おたる コラム

小樽さわやか高校生のおもてなし

2018年 06月 08日
小樽観光協会 事務局 永岡朋子

海外からのお客様は、観光客だけとは限らない。教育旅行での訪日客も年々増加中。この春、小樽にも台湾の高級中学(日本の高校に相当)からの訪問団がやってきて、4月に開校したばかりの北海道小樽未来創造高等学校との学生交流が行われた。

交流の様子を視察するために、学校に着いたら、ちょうど間もなく台湾の学生が到着するとのことで、玄関で学生たちが歓迎の横断幕を拡げているところだった。その後まもなく、台湾訪問団のご一行が到着。バスから降りてくる皆さんを笑顔でお迎えする様子はとてもさわやか。そういえば準備の時に聞こえてきた会話だって、やらされ感なんて全くなくて、どうやってお迎えしようかということをあーでもないこーでもないと話していた。自分の高校生の頃を振り返ってみると、うーん、今どきの高校生はこんなにさわやかなのか?と小さな感動。

体育館で行われた歓迎セレモニーでは、学校長のご挨拶のあとに、なんと生徒会長が流暢に中国語でご挨拶。日本語は一切なかったので後から聞いたら、「私達は、機械や電気・建設、そして流通や情報会計について学び、将来その専門能力を生かして社会に貢献できる人材になることを目標としており、国際的にも活躍できるよう日々勉強に励んでいる。台湾の皆さんと末永く交流を続けたい」ということを話していたそう。もともと中国語が堪能なのかと思うほどで、先生にこっそり聞いたら、この日のために練習をしたそう。素晴らしい。若い方の瑞々しい力を見せつけられた気がした。

このあとセレモニーでは、台湾の学生がダンスパフォーマンスを披露するのだが、台湾の学生が座ってみている小樽の高校生たちを迎えに行き、一緒に踊ろうと呼びかける。そこでは一体何語で会話されていたのかわからないけれど、小樽の高校生たちは立ち上がり、気が付いたら、台湾の学生を真似て一緒に踊っている。踊り終わったあとにそのまま行われた記念写真の撮影では、なんとなく一体感が生まれている。「こうしなさい」と言われるものではなく、自然に生まれてくるものには、リアルな感情がくっついている。我々大人の世界に置き換えたらどうだろう?「おもてなし」をしなさいと言われておもてなしをするのでは、きっとこんな自然なものにはならない。

その後も続く、高校生のおもてなし。生徒会の学生が行うプレゼンでは、学校紹介に続いて、小樽の説明が始まるが、「台湾と小樽のつながりを感じられる場所が2か所ある」という。(「小樽と台湾のつながり」ではなく「台湾と小樽のつながり」と言ってくれるところがまた嬉しい。)
さて、小樽の皆さんは、この答えがわかるだろうか?私は恥ずかしながら、片方しかわからなかった。ひとつは、台南駅と小樽駅の駅舎がよく似ており同じ時代に作られていること。もう一つは、台湾の烏水頭水庫(ダム)を築いた技師八田與一の師は、小樽の北防波堤を築いた広井勇であったということ。『私たちは台湾をとても身近に感じています。楽しい旅を続けてください。旅の安全をお祈りします』と締めくくられたプレゼンに拍手がわきおこる。一生懸命考えて、一生懸命準備をして、そんな軌跡を感じられる学生らしいプレゼンに、私の涙腺はじわじわと刺激され、鼻の奥がつーんとするような感覚を覚えた。感動していたのです。

このあとは校内や実習の様子、部活動の見学を経て、昼食タイム。お弁当を食べながら、日台の学生たちがコミュニケーションを取っている。そしてここでもいろいろなおもてなしが用意されている。例えば、見事な琴の演奏を見せて聞かせてくれた学生たちは、なんと普段は吹奏楽部。こちらもこの日のために猛練習をしたとか。二人羽織で沸かせてくれた学生たちの様子にも、きっとずいぶん準備をしてきたのだろうと感じさせるものがある。笑いは万国共通。台湾の学生にも体験してもらい、日台の学生がお互いに笑いあう。

そして最後も笑顔でお見送り。
両手を大きく広げて、全身で伝えるメッセージ。

若い世代がこんな風におもてなしをしてくれる小樽。
未来は明るいと思いませんか?