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※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。
【お願い】新型コロナウイルス感染拡大で 「まん延防止等重点措置」 が適用された関係で営業時間・アルコールの提供等各店舗で変更となっております。あらかじめお問い合わせの上、ご来店ください。
「しりべしコトリアード」、召し上がったことはありますか?まだの方は、是非この機会にどうぞ。一度食べた方なら誰もが口をそろえて「美味しい♥」とコメントする絶品メニューです。
まずは「しりべしコトリアード」について知りましょう!
「しりべしコトリアード」とは、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理「コトリアード」(漁師鍋)をヒントに、2013年に地元の料理人の方々が中心となって考案されたメニュ―です。北海道後志地域で獲れた魚介類、野菜、果物、北海道産乳製品など、地元食材を使用した「食べるスープ」です。
…というものの「コトリアード」という聞き馴染みのない単語に、「え?鶏料理?」とイメージしてしまう方も多いかもしれません。早速「しりべしコトリアード」について、料理人の方にインタビューをしてまいりました!
お話を伺ったのは、「しりべしコトリアード推進協議会」の会長を務める兼崎 義明さんです。
「しりべしコトリアード推進協議会」は、「しりべしコトリアード」を地域に愛される固有の食文化に育てること、そして道内外にPRし、地域ブランド化を図ることを通じ、後志地域を盛り上げていくことを目的に、活動しています。
Q1.しりべしコトリアードの魅力を教えてください
A.ここに来ないと食べれないものをつくりたかったんです。小樽、後志でしか食べれないもの。だから、何でもアリにしてなくて、ルールを決めて、ハードルを高くしたんです(笑)
と、いきなりざっくばらんなトークになりましたが、「しりべしコトリアード」のルールは以下ご参照ください。後志の素材にこだわったメニューであることが一目瞭然です。地元だから、食材も取り揃えやすくなりますね。
▼しりべしコトリアードのルール
①具材に、後志近海で獲れた「魚介類」「魚介類すり身」をそれぞれ1種類以上使用。後志産の「野菜」「果物(加工品を含む)」をそれぞれ1種類以上使用する。
②スープに、後志近海で獲れた「魚介類」と「野菜」を使ったベーススープに、後志産の「ワイン、またはシードル」、北海道産の「乳製品」を使って仕上げる。
③ヴィネグレットソース(オリーブオイル、ビネガー、塩、きざみエシャロットを混ぜたもの)を添える。
もともと「コトリアード」は、料理人の世界でもメジャーなものではない。ルールも簡単ではないけれど、逆に知る人ぞ知るメニューとして広めていくのも面白いのでは?プライドの高い料理人たちには、質の高い洋食料理を提供したい!という熱い思いもありました(笑)。
この「しりべしコトリアード」は、シチューとはまた違うんです。魚介とミルクの組み合わせで重たいイメージがあるかもしれないけれど、食べてみたらそんなことは全くなく、上品さの中に、魚のコク、乳製品のコクがマッチしています。ビネグレットソースの酸味はワインに合うので、是非ワインと一緒に召し上がってください。
だしの取り方もそれぞれのお店で違うそうです。勿論この「しりべしコトリアード」のためにだしをとるわけですから、手がかかっているお料理ですね。続いて、裏話を伺っていきます。
Q2.「しりべしコトリアード」を立ち上げた時の思いや取り組みの苦労話を教えてください
A.“小樽と言えば寿司”というのが当たり前だけど、洋食の料理人としては、なんだよー(笑)と。小樽は、中華のジャンルであんかけ焼そばもある。港町で洋食文化も早くからあった小樽なんだから、洋食でも有名なものがないとね!と、料理人仲間で話していたんです。
最初は研究会から取り組みが始まりました。洋食が似合うまち小樽で、洋食の料理を広めたい。食べるために、後志に足を運んでほしい。その料理は何がいいか、皆で考えました。
料理人の中に「コトリアード」を知っている人がいて、そこから「しりべしコトリアード」へと発想がつながっていったんです。ブルターニュで出されている「コトリアード」はいわゆる漁師鍋。ブルターニュ出身の方が「しりべしコトリアード」の作り方を見て「ブルターニュではこんなことしない」と言っていて(笑)。日本人から見ればコトリアードは洋風のあら汁みたいなものですが、それをそのまま出すのではなくて、食べやすいようにアレンジしたものが「しりべしコトリアード」です。
料理人の方々の熱い思いで生み出された「しりべしコトリアード」ですが、料理人の方々が自ら、白いコックコートを着て、イベント会場にいるのを見かけたことがあります。実際、「しりべしコトリアード」にかかる活動には、どんな方々が携わっているのか聞いてみましょう。
Q3.「しりべしコトリアード」には、どんな方が関わっていますか?
