project
人情あふれる これぞ小樽の飲み処
続いてのお店は、そのまま通り沿いに歩いていくと見えてくる。
黄色いのれんがトレードマーク
『呑み処 弐弐』さんだ。

難しい方の漢数字の弐を2つ並べて「ふたつ」と読むらしい。
今回、お話を聞かせてくれたのは店主の岩田久美子さんと工藤修嗣さん。
「最初にこの『弐』っていう字を使いたくて由来を調べたの。
同じ2って意味だけど、こっちの『二』だったらニコイチとか共にとか、ちょっと良い意味がある。
でもこっちの『弐』になると分かれるとか決別とか、ちょっとマイナスな意味になるの。
じゃあこの『弐』を2つ重ねたら悪いふうにはならないんじゃない?って」
そして弐が2つ並んでいるから呼び名はそのまま『ふたつ』になったのだそう。
ふたつの文字が重なり寄り添う様子は、このお店が生み出すあたたかい雰囲気にピッタリだ。
2022年8月2日にいまのお店をオープンし、その前は間借りの居酒屋をやっていたのだそう。
「新しい場所を探してたらここを見っけて、このカウンターが気に入ったからここに決めたの!」
店内は立派なカウンターと、奥の壁にはどれも気になるメニューが並ぶ。

まずはお通しが登場。
この日は『きゅうりとオーシャンのポンマヨ和え』そして『ナメタガレイの煮つけ』の2品だ。

とてもお通しとは思えないボリューム感だが、このナメタガレイはトロトロの身に味がちょうどよく染みこんで、たまらないおいしさ!
のっけからすごい満足感だ。
続いてはザンギが到着。
こちらもとてつもないボリューム!

衣はガリガリザクザクなのに対して、身はしっとりジューシー。
「せっかくうちの味で出すんだったらでっかい方が良いじゃない。
うちはもも肉1枚を4つに切ってて、衣もこだわってるから冷めてもザクザクでおいしいよ」
この日料理を作ってくれていたのは、アルバイトリーダ―のアキオさん。
ここで働き始めたきっかけを聞いてみると、
「おとうさん(修嗣さん)と飲む店がたまたま一緒で知り合って、話してたら突然『明日から来い!』って言われて(笑)
気付いたらもう2年くらいっす」

人気なメニューとかあるんですか?
「一見さんはけっこういろいろ頼んでくれるんですけど、常連さんになると頼むメニューはだいたい決まってますね。
うちで言ったら生つくねと…あとはアパッチが多いっすね!」
出た、『アパッチ』!
メニューには書いてあるけど名前からじゃ何なのか全く想像がつかない。

「アパッチはカレーとナン…じゃないんですけど、クロワッサン生地?パイ生地?みたいなやつを一緒に食べるメニューです。
言葉で説明するのは難しいんですけどおいしいですよ!」
カレー味としか分からないけど、とりあえずおいしそうなのでお願いします!

さっそくアパッチを作ってもらう。
その様子を見ながら修嗣さんに、ふと気になったことも聞いてみる。
どうしてアパッチって名前になったんですか?
「まず生地を何にディップしようかなって話から始まって、それならカレーだと決まったんだ。
カレーと言えばインディアンだけど、そのままの名前だとちょっと呼びづらいなって考えて。
そしたら、インディアンの別名でアパッチって言葉があるらしいからそれにしようってなったんだ」

こちらが人気メニューの『アパッチ』
雰囲気はカレーとナンそのものだ。
「最初は生地だけで食べてみて!」とのことなのでまずはそのまま一口しようすると…熱っち!!
直前まで鉄板で焼いていたので熱々だ。
気を取り直して改めて一口食べると、
もちもちしているが、パイ生地のような層のさくさくふわふわ感もある。
そしてほんのり香ばしい。
クロワッサンとナンを足して割ったような不思議で説明しづらい味だけど、間違いなくおいしい!
次はカレーと一緒に食べてみる。
まず具材のひき肉がごろごろ入っていてとても肉肉しい!
生地のふわふわにうまく絡んでとても満足感あるおいしさだ。
そして辛さはかなり控えめ。
実は私は辛いものがとにかく苦手なのだが、それでも全く気にならずにおいしくいただけたほどだ。
辛いものが苦手だという人はぜひ頼んでみて!

こちらも人気メニュー『生つくね』
写真で伝わるだろうか、実際に見てみるとかなりでかい。
つくねよりもハンバーグと言われた方がしっくりくるレベル。
こちらも最初は何も付けずに一口。
うっま!!

ジューシーさが半端じゃなく、かじったそばからどんどん肉汁があふれてくる。
それなのに全然くどくない。
聞くと肉ダネに秘密があるんだとか。
「軟骨のあたりにスジ脂があって、肉屋さん頼んでそういうのも全部ミンチにしてもらっているのね。
鶏肉も生きものだから絶対におんなじ肉なんてないから。
今日の肉は脂多すぎるから焼けない!なんてこともあるし、そういう日はつくね出せないってこともあるね」
「ごまかして出すことはできるかもしれないけど、それはもう偽物でしょう?
うちの店のものじゃないでしょう?
つくねを看板にしてる以上は、そこは妥協したくないよね。
常連さんでも一見さんでも」
そのままをいただいたので、次はタレをかけて食べてみる。
すると、また違ったおいしさ!
そのままだと比較的さっぱりしていたがタレをかけると一転、こってりとした甘じょっぱさがお酒に合う合う。
気分に合わせて食べ方を変えてみるのも楽しそうだ。
こちらの冷奴もぜひ食べてみてほしい一品。

久美子さんが「冷奴のために生まれてきた」と話すほどの広島の醤油を使っていて、確かに豆腐との相性が抜群。
ネギがいっぱいなのも嬉しい。
どれもおいしくて食べごたえある料理ばかりだが、弐弐さんの魅力はこれだけじゃない。
店員さんとお客さん、その境界を感じさせないアットホームさも大きな魅力だ。

久美子さんや修嗣さんがカウンターに座って、お客さんと一緒に飲むことも
しょっちゅうだという。
「店がものを提供して終わり、だけじゃあ面白くないんだよ。
居酒屋は人情味なんだよ。
みんなしゃべりたくてこういうカウンターに座ってるわけだからさ、どこから来たの?とか、地元の人?とかいつも聞くの。
そういう繋がりも人情だな」
そんな修嗣さんいわく、
「2回来たらみんな常連だから!」
お話を聞いて一番に感じたのは、弐弐さんのお客さんに対しての誠実さだ。
せっかく来てくれたのなら、いっぱい食べてたくさん飲んで、心から楽しんでもらいたい。
そんな思いが料理に言葉に雰囲気と、そこら中にあふれていた。
人情あふれる小樽の呑み処。
ぜひお腹を空かせて訪れてみて。

呑み処 弐弐
小樽市花園3丁目9−19
営業時間 17:00~24:00
「『おたるのほそ道』公園通りをゆく③」は4月9日(木)17:00に公開予定です。(全3回)
お楽しみに!

小樽通編集部 小竹多聞
広島生まれ愛知育ち。
北海道の雪は好きだけど寒さには弱い。小樽での楽しみは行きたい店リストをコンプリートすること(159軒/268軒)
読者プレゼントのお知らせ
アンケートにご回答いただくと、抽選で毎月1名様に小樽や後志の産品をプレゼント!
▼アンケートのご回答はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeGBlnJA1Bm9hMSQ9D_FTkC9--Fe7ChypmhhK7q_8Ldu8iRIg/viewform
