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【小樽通2024秋号】小樽の魚はなぜ美味しいの?秋のおさかな特集

2024.09.25

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。

(取材・執筆/盛合将矢)

小樽の魚はなぜ美味しいの?その理由は「鮮度」にあります。

小樽で食べるお刺身や焼き魚が美味しいと感じるのは、抜群に鮮度が良いからです。漁師が早朝に水揚げした魚や貝などの魚介類を、その日のうちに食卓で食べる小樽市民も多くいます。

漁師さんが獲った魚は、そのまま小樽の「小樽市漁業協同組合地方卸売市場」に並びます。そして、平日毎朝7時から行われる競りを経て、三角市場や南樽市場などの市場や各お店に流通します。
①漁場 ②卸売市場 ③小売店。この3つが小樽に揃っているため、小樽で食べる魚はとても新鮮なのです。

海から市場へ、市場から小売店へ、そして食卓へ。魚が狭い範囲で素早く流通するため、小樽では新鮮な魚介類を食べることができます。

ちなみに、小樽市には「小樽市公設水産地方卸売市場」と「小樽市漁業協同組合地方卸売市場」という2つの卸売市場があります。



鮮度の極み!小樽名物「生筋子」

秋サケ漁が解禁されると、市場には鮭や生筋子の商品が並び、秋の訪れを感じさせてくれます。これらも小樽の前浜で水揚げされたばかりの鮭から、熟練のスタッフが素早く筋子を取り出します。
冷凍された味付けイクラとは比べ物にならないほど、粒が大きく、プリプリで鮮やかな「いくらの醤油漬け」。鮮度の良い魚が流通する小樽ならではの名物です。

漬けられたものを購入するのも良し、生筋子を購入して自分で漬けるのも楽しいです。新鮮だからこそ、簡単にほぐれ、粒がつぶれることもほとんどありません。

自分で漬けたイクラを丼に乗せてイクラ丼や手巻き寿司にし、贅沢に味わうのも美味しいですよ。



お魚屋さんに聞いてみた!生筋子のほぐし方

最近では、調理場付きの民泊に宿泊して小樽観光を楽しむ方も増えています。市場で生筋子を購入して自分たちで漬ける観光客も多いそうです。
そこで、南樽市場「阿蘇鮮魚店」の阿蘇裕文さんに、ほぐし方のコツを聞いてみました。

作り方は同じですが、毎年微妙に質感が変わるので、その年の生筋子の状態を見て作っています。

◗ボウルに40℃くらいの湯を入れ.スプーン一杯程度の塩を入れてよく溶かしてからその中に生筋子を入れる
◗ 優しく手でかき混ぜて筋子の薄皮や血合いを取り除く
◗ 再度、水を入れて手で残っている薄皮や血合いを取り除く。この作業を3回ほど繰り返して、いくらをきれいにする
point!常温くらいの塩水で最後に洗うと色が出ます
◗ ザルにあげて、水気をよく切る
◗ いくらを瓶や密閉容器に入れ、酒と醤油を好みの味付けで注ぐ

皆さんも、自宅で試して、自分好みの味付けを見つけてみましょう!
そして、阿蘇さんには市場の魅力についても教えてもらいました。



何人もの目利きを潜り抜けた逸品が並ぶ売り場

阿蘇鮮魚店に並ぶ海産物は、漁師、仲卸業者、そして店主など、何人ものプロによる目利きを経ています。漁師が命がけで漁を行い、熟練の技術で市場まで運びます。仲卸業者がさらに目利きを行い、セリで競り落とした魚をお店に並べ、お客様に届けます。

なぜこれを選んだのか、そこには必ず理由があります。それを知りながら食べる魚は、知らずに食べるよりも一層美味しく、楽しく感じられるでしょう。

また、小樽市内の市場の数が減少したことで、「昔は良かった」と市場を過去の美談として語る声もありますが、阿蘇さんは「立ち止まってはいけない」と熱く語ります。市場の魅力を伝え、時代に合わせながら本質を磨き続け、進化していきたいと決意を話してくださいました。

「ただ、良いものを安く売るだけだと、そこで進化が止まると思うんです。市場が持つ信用と信頼を大切にし、自信を持ってお客様に商品を提供していきます」



秋のシャコは職人技!

10月頃から秋シャコが店頭に並び始めます。シャコ漁には、熟練の漁師による高度な技術が求められます。

シャコは、海が荒れて海底が濁ると巣穴から出る習性があります。これを利用して、漁師は天気が荒れる前に網を仕掛け、天候が穏やかになった後に水揚げを行うという、特殊な漁を行います。

そして、水揚げされた後すぐ、丁寧に網から外し、シャコの鮮度を落とさないためにすぐに茹で上げます。
その理由は次の通りです。

◗シャコは触覚・脚・鋭いトゲのある尾扇をもち、これらが折れると鮮度が落ちやすくなる
◗生きているうちに茹でなければ殻が取り外しにくいので、シャコを生きている状態で捕まえる

そのため、熟練の技とスピードが必要となります。また、茹で上げるときの塩加減や湯で加減も、美味しく食べるためのテクニックがあるそうです。

小樽産のシャコも生筋子と同じく、①漁場 ②卸売市場 ③小売店の3つが小樽に揃っているため新鮮で、だからこそ、とっても美味しく食べることができます。小樽産のシャコは、他の産地で獲れるものに比べてサイズが大きい特徴を持ちます。春シャコはオス、秋シャコは卵を持ったメスのシャコがおススメです。

小樽の新鮮な魚介類、ぜひとも市内に6カ所ある市場に行って、海の幸から小樽の魅力を感じてみて下さい!

●取材協力
阿蘇鮮魚店(南樽市場)
住所:小樽市新富町12-1(南樽市場内)
営業時間:AM9:00~PM6:30
定休日:日曜日 *市場全店お休みです
電話:0134-22-9240
FAX:0134-22-9240
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