理長の熟達の技が引き出したニシン本来の旨さを、お重やおそばでお愉しみください。
(貴賓館売店ではニシンを購入することもできます。)

にしんお重
ニシンの甘露煮は口に入れるとほろりとくずれる軟らかさ。カニサラダと蓋物、香の物、味噌汁がついています。

にしんそば
北海道産そばとニシンの甘露煮の好相性が味わえます。

にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)
住所:小樽市祝津3丁目63
TEL:0134-24-0024
ホームページ Instagram



小樽市 鰊御殿※災害復旧工事のため現在休館中

夏の小樽市鰊御殿

小樽市鰊御殿は、明治30年に積丹の泊村に建てられ、昭和33年に現在地へ移築復元したものです。移築後の昭和35年には「北海道有形文化財ニシン漁場建築」として、文化財に指定されました。
明治時代の原型をとどめており、華やかな往時を偲ぶ貴重な鰊漁場建築です。

屋内には、ニシン漁やニシン加工に使われた道具類をはじめ、ニシン番屋で生活していた人々の生活用具や記録VTR、写真など貴重な資料を多数展示しております。

小樽市鰊御殿
住所:小樽市祝津3-228
※2023年9月12日の大雨による土砂崩れにより、現在休館中となっております。最新の情報はこちらのホームページからご確認願います。



おたる水族館

豊かな自然に囲まれ、常時約250種以上の動物や魚の生態を間近で感じられる「おたる水族館」。
イルカショーやトドショー、冬は雪の中を歩くペンギンウォークなどが人気となっておりますが、実はおたる水族館ではニシンの展示をしています。

約300匹もいるというニシン。食べることはあれど、泳いでいる姿を見るというのは中々無いのではないでしょうか?
群れで泳ぐニシンが、水槽に差し込む光によって輝く姿は必見です!
イルカやペンギンも良いですが、ぜひこの機会にニシンも見に行ってくださいね♪

可愛いですね♡

おたる水族館
※冬季営業は2月25日(日)まで(詳しくはこちら
住所:小樽市祝津3丁目303番地
TEL:0134-33-1400
ホームページ オフィシャルブログ Facebook



豊井浜海岸(群来を見る)

豊井浜海岸の群来
※2023年3月8日撮影(小樽市HPより)

小樽の沿岸では、ニシンが産卵のため大群で押し寄せ、産卵・放精によって海の色が乳白色になる群来(くき)が確認されています。

祝津の豊井浜海岸も群来スポットの一つ。運が良ければ、2~3月の時期に見ることができます。(レアな光景なので、もし出会えたらラッキーです!)

豊井浜海岸
住所:小樽市祝津1丁目  Google Map
※過去の群来の情報はこちらで発信されています。



祝津パノラマ展望台(※フォトフレームは冬季ご利用できません)

祝津の海景色を楽しみたいなら、おすすめなのは「祝津パノラマ展望台」
目の前には一面の日本海が広がり、展望台から望む風景は正に絶景です。

その展望台に設置されているフォトフレームには、天使の羽が描かれており、実は、この羽の1枚1枚はニシンの形をしており、鰊漁で栄えた祝津地区にちなんだスポットになっています。

残念ながら冬季は見ることができないものの、祝津×ニシンを楽しむにはご紹介したい場所です。

展望台からの絶景
ニシンいるかな?

祝津パノラマ展望台
住所:小樽市祝津3丁目  Google Map
冬期:展望台は積雪状況により立ち入り可能ですが、フォトフレームは利用できません。
ホームページ



民宿 青塚食堂

祝津の前浜で獲れた新鮮な地元食材を楽しむことができる「青塚食堂」。
何十年も守ってきた漁師の家庭的な味と鮮度が魅力です。

青塚食堂では海の幸をふんだんに使ったメニューを数多く取りそろえておりますが、こちらのお店の看板メニューとして、特大ニシン焼きがあります。
豪快に焼いているところを目の前で見られるので、見て楽しい、食べて美味しいのは間違いなし!
特大ニシン焼きは、定食のほか、単品でも提供されていますので、他の料理と併せて頂くのもオススメです。

お、大きい!

民宿 青塚食堂
住所:小樽市祝津3丁目210番地
TEL:0134-22-8034
ホームページ



KIM GLASS DESIGN

祝津エリアにガラス工房を構える「KIM GLASS DESIGN(キムグラスデザイン)」
海岸沿いの最高のロケーションで吹きガラス体験もできるこちらの工房では、小樽でかつて作られ、市民に愛された陶器「小樽焼」を、「新・小樽焼」としてガラスで復活させました。

新・小樽焼 群来 片口

こちらの色柄は、小樽に春を告げるニシンの産卵現象の「群来」をイメージしたターコイズが主体で、陶器にはない、半透明な質感がガラスらしい表情を見せてくれます。
ガラス作家が表現する「群来」もこの機会にご覧になられてはいかがでしょうか?
(こちらの作品はオンラインストアでも購入することが出来ます。)

新・小樽焼 群来 グラス

KIM GLASS DESIGN
住所:小樽市祝津3丁目8
TEL:0134-61-1213
ホームページ / オンラインストア



ご紹介した以外にも、祝津では6月におたる祝津にしん群来祭りが開催されるなど、ニシンを楽しむイベントも開催されています。
これから旬を迎えるニシン。小樽に来られる際には祝津エリアにもぜひ来てみてくださいね。