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新米を求めて、オリジナル「後志御膳」の旅《完成編》【Webマガジン小樽通】

2026.11.05

食欲の秋。

食材の宝庫・北海道では、これから旬を迎えるさまざまな食材を味わうことができます。

そんな北海道の中でも、後志(しりべし)の9月〜10月といえば、なんと言っても「新米」。

収穫されたばかりの新米をメインに、後志の各町村で買える旬の食材や名産品を集めて、オリジナルの「後志御膳」を作れたら、絶対楽しいはず!

全3回でお届けする「後志御膳」シリーズ。

第1弾《事前準備編》では、お米のプロや専門店を訪ねて美味しいお米の選び方や最高のおかず、生産者さんたちの熱い想いを伺いました。

続く第2弾《後志めぐり・調達編》では、後志の8町村を車で駆け巡り、地元の方々におすすめの食材を教えてもらいながら、実際に買い出し・調達を進めてきました。

そしていよいよ今回迎えた最終回。集めたすべての食材を厨房に広げ、最高の一膳を形にしていく『完成編』をお届けします!

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。




【目次】
▸ 後志御膳に使用する食材と献立
▸ お米を炊く
▸ 下ごしらえ
▸ おかずを作る
▸ おむすびを握る
▸ 盛り付け
▸ 実食



【食材一覧】
お米:田中農園ゆめぴりか(蘭越町)、石川農園ゆめぴりか(赤井川村)、石川農園ななつぼし(赤井川村)
山の幸:カボチャ(赤井川村)、とうもろこし3種(赤井川村)、ブロッコリー(赤井川村)、パプリカ(赤井川村)、ニンニク(赤井川村)、ジャガイモ きたあかり(ニセコ町)、ジャガイモ とうや(ニセコ町)、トマト(ニセコ町)、人参パープルスティック(ニセコ町)
海の幸:2年貝ほたて(神恵内)、鮭フレーク(神恵内)、ゆでタコ(神恵内)、糠にしん(積丹)、たらこわさび漬け(古平)、たらこ粕漬(古平)、ワタリガニ(小樽)
飲み物:クラフトビール(岩内)、りんご・ぶどうのリキュール(余市)

集まった食材は、どれも後志の自然が育んだ一級品ばかり。
複雑な味付けはせず、素材本来の旨味や甘みをそのまま噛みしめられるメニューに仕立てました。

【献立】
食前酒:余市産りんごと葡萄のリキュール 飲み比べ
温菜:赤井川・ニセコ実り野菜のスチーム 積丹産糠にしんマヨネーズを添えて
冷菜:神恵内産 茹でタコと極上ホタテ・ニセコ産トマトのお造り
汁物:積丹産糠にしんとニセコ産根菜の郷土風三平汁
主菜:小樽産ワタリガニの姿ボイルと神恵内産の蒸し帆立
食事:後志3種の新米食べ比べおむすび(蘭越ゆめぴりか・赤井川ゆめぴりか・赤井川ななつぼし)〜古平産たらこと神恵内産鮭フレーク、積丹産糠にしん焼きを添えて〜
お飲み物:岩内クラフトビール



まずは、今回の主役である「新米」の準備から。

今回用意したのは、蘭越町の田中農園さんで手に入れた「ゆめぴりか」、そして赤井川村の石川農園さんから迎えた「ゆめぴりか」と「ななつぼし」の計3種類です。

お米選びのこだわりについては、事前準備編の記事 でも詳しくお伝えした通り、「どこで、誰が、どう作ったか」が大切なポイント。

教えていただいた通り、お米を研ぐときは力任せにゴシゴシ洗うのは厳禁。表面が傷ついてしまわないよう、指を立てて優しく水を回すように洗います。

汚れを流したら、それぞれの持ち味を引き出すために1時間しっかりと浸水させます。

しっかり水分を吸わせたら、いよいよ火にかけます。ガラス蓋越しにお米がふつふつと躍り、湯気とともに新米の甘い香りが部屋いっぱいに広がっていくこの時間がたまりません。



