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2021年4月号の創刊から3年間、地域密着型のメディアとして、小樽の情報を発信し続けてきた「月刊小樽自身」。
その魅力や果たしてきた役割、情報発信の在り方等について、小樽自身初代編集長と二代目編集長、そして、特別ゲストとして、HBC北海道放送運営のウェブマガジン「Sitakke」渡邉編集長を迎えて、熱く語っていただきました!
語っていただく皆様をご紹介!
■小樽自身初代編集長 山城 栄太郎
(一社)小樽観光協会理事。
東京の某ファッション誌の副編集長だった経験も活かし、小樽自身創刊を進める。本業は創業100年超えの花屋社長。趣味は山登り。
■小樽自身二代目編集長 安田 徹
(一社)小樽観光協会理事。
2022年10月号から小樽自身の二代目編集長を就任。自らも積極的に取材を行い記事を執筆。計18号をまとめる。趣味はスポーツ観戦。
〈特別ゲスト〉
■Sitakke編集長 渡邉 春菜
HBCが運営するウェブマガジン、Sitakke(したっけ)の編集長。2023年4月から小樽自身の記事をSitakke上で掲載していただいている縁もあり、座談会出演を依頼。
趣味は散歩、小さな町の郷土資料館やお祭りを巡るのが好き。また、プライベートで何度も小樽を訪れるほどの小樽好き。
〈進行役〉
■大塚 英治
(一社)小樽観光協会理事。海好きの潜水士。
小樽自身創刊から議論に参加。本業や趣味の経験を活かし、記事では魚卵・バンライフ・キャンプシリーズを主に担当。
小樽自身の誕生秘話!
大塚)それでは、まずは小樽自身の誕生を振り返ってみたいと思います。
そもそも、この小樽自身の前身は「おたる月間イベント情報」でした。A4サイズで両面1枚。月々のイベント情報を"紙"で発信していたのですが、ちょうどコロナ禍が始まった時期、もう少し何か楽しい情報発信をしようということで、小樽観光協会の総合情報センター委員会(現:情報発信委員会)の中で議論をしました。
改めて当時のスケジュールを見ると、
2021年2月17日に何かやろうぜという話になって
3月17日に名前やコンセプトが決まり
3月25日に配信という
今考えるとすごいスピード感ですね。
山城さん、当時のお話をお聞かせください。
山城)元々「おたる月間イベント情報」は小樽市役所で作成していまして、情報を箇条書きで伝えるような、どちらかというと事務的なものでした。
一般の観光客の人たちが手にとるような内容や見た目ではないのもありましたので、その後を引き継いだ観光協会で議論しましたが、やはり紙では1ヶ月のイベント情報を並べるだけで紙面の限界がありました。
そこで、コロナ禍だったこともあるし、ウェブに載せようぜという話になりまして、それがウェブマガジンスタイルだったんです。
ただ、こんなに規模がでかくなる話しではなかったんですよ。
大塚)現在の小樽自身とは違うイメージだったんですね。
山城)そうなんです。当初は表紙1枚を作って、何月何日にこういうイベントがあるよというのを載せて、それを少し補足するようなもので良いかと思っていました。
だけど、だんだん話が盛り上がって、雑誌スタイルにしよう、面白いことがあったら取材して記事にしちゃおうよという話になり、現在のあのスタイルで発行することになったんです。
コンセプト決定から1週間ほどで発行ですか…今考えると、確かにすごいスピード感でしたね(笑)
大塚)あの名前も表紙も攻めた内容でした。
山城) 雑誌のパロディーをやろうという話になったのは、最初は「週間SPA!」のように見出しの面白さ一本で読者を引きつける、そして、そこをクリックしたら情報が見られるようなことを想定していました。
SPA!からなぜ「女性自身」的な内容になったかというと、当初はこの情報発信の対象を20代~40代の女性としていたので、それだったら女性自身のほうがよりマッチングし親しみが湧くかなということで、そういう流れに決まっていった記憶があります。
大塚)私もその時の会議に参加していましたが、女性自身へのオマージュのほか、「自身」という言葉にも意味を込めていましたね。
「他の何ものでもなく」「それそのもの」、我々が小樽を発信していくんだという強い決意もこの名前に込めていました。
テレビ業界でお勤めの渡邉さんから見て、この短い期間で発刊したことや、小樽自身について、どう感じましたか?