A.料理人仲間はもちろんですが、ワインソムリエの方にも入ってもらいました。そして、食の宝庫後志から、生産者の方々も大事な仲間です。地域で料理教室をしたご縁でつながっている方々や北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部という経営者団体の方もいます。
地元のイベントに出店したり、小学校や女性団体での料理教室などを開催してきました。イベントは「ワインカーニバル」や「後志フードフェスティバル」など。料理人自ら、PR活動をしています(笑)。今はコロナ禍で動きが取れず、とても歯がゆいです。
食が人をつなぎ、地域をつないでいく。「しりべしコトリアード」に取り組んでいる料理人は、「美味しいものをつくりたい!」という思いが強い人ばかりです(笑)そして、「しりべしコトリアード」を通じて、関わる方々、みんなのご商売が繁盛してくれたらいいなと思っています。
一度食べたら病みつきになり、鍋の底が見えるまでおかわりし続けてしまう美味しさの「しりべしコトリアード」ですが、実際に召し上がったお客様はどんな反応なのでしょうか?
Q4.お客様からの感想を教えてください!
A.ほんとに「美味しい!」と言ってくれる方がほとんど。そして「もっともっと宣伝した方がいい」と言われます(苦笑)。最近はリピーターも増えています。
でも、この「しりべしコトリアード」については、名前だけが先行するような売り方ではなくて、料理の魅力をしっかりわかっていただいて、大事に育てていきたいと考えています。地元で愛される料理にならないと続かないのですね。地元で普及して、家庭で普通に作ってくれたらいいなと考えています。
だから小学校や女性団体での料理教室を展開されているのですね。そんな風に地元でコツコツ取り組んでいることが、市外でも注目されています。札幌のホテルのレストランで、「しりべしコトリアード」の和食版が提供されたことがあったり、フェアをやってみたいというご相談を受けたこともあるそうです。
Q5.2月にしりべしコトリアードフェアが開催されますが、冬に開催する理由はありますか?
A.脂の乗った冬の美味しい魚を楽しんでほしいということが、まずひとつ。そして、冬の小樽は「雪あかりの路」があるので、この時期に来る多くの観光客の方に食べてほしいという思いもあります。少しでも多くの方に召し上がっていただいて、「また食べに行こう」って思ってくれたら嬉しいですね。
そして「しりべしコトリアード」は、夏より冬の方が似合うのです。過去の笑い話ですが、とても暑い日、気温の高い日に行われたイベントでは、過去最低の売り上げを記録したことがあります(笑)
Q6.最後に、しりべしコトリアードフェア開催について、読者の方にメッセージをお願いします!
A.全店制覇とは言いませんので、まずは、興味のあるところに食べに行ってみてください。料理人がそれぞれまごころを込めて作っているので、是非!ご興味を持っていただけたら、違うお店もめぐってみてください。見た目は似ていても、具材が違い、味も違う。それぞれのお店の味を楽しんでください。
一度食べてもらえたら、必ずファンになってもらえるという自信があります。
インタビューにご協力くださいました兼崎さん、ありがとうございました。さあ、熱いメッセージをいただいたところで、「しりべしコトリアードフェア」のご紹介です!
「しりべしコトリアード」フェア開催!
新型コロナウイルス感染拡大が心配される中ですが、今年もフェアを開催いたします。各店舗、細心の注意をはらい可能な限り皆様をお迎えしたいと存じます。手指消毒・会話時のマスク着用等協力いただき、安全で楽しいフェアになります様、ご協力お願い申し上げます。
インスタグラムのキャンペーンが開催されます。あなたが食べた「しりべしコトリアード」の写真を、ご自分のインスタグラムアカウントで投稿してください!
素敵な写真の中から、20名の方に参加レストランや観光農園からのプレゼントが当たります!
