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花園女子旅レポートvol.7|小樽の夜はバーへ グラスの中のストーリーを飲みに【Webマガジン小樽通】

2026.05.14

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


 お酒には、ストーリーがある——そんなことを考えたこと、ありますか?
「バー」って、なんだか敷居が高そうじゃないですか?
 でも今回、いざ扉を開けてみたら…グラスの向こうに、知らなかった世界が広がっていました。

夜の小樽の街並みをバックに笑顔でピースサインをする女性二人のセルフポートレート
今日はバーナイト!



「THE BAR HATTA」の入り口。白い壁にクラシックな街灯と木製のドアが印象的な外観
花園の路地に灯る、43年の灯り

 まず訪れたのは、花園エリアにある「BAR HATTA」さん。1983年創業、43年の歴史をもつ老舗バーです。
 扉を開けると、年季の入った落ち着いた空間。壁一面のウイスキーの瓶たちが出迎えてくれます。「ここに来たことある気がする」というような、不思議な懐かしさのある空間でした。

長い木製カウンターと、奥の棚に整然と並ぶ無数の洋酒ボトルが美しいバーの店内
店内はほっとする落ち着いた雰囲気で一人でも入りやすそう

柔らかな光に照らされ、ウイスキーなどのボトルがぎっしりと並ぶバックバーの棚
棚にはさまざまなお酒が並んで、圧巻です!



BAR HATTA の2本柱 ウイスキーとフレッシュフルーツカクテル

 BAR HATTAさんのお酒の世界には、2つの大きな柱があります。
 ひとつめは、余市をはじめとした国産ウイスキー。マスターの八田さんは、ニッカウヰスキー公認の「ニッカウヰスキー竹鶴シニアアンバサダー」であり、BAR HATTAは全国でも26店しかない認定店のひとつです。認定を維持するにはレポートや試験もあるそうで、ただ「認定されている」というだけじゃなく、ウイスキーへの深い知識と愛情が問われる資格だそう。

 棚には道内各地のウイスキーがずらりと並び、飲み比べセットで味の違いを体験させてもらいました。「香りだけでも全然違うでしょう」と八田さん。シェリー樽熟成のものはバニラのような甘い香りが広がり、スモーキーなタイプはピートの煙をまとったような個性的な香り。
 「ウイスキーって、こんなに表情が違うんだ」と、新しい扉が開く感覚です!

カウンターに並べられた3種類のウイスキーボトルと、テイスティンググラスに注がれた黄金色のウイスキー
ニッカウヰスキーの飲み比べ3種。香りを比べると違いがよくわかります

 2つめの柱が、フレッシュフルーツカクテル。「美味しい北海道の旬のフルーツを使いたい」というマスター八田さんの想いから生まれたカクテルで、季節ごとに顔を変えます。取材の日はいちごのフレッシュカクテルをいただきましたが、ジューシーな果実の甘みとお酒の深みが絶妙なバランス。飲みやすすぎて、気づいたらグラスが空に(危険!笑)。
 栗や梨、かぼちゃなど、北海道らしい旬の味が楽しめるのも魅力です。

逆三角形のカクテルグラスに注がれた、鮮やかな赤色のショートカクテル
旬のいちごを使ったフレッシュフルーツカクテル、見た目もかわいい

43年、お客さんと育ててきたお店

 「昔の小樽の夜はもっと賑やかだったんですよ」と八田さん。かつての花園は、土曜日ともな
れば歩くのもやっとなほどの人出だったとか。
 それでも、BAR HATTAさんには何十年と通い続ける常連さんたちがいます。ボトルの並ぶ棚が、その証拠。お客さん同士も何十年来の付き合いになっていたりして、まるでひとつのコミュニティのような温かさがありました。
 最近は韓国や台湾からウイスキーを目的に訪れるお客さんも増えているそう。

 カウンターに腰を落ち着けるほど、この街の長い時間がじんわりと伝わってくる。BAR HATTAさんはそんなバーでした。1人で仕事終わりにふらっと立ち寄って、グラスを傾けながら八田さんとぽつりぽつり話す。そういう夜が似合う場所です。

白いシャツにベストを着用し、カウンターの中で静かに佇む「THE BAR HATTA」のバーテンダー
マスターの八田さん ずらりと並ぶボトルたちが、43年の歴史を語っています。

BAR HATTA
住所:〒047-0024 北海道小樽市花園1-8-18
営業時間:18:30~翌1:00
定休日:日曜日・祝日
公式ホームページはこちら



赤い絨毯が敷かれた階段と、シックな「BAR MODERN」の看板が掲げられた入り口
オーセントホテル小樽のエントランスにある赤い絨毯の階段を登る

暖色の間接照明が灯る、隠れ家のような落ち着いた雰囲気の店内通路
船のキャビンのような扉を開けると…

 2軒目は、オーセントホテル小樽内にあるメインバー「キャプテンズバー」へ。
 キャプテンズバーは、オーセントホテル小樽に宿泊するお客さんだけでなく、地元の常連さんや観光客まで幅広く迎えてくれるバーです。船をモチーフにした洗練された空間に、ウイスキーからオリジナルカクテルまで豊富なラインナップ。