続いては、下ごしらえ。後志の直売所や道の駅で買ってきたフレッシュな食材たちを並べて、順番に切っていきます。

赤井川村のずっしり重いカボチャを割ると、鮮やかなオレンジ色の果肉がぎっしり。

ニセコのじゃがいもや大きなブロッコリーも、素材のゴロゴロ感を残しながらカットしていきます。

みずみずしいとうもろこしは、皮をむいて一口大に切り分けていきます。

切った野菜たちは、そのまま蒸し器(せいろ)へ。仕上がりの彩りを思い浮かべながら並べるだけでもワクワクしてきます!

続いて積丹の伝統食「糠にしん」。周りの糠をサッと水で洗い流し、ぶつ切りに整えていきます。

角切りにした大根や根菜、そして糠にしんを鍋に入れ、三平汁の下準備も完了です!

神恵内村のぷりっぷりの茹でタコは、小鉢に入れ替え、いつでも食べれる状態に。

ニセコ産の”ぜいたくトマト”は、丁寧にスライスしていきます。

神恵内から連れてきた2年貝ホタテは、スプーンの反対側を使いながら手早く殻から外していきます。

殻を開く際のコツは、貝の根本側に柄をスッと突っ込み、貝柱と殻をつなぐ筋肉(貝柱の根元)を断ち切ること。これだけで驚くほどスムーズに殻が開きます。

お造り用のタコ、ホタテ、トマトをお皿へ並べたら、下ごしらえは完了です!



主役の一つ、小樽産のワタリガニ。立派な姿と鮮度抜群の重みが期待を高めます。

お湯を沸かした鍋へと手際よく投入し、程よい塩加減で一気に茹で上げます。

鮮やかな赤色に染まったワタリガニが茹で上がり、食卓を彩る主役の姿に。

蒸し器(せいろ)に並べた赤井川やニセコの野菜たちは、竹串がスッと通るまでじっくり蒸して甘みを引き出します。

積丹の糠にしんとニセコ産の根菜がたっぷり入った郷土風三平汁も、いい塩梅に仕上がりました。

香ばしく焼き上げた糠にしんは、おむすびの最高の相棒に。

神恵内村の豊かな海の幸が詰まった鮭フレークも準備万端です。

ほぐした糠にしんにマヨネーズを合わせれば、スチーム野菜を引き立てる特製ディップソースの完成です。



蓋を開けた瞬間、ふっくらと炊き上がった新米のツヤと香りがあたり一面に広がります。

しゃもじで優しく底から返すように切ることで、一粒一粒に空気が含まれてツヤがさらに際立ちます。

粒がしっかり立ち、輝くような美しさは新米の季節ならではです。

さあ、いよいよみんなで食卓を囲んでおむすび作りへ!

海苔の巻き方ひとつで表情が変わるのもおむすびの面白いところ。全体の形を覆うタイプから、帯のように巻くもの、頭に具材をちょこんと乗せるスタイルまで、どれが一番美味しそうに見えるか、みんなであれこれ試しながら結んでいく作業も盛り上がります。



蒸し上がったばかりの温野菜を、彩りよくお皿へ移していきます。湯気とともに野菜本来の甘い香りが立ち込め、食卓が一層華やぎます。

主役たちの下準備が整う中、器に丁寧に盛り付けられた「三平汁」。旨味が溶け込んだ優しいスープに、彩り豊かな具材が引き立ちます。

赤井川やニセコの恵みがぎっしり詰まった前菜プレート。スチーム野菜の鮮やかな色彩に、タコやホタテ、特製の糠にしんマヨネーズが絶妙なアクセントを添えています。

小樽産のワタリガニの姿ボイルと、神恵内産の蒸しホタテ。海の豊かさをそのまま映し出したような、迫力たっぷりの一皿が完成しました。

いよいよ完成したお料理の数々を食卓へ。一つひとつ心を込めて結んだおむすびのプレートがテーブルに並びます。

香ばしい匂いやお米の甘い香りが漂っていて……正直、もう我慢の限界です(笑)。早く乾杯して食べたい!



