美術評論家・酒井忠康は小樽の隣町、余市町の出身です。神奈川県立近代美術館学芸員として土方定一の薫陶を受け側近的な役割を果たしていた修行時代に、小樽の版画家・一原有徳を知りました。同郷の親近感に加え、酒井の叔父・山本茂が職場(小樽地方貯金局)の一原の盟友であったことから、一原が没するまで深い交流が続きました。酒井は「現代版画の鬼才・一原有徳展」(神奈川県立近代美術館)を開催しただけでなく、当館では二度にわたり一原に関する講演会を開催し、2023年には一原からの書簡一式を当館に寄贈しました。
また、当館特別展「國松登展」1990年「海への回帰 阿部典英展」2012年には、カタログへの執筆や講演も行うなど、当館活動を支えてくれた方でもあります。2025年度「北海道文化賞」受賞を記念して、酒井忠康の美術評論家としての足跡をご紹介いたします。
【酒井 忠康】(さかい ただやす)1941(昭和16)年~
美術評論家。前世田谷美術館館長。多摩美術大学美術学部芸術学科客員教授。近代美術の研究、現代美術の評論活動を行う。ベネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナーを務めた。
1941年、北海道余市郡余市町生まれ。北海道余市高等学校を経て、慶應義塾大学に入学。1964年、慶應義塾大学文学部美学美術史科を卒業。大学卒業と同時期に神奈川県立近代美術館学芸員になる。土方定一に師事。1979年小林清親を論じた「開化の浮世絵師 清親」で第1回サントリー学芸賞受賞。学芸課長、副館長を経て、1992年より神奈川県立近代美術館長。2004年から2024年3月まで世田谷美術館館長。2003年の「海にかえる魚」では、小説に挑んだ。2006年から2021年まで美術館連絡協議会理事長。2024年東京都文化功労者。2025年北海道文化賞受賞。
会期 令和8年3月7日(土)〜令和8年6月14日(日)
会場 市立小樽美術館
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