おたる コラム

“小樽を舞台にしたノベルゲーム” リリース

2019年 05月 30日
NPO法人Egao 柴田哲平(小樽商科大学4年)

NPO法人 EgaO 小樽の町を活き活きと!

NPO法人 EgaOは、小樽に暮らす人たちを応援するために、2016年4月に小樽商科大学江頭ゼミ所属の学生と小樽市民の手で設立されました。

小樽の歴史や文化の魅力を国内外に発信することで、たくさんの方々にお越しいただくこと、そして、小樽の町で暮らしてみたいという方を応援することを目的として、活動しています。

小樽の町は、明治以降の日本の近代化とともに北海道の玄関として成長し、大正・昭和初期に絶頂を迎えますが、その後石炭移出、ニシン漁などの主要産業の衰退とともに、静かに縮小を始めます。短期間に莫大なヒト・モノ・カネが流入し、その後急速にその流れが途絶えたため、また戦争の被害をほとんど受けなかったため、往年の栄華をとどめる風景が町のあちこちでみることができます。

しかし、日本経済の長い停滞の中で、かつて膨大なコストをかけて建設された大規模建築物の維持管理費用は過剰な負担となり、一件また一件と歯が欠けるようにこれらの遺産が消えていくのが現状です。
こうした状況に対して、私たちは小樽の往年の栄光と現在の姿を記録し、未来に残すと同時に、社会科学の知識を用いて、現状の改善策を模索しています。

「歌う人なき町の恋歌」と「兵庫コレクション」

わたしたちは、多くの方にも小樽の街並みの昔と今の変化を感じて頂き魅力を伝えていけたらと思い、スマホ向けノベルゲームとして形にするこちらのプロジェクトを始めました。
ゲームには昔の小樽の写真「兵庫コレクション」と、現在の小樽の写真が用いられています。

兵庫コレクションとは、昭和50〜53年にかけて札幌市在住の写真家、兵庫勝人氏によって撮影された約8000枚の小樽の街の写真のことで、小樽運河などの観光地だけでなく、住宅街や路地裏など当時の生活感あふれる風景も残されています。現在は小樽市総合博物館所蔵の兵庫コレクション、しかし一般公開はされていません。貴重な兵庫コレクションをお借りして、そこに写っている様々な情報から撮影場所を特定し、現代の同じ場所の写真を撮ることで小樽の街並みの変化をあきらかにしています。

ゲームは道端で猫と出会った少年が、飼い主の高齢男性の依頼を受け、男性の初恋相手を探す物語。「兵庫コレクション」の写真が初恋相手を探すための手掛かりとなっており、本作には今と昔を比較した約40枚の写真が登場します。観光地以外の地域の写真も取り入れており、小樽の隠れた魅力も詰まった作品になっています。

ゲームのご紹介

ゲームは約30分でクリアできるような構成になっており、札幌~小樽間の電車内でクリアできます。できるだけ短時間で小樽の魅力を感じられるようなコンパクトさを意識し、作成しました。作中で登場するキャラクターのデザインは小樽商科大学の美術サークルメロコトン様の協力です。温かみのあるデザインで描かれているので、こちらにもご注目ください。

昔と今の小樽の写真を通して、小樽の歴史や魅力を知ることができる作品となっています。操作も簡単で、老若男女問わず、楽しんでいただけるゲームとなっています。
是非一度お試しください!!

現在、2作目を製作中!!

引き続きクラウドファンディングも行っておりますので、ご一読ください。
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