project

街歩きでタイムスリップ!?|小樽のレトロ銀行街 前編[つむぐおたる深堀]【小樽通2025冬号】

2025.12.18

公式小樽観光ガイドマップ「つむぐおたる」では、「海と運河がつむぐ7つの小樽の物語」という切り口で、7つの物語に分けて小樽を紹介していますが、今回は、物語の一つ「北の商都」にスポットを当てます!

[公式]小樽観光ガイドブック「つむぐおたる」はこちらから

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


小樽の町の魅力の一つがその街並み。明治~昭和初期に建てられた建物が並ぶ景色は、他の地域ではなかなか見られません。歴史ある建築物で特に圧巻の姿を残しているのが「銀行」。
北の商都として栄えた小樽には最盛期に25もの銀行があり、多くの銀行建築が街中に残っています。

小樽の町歩きを何倍も楽しい時間にしてくれる銀行街の歩き方を、おたる案内人ボランティアガイドの会の加藤さんに聞いてきました!

おたる案内人ボランティアガイドの会
加藤久善さん

歴史はかなーり苦手な私でも、とっても楽しめました!



そもそもなぜ小樽におよそ100年以上前の銀行建築がたくさん残っているかと言うと、小樽は明治時代に急速な発展を遂げ、栄えていたから。大正9年に行われた第1回国勢調査では全国 13位の人口規模だったそうです。人口全国13位は現在で言う東京都世田谷区。ヒト、モノ、そしてカネが集まる一大経済都市だったのです。
かなり端折った説明なので、詳しく知りたい方は海と運河がつむぐ7つの小樽の物語をご覧ください。



さて、加藤さんにお話を聞いていきましょう。小樽の銀行街を歩くにあたり、小樽の銀行の特徴を5つ教えてくれました!

1.日本の銀行の草創期から支店が設けられていた

日本初の銀行が出来たのは1873年。そのわずか5年後の1878年に、小樽に2つの銀行の支店が開設されました。そして更に2年後の1880年に、三井銀行が小樽に出張所を開設します。
三井銀行と言うと、現在も残る三井住友銀行のルーツとなる大手銀行。小樽ではその後2002年まで、122年間に渡り営業していました。
日本の銀行の草創期から大手銀行が進出してたのだからすごい!

2.北陸の銀行が残ってる

江戸時代の中ごろから明治30年代にかけて、日本海を大量の荷物を積んだ商船「北前船」が本州と北海道を往来していました。北陸地方とも交易があったため、その名残で小樽をはじめとした北海道内で北陸銀行が営業しています。
小樽では北陸銀行のルーツとなる富山の十二銀行が1899年に支店開設してから現在に至るまで126年間小樽で営業しています。

3.中央銀行・日本銀行の支店があった

今でも限られた都市にしかない中央銀行の支店があったのですから、かつての経済規模の大きさを感じます。
現在は金融資料館として日本銀行の歴史や業務・小樽の発展などを学べる施設になっています。他の銀行と比べても、建物の大きさは圧巻。

4.建物は、当時の超一流建築家たちの「作品」

現・東京大学の建築学科卒業一期生4名の内、3名の建築が小樽には残っており、こんな都市は東京を除くと小樽だけ
代表されるのが辰野金吾。日本銀行本店や、東京駅丸の内赤レンガ駅舎を設計した建築家で、小樽では日本銀行小樽支店を設計しました。更にその弟子も小樽で銀行を設計し…という具合なので、当時の小樽の繁栄ぶりが分かります。
かつての超一流建築家の「作品」が多く現存しているので、建物を見ているだけで楽しい!

5.明治→大正→昭和 建物の変化が分かる!

明治時代には木の骨組みに石造りの壁、それがやがてレンガとなり、鉄筋コンクリートとなり、鉄骨鉄筋になる…銀行の建築ラッシュ約25年間の、建築技術の進化を目で見ることが出来ます



さて、ここからは実際に加藤さんに案内してもらいながら小樽の銀行を見てみましょう。
堺町通り商店街から小樽駅方面に歩いていくと、なんとなく建築年数が古い順に並んでいるのも面白いポイント。

銀行名の下の西暦は、建物が完成した年。



現・銀の鐘 1Fがお土産屋さん、2Fがカフェです。

スタートはここから。メルヘン交差点の中越銀行。名前の通り富山にルーツがあり、現在の北陸銀行の前身の一つです。

建物裏手には通用口の看板が残っています。間違って入ってしまいそう。

2階までの階段がある部分が吹き抜けになっているのですが、この吹き抜けが銀行建築の特徴のひとつです。

ちなみにメルヘン交差点を挟んだ向かいの現・小樽オルゴール堂は富山出身の沼田喜三郎氏が立ち上げた会社の本社。加藤さん曰く、この辺りは「非常に富山度の高い場所」だそうです。

銀の鐘1号館
小樽市入船1-1-2
電話 0134-21-2001
営業時間 10:00~17:30 オーダーストップ17:00 ※都合により営業時間を変更する場合がございます。
定休日 無休
ホームページ:http://www.ginnokane.jp/



堺町通りを小樽駅方面に進みます!

