おたるからのお知らせ
石塚常男は、「最も小樽らしいものを」と思い、小樽運河に着目、小樽のシンボルとして運河を連作し日展にも出品、「運河画家」と呼ばれました。その作品は、高い位置から見下ろした運河と、水面に移った建物や船の影を巧みに構成し、爽やかな色彩のハーモニーを感じさせます。原色は使用せず、青緑系の中間色を中心に穏やかな風景を表現するところは、中村善策との大きな違いです。石塚は、中村善策から、緑系統の色使いに指導があり、デフォルメと省略についても多くを学ぶことがあったと記しています。リズミカルなタッチが生き生きとキャンバスに置かれ、遠景から近景に至る間に、すがすがしい空気を感じることができます。
本展は運河画家と呼ばれた石塚常男の作品を、先輩画家である中村善策とともに展覧いたします。
●石塚常男 1910(明治43)年新潟県に生まれる。1917(大正6)年小樽に転居。1937~43・50~72・75・80~84(昭和12~18・25~47・50・55~59)年道展入選。1943(昭和18)年海洋展北海道長官賞受賞。1946(昭和21)年全道展第1回展出品、以後3回展まで連続出品。1947(昭和22)年一水会展入選。小樽市美術展覧会(市展)創立委員。1952(昭和27)年道展会友。1959(昭和34)年道展会員。1970(昭和45)年一水会展出品。1973・75(昭和48・50)年一水会一般佳作賞受賞。1976(昭和51)年一水会会員。サロン・ドートンヌ展(フランス)入選。サロン・ドートンヌ展招待出品。1977(昭和52)年日洋展入選。1978(昭和53)年一水会会員優賞受賞。1985(昭和60)年逝去。
【会期】2021年10月1日(金)~12月26日(日)
【会場】市立小樽美術館1階中村善策記念ホール