さあ、いよいよ実食です!

まずは、喉を潤す食前酒からスタート。余市産りんごと葡萄のリキュールは、アルコール感がきつくなく、まるで果汁そのものを味わっているかのようにフレッシュでフルーティーなので、お酒が苦手な方でも美味しく楽しめます。豊かな果実の味わいに、これからの宴への期待感がぐっと高まりました。

続いては、今回の主役である「新米おむすび」へ。

今回食べ比べたのは、蘭越の田中農園さんと赤井川の石川農園さんが丹精込めて育てた「ゆめぴりか」、そして赤井川の「ななつぼし」の3種類です。

一般的に、ゆめぴりかは強い甘みともちもちした粘りが特徴で、ななつぼしは味と食感のバランスが良くさっぱりとした口当たり、と言われています。

実際に生産者さんたちが口々に語っていた「お米本来の旨味」を確かめるように頬張ってみました。 実は撮影や準備をしながら進めていたため、食べる頃には少し冷めてしまっていたのですが、一口食べてみて驚きました。新米そのものの力なのか、あるいは1時間しっかり浸水させたおかげか、冷めてもなおモチモチとした食感と甘みがしっかり残っていたのです。

ちなみに、編集部内で「どれが一番好きか」を食べ比べてみたところ、好みがバラバラに分かれました(笑)。

田中農園さんのゆめぴりかが持つ濃厚でもちもちとした甘みを推す人もいれば、石川農園さんのななつぼしが持つ程よいハリと爽やかな味わいを気に入る人もいて、同じ「ゆめぴりか」同士でも農園ごとの個性を楽しむ声も。

まさに「誰が、どんな想いで育てたか」がそのまま味に出ているようで、どのお米も甲乙つけがたい魅力がありました。

そして、おむすびをさらに引き立ててくれる「おかず陣」の美味しさも格別です。

古平の絶品たらこ、神恵内の優しい風味の鮭フレーク、そして香ばしく焼いた積丹の糠にしんをちょこんとのせれば、それだけでお箸が止まりません。

さらに、せいろでじっくり蒸し上げた赤井川やニセコの野菜たちは、カボチャやジャガイモ本来の甘みがギュッと凝縮されていて感動的。

特製の「糠にしんマヨネーズ」をディップすると、これがまたビールを呼ぶ最高のおつまみになります。

神恵内のぷりっぷりな茹でタコやホタテ、フレッシュなニセコ産トマトのお造りで口の中を爽やかにしつつ、小樽産ワタリガニの濃厚な旨味にかぶりつき、仕上げは積丹の糠にしんと根菜が温かく染みる郷土風三平汁でホッと一息。

岩内のクラフトビールをグビッと流し込めば、後志の恵みを文字通り全身で味わい尽くす、最高の晩餐となりました!



食欲の秋、そして待ちに待った新米の季節。

後志の美味しいお米と旬の食材を求めて出来上がった今回の「後志御膳」は、地域の恵みを贅沢に味わう、最高の秋の一膳になりました。

温かく迎えてくださった各町村のみなさんや、こだわりのお米や食材を届けてくださった生産者の方々のご協力があったからこそ完成した、特別なお料理です。

みなさんもぜひ、この季節ならではの後志の味覚を食卓に取り入れて、秋の豊かなおいしさを楽しんでみてくださいね。



小樽通編集部ライター たるえもん
近代的な都会の街並みと下町情緒あふれる商店街、どちらにも魅力を見つける流浪に編集者。学生時代にグラフィックデザインを専攻し、ポスターや名刺など、紙媒体のデザインに魅了される。時代のニーズに合わせて、WEB業界でECに携わり、WEBディレクターを経験。現在は地元小樽の魅力に浸かりながら、雑誌編集にいそしむ日々。



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