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ニシン文化をお家で味わう!小樽の水産加工品の世界【Webマガジン小樽通】

2026.05.28

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


小樽の春の味覚、ニシン。2週前の記事では飲食店でのニシン料理の美味しさをお伝えしました。

でも、小樽のニシンの面白さは、それだけじゃありません。
小樽には、ニシンの加工品もたくさんあります。

お土産として持ち帰れるのはもちろん、地元の人が普段から食べているものも多く、そこには長く受け継がれてきた技術とこだわりがあります。
小樽のニシン加工品の魅力を探ってみましょう!



ニシンの加工品と言われて、どんな商品を思い浮かべますか?
ニシンが豊富に獲れた小樽ではその加工技術が発達し、様々な加工品が作られています!

観光物産店「ポートマルシェotarue」に置いてあるニシン商品。
昆布巻き、山菜を加えて炊いたもの、にしん丼の具、にしんそばの具、甘露煮、子持ちにしんの昆布巻などなど。
ニシンだけでこんなに種類があります。

こんな食べ方もあるのか~と感じる多彩なラインナップです。
これほどまでに多くの種類の商品が展開されるのも、小樽ならでは。
その秘密を、八丸 堀内水産食品と小樽水産加工業協同組合の方に聞いてみました!



小樽の水産加工品製造を代表する会社の一つ、八丸 堀内水産食品
創業はなんと江戸末期の安政年間(1854年~1859年)!小樽でおよそ170年もの間、長く愛されている会社です。お話をお伺いしたのは、営業部長の土田さんです。

小樽市塩谷と余市町の工場で、飯寿司、ニシンの切込み、マリネ、甘露煮など多岐にわたる商品を製造しています。

ニシンの加工品の種類が多いのは、会社の歴史に理由がありました。
堀内水産は、もともとニシン漁の網元として小樽で江戸末期に創業。時代と共にニシンが獲れなくなってきた頃、漁に従事する人夫に食事として提供していた飯寿司が評判になったことで、加工品製造に舵を切りました。

会社の主力製品である飯寿司は、夏から製造が始まり、年末にかけて10月~12月に販売のピークが来るスケジュール。それ以外の時期も、年間通して美味しい商品を届けるべく、さまざまな商品の製造に繋がったそうです!

左上:春ニシン、紅さけ、タコのマリネ 右上:飯寿司 下:パウチ商品

八丸 堀内水産食品の商品のこだわりは、「本当に美味しい素材」を使う事。例えば、数の子が詰めてある「子持ちにしん1本巻き」は、カズノコを抱えたメスのニシンではなく、あえてオスのニシンを使用。ロシア産の脂の乗ったオスのニシンを処理し、後からカズノコを詰めるという手間を加えて作り上げているそうです!
反対に「春にしんマリネ」は、向いているという理由から小樽産のニシンを使用。商品により、より美味しく仕上がる素材を選んでいます。

手作業で飯寿司の仕込みをしています。

また、美味しさの追及は食材だけでなく、加工工程にも。
甘露煮はロースターで焼いて、ふっくらさせてから炊き上げているそう。ニシンと言えば、小骨が多いのが理由で敬遠されがちですが、骨まで柔らかく炊き上げて、食べていてまったく気にならないような仕上がりになっています。

また、甘露煮、一本巻き、棒炊きなどそれぞれの商品ごとに調味タレのレシピも調整。商品に合った配合率にしています。

多彩なラインナップの数々は、社員で知恵を出し合っての商品開発によるもの。主婦の社員もレシピを考案し、試行錯誤しながら数多くの商品を展開。美味しい商品を日本全国に届けています。

八丸 堀内水産食品株式会社
小樽市塩谷1丁目20番17号
オンラインショップ



八丸 堀内水産食品に限らず、小樽の水産加工会社はどの会社も美味しい商品がいっぱい!ということで、小樽水産加工業協同組合にてお話を聞いてきました。

お話をお伺いしたのは、専務理事の田宮さんです。

田宮さん)まずこのリストを見てください。小樽観光協会の物産店、ポートマルシェotarueで販売している、ニシンの水産加工品の一覧です。

会社名       商品名
八丸 堀内水産食品 甘露煮、双子のにしんちゃん
NS ニッセイ    昆布巻 にしん、魚醤油 (にしん)
カネダ海洋食品   小樽産にしんおこわ(第1回小樽水産加工グランプリ銀賞受賞)
小樽かね丁鍛治   にしんそばの具、小樽にしん丼、小樽産子持ちにしん群来巻、田舎炊き、ヤン衆まるごと練(第2回小樽水産加工グランプリ銀賞受賞)、甘露煮、身欠甘露煮
大卜 飯坂富士商店  小樽前浜産やみつきにしん
井原水産      にしんかずのこ親子南蛮味噌、カズチー(2022年度(第61回) 農林水産祭 「天皇杯」 (水産部門) 受賞・第5回小樽水産加工グランプリ金賞受賞)、カズチー&焙煎一味
入久 三浦水産    数の子松前漬
小松食品      焼にしん甘露煮

田宮さん)各社の全ての商品を販売しているわけではないのに、こんなにもたくさんの商品があります。更に品評会でも評価されている商品も多数あります。

田宮さん)小樽ではかつてニシンが大量に獲れたことで栄えましたが、昭和に入り漁獲量に波が出始め、やがて獲れなくなっていきます。しかしニシンが獲れなくなってからも加工技術は引き継がれ、時代の流れに合った様々な商品が産み出され続けました。

―――とても商品数が多いですが、各社商品開発に力を入れているからでしょうか??