第百十三国立銀行は初めて北海道に本店を置いた銀行でした。この木骨石造の建物はその小樽支店で、現在、市内最古の銀行建築です。
比較的こじんまりした佇まいで、屋根のとんがりがチャームポイント。

現・オルゴール堂®海鳴楼

屋根の下の模様は「分銅」と言われているそうですが、分銅と言うより「天秤」のように見える…。

オルゴール堂®海鳴楼
小樽市堺町1-20
電話 0134-23-6505
営業時間 9:00~21:00(季節により~18:00)
定休日 なし
ホームページ http://www.kaimeiro.com/



わずか十数年の間に、第百十三国立銀行は百十三銀行へ。木骨石造ですが、建物もかなり大きくなりました!ゴールデンカムイの聖地としても話題の建物です。

現・小樽浪漫館

現在は小樽浪漫館として営業しています。天井を吹き抜けに改装しており、木の骨組みでできていることがよく分かります。天井には陶器でできた電線を支える「ガイシ」が見えるんですよ、と店長さんに教えてもらいました。

ちなみに現在の外壁はレンガですが、これは後から貼ったものだそうです。

小樽浪漫館
小樽市堺町1-25
電話 0134-31-6566
営業時間 9:30~17:30
定休日 無休
ホームページ https://www.tanzawa-net.co.jp/shop/136/



小樽市内の銀行建築でも最大級、前述した辰野金吾が手掛けた銀行です。装飾にも力が入っています。

日本銀行旧小樽支店 金融資料館

屋根下のレリーフはフクロウと言われています。アイヌの守り神で、夜目が効くので銀行に忍び込む輩を見張っていたとかいないとか…。諸説ありです。

建物後方には望楼があり、ここから港への船の出入り状況などを眺めて、当時の経済情勢を分析していたのではないかと言う説もあるそうです。

望楼は公開はされていませんが、あそこから街を見下ろしたらさぞ気持ちが良いだろう…。

資料館の見学は入館無料。一億円を持ち上げる体験や、なつかしいお札を見学できます。

日本銀行旧小樽支店 金融資料館
小樽市色内1-11-16
電話 0134-21-1111
営業時間 夏季4月~11月 9:30~17:00 (最終入館16:30)、冬季12月~3月 10:00~17:00 (最終入館16:30)
定休日 水曜日(水曜が祝休日の場合は開館)
年末年始(12月29日~1月5日)
展示入れ替え等のための臨時休館あり。
ホームページ https://www3.boj.or.jp/otaru-m/



現在の北海道銀行とは別の銀行です。純石造りの建物に装飾がたくさん施されています。建築家の長野宇平治が、同年に完成した日本銀行小樽支店とかけもちして手がけました。

現・小樽バイン ワインショップ併設のレストラン。地元食材を楽しめます。

屋根下のレリーフは日本銀行小樽支店と同じくフクロウがモチーフとの説もあります。フクロウより盾に見えるかな、と加藤さん。

小樽バイン
小樽市色内1丁目8番6号
電話 0134-24-2800
営業時間 :レストラン 11:30~15:00(LO14:30LO)、17:00~21:00(LO20:30)
定休日:毎週火曜日、年末年始(31日は15:00までのランチ営業のみ、元日はお休み)
ホームページ https://www.otarubine.chuo-bus.co.jp/



さて、5行めぐったところで銀行街めぐりは中盤。後編では、更に6つの銀行をエピソードを交えながらご紹介します!

▼記事はこちら
街歩きでタイムスリップ!?|小樽のレトロ銀行街 後編[つむぐおたる深堀]



小樽通編集部 アキコ
小樽歴5年、アラサー港町OL。とても可愛い1歳の娘がいます。カメラロールはほぼ娘、たまに甘くて美味しいものと山。



◀◀前の記事へ
小樽からふらっとすぐ行ける後志(しりべし)あったか日帰り温泉特集(第二弾!)

次の記事へ▶▶
街歩きでタイムスリップ!?|小樽のレトロ銀行街 後編[つむぐおたる深堀]
2025年12月18日 木 配信

Webマガジン小樽通 2025冬号 INDEXページ



読者プレゼント企画のお知らせ

アンケートにご回答いただくと、抽選で計3名様に以下の品をプレゼント!
赤井川村 あったか冬ギフトセット

▼アンケートのご回答はこちらから
https://forms.gle/M5y6x3jxZv97db3x7
(回答期限 2026年1月31日)