アンティーク調の家具と重厚なソファが並ぶ、ゆったりとしたラウンジスペース
船をイメージした落ち着いた空間。非日常感たっぷり

わたしにぴったりの一杯を仕立ててくれる

 メニューにはもちろんお酒が選びきれないほど並んでいますが、「今日の気分に合うものを」「私に似合うカクテルは?」——そんなリクエストにも応えてくれるのが、コンテストでの受賞経験もある実力派のキャプテンズバーのバーテンダーさんです。
 今夜の気分や好みを聞きながら、あなただけの一杯を仕立ててくれます。何度か通うと好みを覚えてくれたり…そのホスピタリティが嬉しいです。

 「小樽の雪をイメージしました」「春の桜をイメージしました」というバーテンダーさんそれぞれの創作カクテルも手がけていて、色や香り、見た目にまでこだわった一杯はまるでアート作品のよう。カクテルは目で見て、香りで感じて、味わって…全部で楽しむものなんですね。

バーカウンターで真剣な表情でシェイカーを振る、タキシード姿のバーテンダー
カウンターに座ると、バーテンダーさんが目の前でつくってくれます。かっこいい!

「ノスタルジア」と「フィロソフィー」

 今回わたしたちがいただいたのは、キャプテンズバーを代表する2種のオリジナルカクテル。
 ひとつめは「ノスタルジア」。グラスが目の前に置かれると、バーテンダーさんが「セピア色の小樽運河が、雪化粧に包まれていく「郷愁」をイメージしたカクテルです」と語りかけてくれます。
 その言葉を聞いてから一口飲むと、コーヒーミルクのような甘くほっとする味わいの向こうに、冬の小樽の夜景がふわりと浮かんでくるような気がしました。カクテルって、こんなふうに語られて初めて完成するものなんだ、と思った瞬間でした。

手前にはクリーミーな茶色のカクテル、奥には鮮やかな緑色のカクテルが並ぶ様子
手前が「ノスタルジア」、奥が「フィロソフィー」

 2つめは「フィロソフィー」。「ウイスキー『響』に、ゆず酒と抹茶を合わせました」と教えてもらいながら受け取ったグラスは、きれいな黄緑色。ゆずのさっぱりとしたフルーティな飲み口で、ノスタルジアとは対照的に軽やかな印象です。バーテンダーさんの言葉がついてくることで、グラスを傾けるたびに味の解像度が上がっていくような、不思議な感覚がありました。

落ち着いた照明の中で、静かにカクテルを味わう女性の横顔
「フィロソフィー」は鮮やかなグリーンが印象的で、ゆず香るすっきりした味わい



ベテランと若手が迎えてくれる場所

 この2杯を作ってくださったのが、バーテンダーの八重樫さん。お若いころからバーテンダー一筋というベテランです。コンテストの受賞経験もある実力派。同じレシピでも作る人によって全然違う味になるのがカクテルの奥深さ、と話してくれました。

 そして、この日カウンターでは、若いバーテンダー丸山さんも一緒にお店を支えていました。丸山さんも、コンテストに挑戦しながら腕を磨いているとのこと。こうして若い世代が活躍しているキャプテンズバーなら、気軽に足を運びやすいですね。

カウンターの中で並んで立つ、正装した二人のプロフェッショナルなバーテンダー
一杯一杯に向き合うお二人の姿、かっこよかった!

 「バー」って特別な夜にだけ来る場所だと思っていたけれど、そうじゃないのかもしれない。
 カウンターに1人で座って、バーテンダーさんと今日あったことを話しながら飲む一杯があったら——バーテンダーさんを通してお酒と向き合うことで、なんでもない1日の終わりが、ちょっと特別な夜の記憶に変わる。そういう体験ができる場所なんだと思いました。

キャプテンズバー(オーセントホテル小樽内)
住所:〒047-0032 北海道小樽市稲穂2丁目15番1号
営業時間:17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:なし
公式ホームページはこちら



 今回2軒をめぐって気づいたのは、バーにはそれぞれのストーリーがあるということ。
 BAR HATTAさんのカウンターには、43年分の小樽の夜が染み込んでいました。常連さんたちが積み重ねてきた時間、余市のウイスキー、地元の旬のフルーツ。そこにあるのは、この土地が育ててきた生きたストーリーです。
 キャプテンズバーでは、バーテンダーさんがその日の気分や好みから今夜だけの一杯を仕立ててくれます。グラスに込められたストーリーを語ってもらいながら飲む体験は、なんでもない1日の終わりを、少し特別な夜の記憶に変えてくれました。
 どちらも「お酒を飲む場所」じゃなくて、「ストーリーを飲む場所」なんだと感じました。

 夜の小樽に来たら、ぜひバーへの扉を開けてみてください。
 きっと、記憶に残る一杯のストーリーが待っています。



小樽通編集部 まつださおこ

幸小→長中→潮陵の小樽っ子(今は札幌在住)
大学ではデザインを学んで、小樽のまちづくりに関わったことがきっかけで、今は地域コミュニティや観光などをテーマにしたまちづくりの仕事をしています◎
最近は、仕事の出張先でぬい活をしたり、幼馴染ちゃんとコナンを追ったり、マダミスしたりするのが楽しいです。



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