田宮さん)そうだと思います!最近は冷凍技術が発達したので、その日に前浜で揚がった脂の乗ったオスのニシンをさばいてフィレにした、「お刺身ニシン」という商品を三浦水産が販売しています。

田宮さん)また、正月にしか食べない数の子を通年で食べて欲しいという思いで製品になった井原水産の「カズチ―」は農林水産祭の最高峰ともいえる「天皇杯」を受賞しました。メディアでも取り上げられて大人気ですよね。

田宮さん)2022年から2024年にかけては、小樽を含めた後志・石狩での漁獲量がとても多かったので、小樽産のニシンを活用しようという動きにもなりました。

―――これからもどんな商品が出てくるか楽しみですね!

田宮さん)今までにない全く違う発想の食べ方が出てくることが、これからも期待できます。しかし、ニシンの切込み飯寿司など、長年培われた技術が確立している商品もこだわりを感じるものでありますし、昔ながらのパウチ商品もおかずがない時の1品になったりして便利ですよね。



ここまで聞いたら、ニシン商品を食べたくなりますよね!という事で、八丸 堀内水産食品の「双子のにしんちゃん」「にしん甘露煮」「春ニシンのマリネ」を食べてみました!

左上:春にしんのマリネ 右上:にしん甘露煮 下:双子のにしんちゃん

盛り付けるだけで食卓が完成する手軽さが最高です。
「双子のにしんちゃん」は2匹セット、更に昆布で巻かれているのでテーブルの上が豪華に見えるのも嬉しいです。

温めてから食べると更に美味しいと教えてもらったので、電子レンジで30秒間チンしました。

「にしん甘露煮」「双子のにしんちゃん」は、身にしっかりと味が入り、ご飯のお供にぴったりです。インタビューでは骨もまるごと炊き上げているというお話でしたが、実際に食べると気にならないどころか、どこに骨があるのかも分かりません!

青臭さを全く感じず、2歳の娘もパクパク食べていました。
ニシンは脳の活性化に役立つDHAや、骨や歯を丈夫にするビタミンD、カルシウムなどが豊富ですから、家族の健康のためにも取り入れたい食材。
パウチタイプは常温保存できるので、魚を調理する元気がない時のためにストックしておくのもいいかもしれません。

「春にしんのマリネ」は身がふっくら。まるで高級しめ鯖のように肉厚で脂が乗っています。それでいて、ニシンの旨味をしっかりと感じます。

驚くほどおいしかったので、ぜひ食べてみて欲しいです。

味付けはまろやかな酸味でとても爽やかです。洋食やワインにも合いそう。

商品の購入はネットなら八丸 堀内水産食品のオンラインショップ、小樽市内ならポートマルシェotarue(※品揃えに変動あり)でどうぞ!



ニシンをもっと身近に感じたいという方に朗報です。6月6日(土)、7日(日)に、おたる祝津にしん・おタテ祭りが開催されます!

「にしん焼き」が1尾400円というお手頃価格で食べることが出来るチャンスです。毎年身ぶりの良いものが提供されているので、今年も楽しみです。
ほか、小樽産ホタテやかずのこ、カレイなどなど、小樽の海の味覚を存分に味わえる2日間です!
ニシンが気になった方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

おたる祝津にしん・おタテ祭り
開催日時 2026年6月6日(土)・7日(日) 10:00~16:00(メイン会場)
会場 小樽祝津前浜(メイン会場)など
※当日はおたる水族館駐車場が無料開放されます
※当日小雨決行、雨天中止
※にしん・おタテ祭りに関するお問合せは「おたる祝津にしん・おタテ祭り実行委員会」(茨木家中出張番屋 0134-26-6160)まで



歴史、調理、生態などなど…。今までにもニシンの事は色々な切り口からご紹介しておりました。
気になる記事にぜひ飛んでみてください。

ニシンに新時代到来!?【月刊小樽自身2022年2月号】
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202202-herring-kuki-food

プロに聞いちゃいました♡激うま!!ニシンの食べ方【月刊小樽自身2022年4月号】
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202204-prorecipe

小樽の春の風物詩 ニシンの群来(くき)が見たい!【月刊小樽自身2022年3月号】
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202203-nishinkenkyu

建築・歴史・生物・美術・家庭科…どれからめぐる?春告魚・ニシンをたどる祝津旅【月刊小樽自身2024年2月号】
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202402syukutsunishin

運次第の奇跡の絶景「群来(くき)」。なぜ海は白くなる?を水族館で聞いてみた【Webマガジン小樽通】2026年3月19日
https://otaru.gr.jp/project/otarutsu202601-herring

受け継がれる小樽のニシン文化。守り続ける伝統と味【Webマガジン小樽通】2026年5月7日
https://otaru.gr.jp/citizen/otaru-herring-culture



小樽通編集部 アキコ
小樽歴5年、アラサー港町OL。とても可愛い2歳の娘がいます。カメラロールはほぼ娘、たまに甘くて美味しいものと山。



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