渡邉)まずスケジュールに関しては、どうやってやったの?って逆に聞きたいぐらいな感じですよね。
あと、先ほど見出しやタイトルについてのお話がありましたけど、私が最初に小樽自身を知ったきっかけが、札幌駅の改札口近くに掲示されていたものでした。
この表紙が目に入ってきて、何だこれはと。いい意味でですよ、もちろん(笑)
その場で立ち止まって読んでしまいましたし、先ほど山城さんがおっしゃられたように、まさに私も女性で年代的にも刺さっていて、この表紙を毎月見るのがすごい楽しみでした。
渡邉) 逆にお聞きしたいのですが、小樽自身は市民目線を重視して、ずっとやってきたと思うんですけど、書き手・ライターをどうやって集めているのでしょうか。こういう方に頼むという、初期の段階で当てがあったんですか?
山城)基本的には自分達で取材をして記事を書いてきましたが、やはり記事制作については、当時は言ってみれば全くのど素人でした。
ただ、とにかく何か手をつけたいというところから始まって、僕も昔編集の経験があったから、こうじゃないよとか、褒めたりとかしているうちに、もう半年ぐらい経ったら、しっかり編集部になっていったという感じでした。
大塚)恐らく渡邉さんが思っていたよりも、かなり手作りでやっていて、結果、ご評価をいただいた形になってきたんじゃないかなと思います。
渡邉)そうだったんですね!
配信してきた記事は350本超え!配信記事を振り返る
大塚)次の話題に移りますけども、小樽自身は3年間で計36号を配信、記事としては356本制作しました。
これがすべてアーカイブの状態でこれからも見ることができますので、ぜひ後から見返していただきたいと思います。
大塚)改めて見返すと、グルメや絶景、小樽ゆかりの偉人、モデルルートなど、幅広く発信してきましたね。
アクティビティについては、実際に編集部が行って体験するような記事を発信してきたのですが、安田さん、何か体験したものはございますか?
安田)私が一番最初に体験したのが屋形船ですね。
大塚)あー、行きましたね!
山城)やったやった。
安田)屋形船に乗り、海から見える小樽の夜景がとても綺麗でした。編集部の皆さんと一緒に乗って寿司や海鮮丼を船の中で食べて、それが初めての体験取材でしたね。
安田) あと、別な編集部の方が体験をしたものですが、特に私の中で印象的なのが「赤岩探勝路」の体験記事です。
安田) 小樽にいながら知らなくて、こんな凄いところがあるのかと。まだ私は行けていないですが、うちの家内と行こうねという話をしています。今年はぜひ行きたい。
大塚)小樽で仕事してたり住んでいたりしていても、意外と行けてないとか、やっていないことがたくさんあることに気づきますよね。
何といってもアクティビティだけでも50本ほど記事がありますし。
渡邉さんがやってみたかった記事はありますか?
渡邉)私「フィッシングPAPAに釣りの仕方を聞いてみた」っていう記事が大好きなんですが、地元の釣具店に行って、その釣りの仕方やグッズの選び方を聞いて、いざ行ってみるっていう体験レポートが、めちゃめちゃ面白かったです。小樽で釣りはやったことないんですけど、やってみたいなと思わされる記事なので、すごく印象に残りましたね。
渡邉)同じく聞いてみた系の話だと、「道で出会った小樽市民におすすめのお店を聞いてみた」という記事も好きです!
渡邉)こちらの記事はSitakkeでも掲載させていただきました。
その中で、最初に見せる画像、アイキャッチは普通一番映える写真を選ぶんですが、そうではなくて、サラリーマンと空のラーメンをアイキャッチにしたのが凄いなと思って。
実はSitakkeでもこの記事が一番PV数が良かったりもします。
道外からの観光客の方だと、やっぱり映えるものを求めがちだと思うんですが、Sitakkeは札幌の方が見てる方が多いということもあって、特別映えるわけでもない、王道でもない、“市民が選んだお店”を知りたいんだなと思うんですよね。私も興味深く読ませていただきました。
大塚)編集部でも初のことが多くて、皆さん楽しんで体験していましたね。
実際に行ってやってみると自分の成長というか、観光の学びとともにどんどん記事が面白くなっていったという良い効果もあったんだと思います。
山城)小樽には、SUPや山登り、穴滝、赤岩探勝路など、おすすめなアクティビティがたくさんあるのに全然スポットライトが当たっていなかったので、なるべく積極的に小樽自身で発信したいと思っていました。
市民は当たり前だと思っているけど、市外・国外の方からしたら感動体験だと思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです。