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新米を求めて、オリジナル「後志御膳」の旅《事前準備編》【Webマガジン小樽通】

2026.10.22

食欲の秋。

食材の宝庫・北海道では、これから旬を迎えるさまざまな食材を味わうことができます。

そんな北海道の中でも、後志(しりべし)の9月〜10月といえば、なんと言っても「新米」。

収穫されたばかりの新米をメインに、後志の各町村で買える旬の食材や名産品を集めて、オリジナルの「後志御膳」を作れたら、絶対楽しいはず!

そんな食への探究心に突き動かされ、いざ「後志御膳」を作る旅へ……と言いたいところですが、ふと疑問が湧いてきました。

「後志のお米ってどこでどんな人が作っているんだろう?」
「お米はどう選べばいいの?」
「新米に合う最高のおかずは何にしよう?」

最高の「後志御膳」を作るためにも、まずは事前準備!お米や地域の食材を知るべく、小樽市内のお米屋さんや専門店、農家さんに直接お話を聞きに行ってきました。

全3回でお届けする「後志御膳」シリーズ。

第1弾の今回は、美味しい新米と食材に出会うためのインタビュー記事をお届けします!

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。




【目次】
▸農家直送米とワインのお店『丸い遠藤商店』
 └北海道米の進化と「どこで、誰が、どう作ったか」
 └美味しさを支えるプロの設備と「タンパク値」
 └ご家庭でできる!美味しい研ぎ方と炊き方
 └遠藤商店のこだわり米を「おむすび」で味わう!
▸地場密着のセレクトショップ『駅なかマート タルシェ』
 └新米が止まらない!「最高のご飯のお供」
 └後志の旬を丸ごと味わう!こだわり農産品&加工品
▸北海道赤井川村 石川農園
 └恵まれた天候が育んだ「ふっくら・爽やか」な2026年産米
 └妥協のない「選別」と、消費者と近くあるために



「いらっしゃいませ!」

そう元気に声をかけて迎えてくれたのは、小樽市豊川町にある「丸い遠藤商店」の遠藤さん。

お米とお酒を知り尽くした、食のプロフェッショナルです。

「いやぁ、今年の出来はいいよ」と、さっそく見せていただいたのは、収穫されたばかりの新米。

ずっしりと重みのある米袋を抱える遠藤さんの笑顔からも、今年の美味しいお米にかける自信とワクワク感が伝わってきます。

店内を見渡すと、蘭越町や赤井川村、ニセコ町といった後志(しりべし)管内の生産者さんたちの顔写真や、お米のこだわりを伝える温かみのあるポップがずらり。



まず伺ったのは、北海道産米の特徴と評価の変化について。

「昔の北海道米といえば、正直そこまで評価が高くない時代もありました。でも今は全く違います。今の北海道米は気候や環境に順応する力があって、全国的にも『間違いなく美味しいお米』として高い評価を受けているんですよ」

さらに話題は、お米好きなら知っておきたい選び方の考え方へ。

「お米って、ざっくり『ゆめぴりか』『ななつぼし』という品種名だけで選びがちですが、これってラーメンや寿司と一緒なんです。『札幌ラーメンは美味しい』と言うよりも『どこのお店のラーメンか』が大事なように、お米も『どの場所で、誰が、どう作ったか』で味わいが全く変わるんですよ。

例えば、銘柄だけで『ゆめぴりかが好き』と言っているうちは、まだまだ(笑)。

『蘭越町の中山さんが作ったお米』や『赤井川村の石川さんが作ったお米』というように、産地や生産者、さらに栽培方法まで語れるようになると、お米の楽しみ方は一気に深まります」

実はお米の名産地として知られる蘭越町だけでなく、隣町である赤井川村や、羊蹄山麓のニセコ町や仁木町でも非常に高品質なお米が作られているとのこと。

後志はその土壌や地形、気候がバリエーションに富むため、さまざまな個性のお米が楽しめます。

また、後志エリアには道の駅や直売所も多く、生産者との距離が近く感じられることも魅力の一つです。

店内ポップの笑顔の生産者さんたちと重ね合わせながら話を聞いていると、一気に視野が広がっていきます。



店外にある精米・保管スペースにも案内していただきました。

そこには、美味しい状態でお客さんに届けるための妥協のないこだわりが詰まっていました。

お米の味を大きく左右するのが「タンパク値」。

タンパク質が低いほどツヤ・香り・甘みが際立つため、数値の低い極上米を見極めて仕入れているのだそう。

さらに、身の詰まった大きな粒だけを残す厳格な選別(2.0mmの網目を使用)や、お米の天敵である夏場の酸化(旨味が消える)を防ぐための24時間体制の温度管理など、徹底した品質管理が行われています。

「精米した瞬間からお米の酸化は始まります。だからこそ、保管の温度や仕入れのタイミングまで責任を持ってお客さんに届けるのが、僕たち米屋の仕事です」



ご家庭でできる!美味しい研ぎ方と炊き方

最後に、美味しいお米を味わうためのポイントと、ご家庭でもすぐ試せる研ぎ方・炊き方のコツも教えてもらいました。

【美味しいお米のポイント】
・丁寧に栽培されたおコメ
・大切に保管されたおコメ
・なるべく精米日が新しいおコメ
・強く研がないこと

「お米を洗う時は、昔のように力任せにゴシゴシ研ぐのは絶対ダメ。お米が傷ついてしまいます。くるくると優しく水を回すだけで十分です。そして、水を取り替えたら炊く前にしっかり浸水させること。水分を含ませて粒が白くなるまで吸水させることで、芯までふっくらと甘みが引き立ちます」

また、お米の個性に合わせた楽しみ方として、「ななつぼし」は寿司米やタレもの(丼ものなど)と相性が良く、「ゆめぴりか」はご飯そのものの甘みやモチモチ感を味わうのにぴったりだと教えていただきました。



ちなみに、今回お話を伺った丸い遠藤商店さんですが、小樽港の新たな賑わい拠点「おたるポートスクエア(コンテナビレッジ)」内に、直営のおむすび専門店「おむすび 丸い遠藤商店」を出店しています!

契約農家さんから仕入れたこだわりのお米をふっくらと結んだ絶品のおむすびは、小樽港の海風を感じながら手軽に味わうのにぴったり。遠藤さんが情熱を込めて届ける「本物の美味しさ」をその場で体感できるので、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

プロの情熱とお米の深い世界に触れ、いよいよ「後志御膳」のイメージが明確になってきました!

▮丸い遠藤商店
〒047-0043小樽市豊川町14-3(GoogleMap)
ホームページ・Instagram
▮おむすび丸い遠藤商店
〒047-0007 北海道小樽市港町4-2(GoogleMap)



旅の途中で絶対に立ち寄りたいスポットといえば、小樽駅の構内にある「駅なかマート タルシェ」。

ここは単なるお土産屋さんではありません。後志(しりべし)管内をはじめとする北海道内の優れた特産品や旬の食材が並び、「生産者と消費者をつなぐ交流拠点」をコンセプトに掲げるセレクトショップです。

店長を務めるのは、竹内さん。

実は竹内さん、以前は小樽商工会議所で約11年にわたり、地域特産品のPRや商品開発などのプロジェクトに深く携わってきた経歴の持ち主です。小樽の産業や食の現場を長年支えてきた、いわば“地元の食の目利き”とも言える存在です。

「小樽や後志のエリアには、私たちがまだ知らない美味しいものがまだまだ眠っているんですよね」と竹内さん。

その言葉通り、タルシェの棚には、黒松内町や島牧村、積丹町など、後志各地の生産現場へ自ら足を運び、生産者と直接言葉を交わして見つけてきたこだわりの逸品がずらりと並びます。

「誰が、どんな想いで作っているのか」というストーリーを大切にしているからこそ、商品の背景にある生産者のドラマまで含めて届けてくれるのがこのお店の魅力です。



新米が止まらない!「最高のご飯のお供」

今回は、遠藤商店さんで教えていただいた美味しい新米に合わせる「後志の最高のおかず」を、竹内店長と一緒に探してみました。

まず目に飛び込んでくるのは、後志の海と山の恵みをぎゅっと凝縮したご飯のお供の数々。

「おすすめは神恵内村(かもえないむら)の漁業集落女性部の皆さんが作っている『ソイのルーローハン』や『サクラマスのハーブ&オイル』。地元の海の幸を使って、手作りで丁寧に仕上げている逸品です。熱々のご飯に乗せたら、もうお茶碗が止まらなくなりますよ」

さらに、小樽市内ではタルシェでしかほぼ手に入らない余市町の「アンコウのキムチ」や、寿都町の老舗・吉野商店の「紅鮭荒ほぐし」、小樽水産加工グランプリで銀賞を受賞した「王様のうに」など、新米の美味しさを限界まで引き立ててくれるラインナップが勢揃いしています。



後志の旬を丸ごと味わう!こだわり農産品&加工品

海の幸だけでなく、実りの秋を迎えた後志の農産品・乳製品も目移りするほどの充実ぶりです。

店頭には、赤井川村・永沼農園の大きな「イーティーかぼちゃ」や、赤井川コロポックル村の「ホワイトアスパラガスのピクルス」、真狩村の「豆腐の吟醸粕味噌漬け」、ニセコ町の人気スイーツチーズ「雪花(パパイヤ&パイナップル)」などがありました。(その時期によって店頭に並ぶ商品が変わります。)