▼参加条件
①しりべしコトリアードのアカウントをフォロー
https://www.instagram.com/shiri_cot/
②投稿にハッシュタグ「#しりべしコトリアード」をつける
▼開催期間
2022年2月1日(火)~2月28日(月)
「しりべしコトリアード」参加店メニュー紹介
ホテルノルド小樽
2FレストランSizzle
余市産の白ワインとその時期の魚のアラでとったフュメ・ド・ポワソンをベースに、玉ねぎ・ポワローをソテーしタラ、ソイなど旬の魚介とホッケのすり身に、キタアカリ、ブロッコリー等の野菜と生クリーム、余市産の細目昆布を仕上げに加えました。昆布の食感と海の香りをお楽しみください。
小樽市色内1丁目4-16
電話0134-24-0500
トラットリア・コンフォルテーボレ
小樽産カスベやタラ、余市・古平産アンコウをメインに使用し、イカ、ホタテ、ホッケのすり身などとジャガイモ、ブロッコリーといった野菜を加え、香辛料は入れずに、素材の味そのものを楽しんでいただいています。通常メニューとして通年提供していますので、リピーターの方も多く、その時期に獲れる素材をいつでも味わうことができます。
小樽市富岡1丁目20-1
電話0134-22-1156
ワインカフェ・ワインショップ 小樽バイン
白ワインとシードルをベースに後志産魚介のうま味、野菜を加え、素材の味をシンプルに引き立てています。
※スープスパゲティ仕立て
小樽市色内1丁目8-6
電話0134-24-2800
ホテルノイシュロス小樽
レストラン「ブラウキュステ」
小樽祝津産のホタテ「おタテ」や余市産の甘海老など、ふんだんな魚介と野菜を、白ワインや魚の出汁でじっくり煮込んで仕上げました。素材の美味しさがあふれる贅沢な味わいです。コトリアードのスープを使った焼きリゾットも提供いたします。
小樽市祝津3丁目282
電話0134-22-9111
オステリア・イル・ぴあっと・ヌォーボ
エゾメバル・ソイ・タラ・アンコウ・カスベなど、できる限りの旬の地魚を使い、スープは、フュメ・ド・ポワソンをとる時に香味野菜と共に余市・仁木産のリンゴ(秋に収穫し加熱真空後冷凍)を使用しています。このほか、シャコの出汁と鶏ガラのブイヨンを加えて仕上げています。
小樽市東雲町2丁目3
電話0134-64-1697
洋食屋マンジャーレTAKINAMI
ニシン漁がおこなわれている期間はニシンを燻製にしているので、スモークの香りとクリームの風味がよく合います。
スープはシードルとケルナーワイン効かせて、2色の洋風すり身(ホタテとタラのムース)が彩を添えています。
小樽市色内2丁目1-16
電話0134-33-3394
ISO
積丹産ヒラメのムースと真狩産百合根のコトリアード
ムースは北海道産ホタテを加えています。
スープは余市産シードルと積丹産ヒラメの骨から出汁を抽出したフュメドポワソンを加えて、魚の旨みを濃厚にして後志らしさを演出しました。
小樽市色内2丁目2-14
電話0134-31-1888
Cafe & Dining bar With Cat's LAMP
白ワインとリンゴをベースに後志近海で獲れたタラとカスベやホタテ・アサリなどの魚介類とすり身がスープにとけ込んでおります。野菜も後志産のジャガイモ・南瓜など甘味のある具材がホッコリさせてくれます。
小樽市稲穂2丁目3-10
電話0134-61-1170
Cafe Bar 石と鉄~STONE and IRON~
小樽産のカスベやおタテ、ホッケのすり身など、海産物をふんだんに使い、北海道ワインの白ワインと道産生クリームと牛乳を使い、味わい深いスープに仕上げました。
グリルした道産野菜も入れ、具沢山の食べるスープです。
小樽市色内2丁目2−8
電話0134-61-1214
小樽の名洋食店が参加する「しりべしコトリアードフェア」、気になるお店もあったのではないでしょうか?最後に、シニアソムリエの阿部眞久さんからのメッセージをご紹介します。
「しりべしコトリアード」には、後志(しりべし)管内でつくられている白ワインがおすすめ。軽快で北国らしい「爽やかな酸味」と「柑橘などの果実の香り」をもった白ワインが料理をさらにおいしくします。
ヴィネグレットソースを具材につけて味わうと、ワインとのハーモニーがとてもいいことに驚くと思います。
料理とワインともに同じ地域のものというのが大切なポイント。後志ならではの贅沢なペアリングをお楽しみください
▼「しりべしコトリアード」についての詳しい話は、こちらから
しりべしコトリアード推進協議会
(北海道中小企業家同友会しりべし・小樽支部内)
公式ホームページはこちら