「後志は、果樹園も多くて春から秋にかけて旬の果物がどんどん変わりますし、山と海の両方の味覚が揃っています。正直、1日や1回訪問しただけでは回りきれない魅力が詰まっている地域なんですよ」と竹内さん。

店内にはお米に合うおかずのほか、後志各地の地酒やクラフトビール(イワナイブリワリー、小樽ビール、京極ビールなど)、余市・仁木のワインもずらり。旅の夜を彩るお酒とおつまみの調達にもぴったりです。

「まずは小樽駅のタルシェで後志の味覚のポテンシャルを感じていただいて、気になった食材の産地へ実際に足を運んでみるのもおすすめの旅の楽しみ方です」

最高のお米に続き、新米を引き立てる最高のおかずと特産品のイメージもバッチリ固まりました!

▮駅なかマート タルシェ
〒047-0032 北海道小樽市稲穂2丁目22-15(GoogleMap)
ホームページ・Instagram



丸い遠藤商店の遠藤さんからの熱いご紹介を受け、続いて訪れたのは、小樽の隣町・赤井川村で代々お米農家を営む「石川農園」の石川さん。

札幌での仕事を経て、20代後半で地元・赤井川村へ戻り、本格的に農業の道へ入って約20年。

「最初は何もわからず飛び込みましたが、やっぱり食べた人に『美味しい!』と言ってもらえるのが一番の活力ですね。それと、自分が田んぼを作らなくなったらこの地域の美しい景色が変わってしまう。地域の水田と景色を守りたいという想いでずっと続けています」



恵まれた天候が育んだ「ふっくら・爽やか」な2026年産米

昨今のお米を取り巻く環境は決して楽なことばかりではありません。

しかし、今年のお米の出来について伺うと、石川さんの表情がフッと和らぎました。

「今年は本当に恵まれた年でした。春から秋まで台風も豪雨もなく、稲刈りの最中も一度も雨に当たらないで最後まで作業ができたのは初めてです。そのおかげで綺麗で大きめの粒が揃いました」

石川農園が目指すのは、ふっくらとした粒感がありつつ、爽やかでさっぱりとした食べやすいお米。

「粒を大きく、ふっくらさせるために工夫を重ねて育てています。今年のお米は味も爽やかで、すごく食べやすく仕上がっていますよ」



妥協のない「選別」と、消費者と近くあるために

石川農園では、精米や選別の工程にも強いこだわりを持っています。

「対個人のお客さんに届けるお米は、選別に一切妥協はしません。自分のなかでできる100%の選別をして、誰に届けても恥ずかしくない状態で届けるのが僕たちの仕事です」

なお、石川さんのお米は、石川農園での直接購入のほか、「道の駅あかいがわ」や、小樽市内の「丸い遠藤商店」などでも買い求めることができます。

最後に、これからのお米づくりについての想いを伺いました。

「これからの時代、消費者の皆さんと距離が離れてしまったら農業は続けられません。食べてくれる人を大切にしながら、顔がわかる関係でお米を届けていきたい。この赤井川の美味しいお米を、ぜひじっくり味わってみてください。」

▮北海道赤井川村 石川農園
〒046-0542 北海道赤井川村字曲川62(GoogleMap)
Instagram
※外部紹介記事:赤井川の朝日を浴びた石川農園の「シェメシ」。甘みと旨みのお米で皆を元気に/北海道赤井川村(NIHONMONO)



プロのお米へのこだわり、最高のおかず、そして丹精込めてお米を育てる農家さんの熱い想い——。

直接お話を伺ったことで、美味しい「後志御膳」を作るための準備と知識はバッチリ整いました!

最高の新米と、それを引き立てる究極のお供に出会うための知識を胸に、いよいよ次回は後志各地をめぐる「食材調達の旅」へと出発します。

赤井川村、ニセコ、蘭越、そして沿岸の町々へ……。

秋恵む後志の絶品食材を集める買い出しドライブの模様をお届けする第2弾《後志めぐり・調達編》をどうぞお楽しみに!



小樽通編集部ライター たるえもん
近代的な都会の街並みと下町情緒あふれる商店街、どちらにも魅力を見つける流浪に編集者。学生時代にグラフィックデザインを専攻し、ポスターや名刺など、紙媒体のデザインに魅了される。時代のニーズに合わせて、WEB業界でECに携わり、WEBディレクターを経験。現在は地元小樽の魅力に浸かりながら、雑誌編集にいそしむ日々。



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