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【小樽通2025夏号】積丹ブルーと海の恵みを満喫 ─家族でめぐる夏の積丹半島一周ドライブ

2025.06.30

爽やかな初夏の一日、家族で積丹(しゃこたん)半島をぐるりと一周する日帰り旅に出かけました。

今回のテーマは、「海を感じる」「海を食べる」。

小樽の民泊からスタートし、フルーツ街道を抜けて、泊村・神恵内村・積丹町・古平町を時計回りに巡り、夕方には再び小樽へ。旅先で買った新鮮な海の幸で夕食を自炊。そんな「おいしい締めくくり」も、今回の楽しみの一つです。





8時30分、小樽を出発しレンタカーで山間のフルーツ街道を走って仁木町へ向かいます。
余市町から仁木町の道沿いにはフルーツ直売所が点在し、季節の果物を買うことができます。
サクランボ、プラム、プルーン、ブルーベリー、トウモロコシにリンゴやブドウ。旬の味が並び、季節を感じられるのもうれしいポイントです。

稲穂峠を越えてらいでんメロン・スイカが有名な共和町の畑を過ぎると泊村に入ります。



11時、ちょっと早めのランチタイムは、地元に愛される「平安荘」さん。人気No.1メニューで泊産の獲れたて海鮮をこれでもか!と盛りつけた名物「泊丼」。さらに、大盛りの「フライ盛定食」(人気No.2らしい)を注文しました。小鉢も付いて大満足なボリューム。朝食は軽めにしておくのがおすすめです(笑)!

泊丼

フライ盛定食

6月末から8月は旬の「生ウニ丼」もありますが、ウニの水揚げ状況により提供がない日もあるで、ご注意ください。食堂なのでラーメンやカツ丼、カレーといった定番メニューもあり、小さなお子さんがいても安心して利用できます。

お食事と宿泊 平安荘
古宇郡泊村堀株村68-1
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12時、泊村から神恵内村に向かう途中にある盃海岸。水洗の公衆トイレ、駐車場から海岸まではコンクリートブロックで整備されていて快適に海へアクセスできます。

盃海岸

海の家「さかずきテラス」に駐車したら、子どもたちはさっそく海岸の岩場へ。割りばしにさきイカを挟んだグッズを使って「カニ釣り」に挑戦。岩陰から出てくるイソガニをさきイカでおびき寄せ、そっと釣り上げてはアクリル水槽に入れて観察します。これは大人も童心にかえって夢中になる楽しさ!

カニ釣りグッズ

波が優しく打ち寄せる音、潮の香り、小さな命との出会いーー。家族みんなで夢中になった時間は、旅のハイライトのひとつとなりました。

イソガニ

さかずきテラス
古宇郡泊村興志内村字茂岩231番地
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積丹半島を巡るドライブのメインルートは、国道229号。海岸沿いの積丹ブルーを望む絶景ドライブを楽しむことができます。神恵内村に入ると、入り江をまたぐように、ゆるやかなカーブの海上橋が続きます。

途中の駐車スペースに車を入れて、眼下の海を見てみましょう。積丹半島は、明治期にニシン漁で栄えた歴史があります。往時の漁場の面影を残す「袋澗(ふくろま)」と呼ばれる施設跡を今も見ることができます。

袋間

袋澗とは、漁獲された大量のニシンが陸揚げすることができないとき、ニシンを網に入れて一時保管した海岸のプールのようなものです。漁の知恵と工夫が今に残る文化的景観です。



15時30分、積丹半島といえば日本海に突き出た神居岬が有名ですが、ちょっと遠回りして島武意海岸へ。海岸近くの駐車場から散策道を進むと、大人の両手を広がると壁に触れるほどの狭く真っ暗なトンネルにさしかかります。

子供たちとってはドキドキの冒険。足元が見えない闇の中を、手を取り合ってゆっくりと歩きましょう。トンネルを抜けた先には、日本海岸百選の島武意海岸が広がっています。

真っ暗なトンネルの中を抜けると…

トンネルの先には青が美しい島武意海岸



今夜のメニューは積丹半島の海の幸。道中のお店でゲットしましょう。

旬の地魚で作った干物や塩辛、珍味など、手作りの商品が多数並んでいました。まさに地珍の百貨店です。店員さんが丁寧に味の説明をしてくれ、つい話し込んでしまいます。

菅原商店
古宇郡神恵内村7−11



漁師さんの直売所。この日は活ホタテと活カキが水槽で販売されていました。絶妙な茹で加減のミズタコ(冷凍)もおススメです。タイミングが良ければ塩水ウニがあることも。

三浦漁業部
古宇郡神恵内村83ー 2
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(左)東しゃこたん漁協直売所のボタンエビ塩辛
(右)たらこわさび漬け

創業1960年「えびす印」のたらこ専門店さん。流石のたらこ専門店、塩たらこ、たらこ醤油漬け、辛子明太子、ワインたらこ等、迷います。私のお勧めは北海道産山わさびと昆布の、ほどよく鼻にツンと抜ける「たらこわさび漬け」。

カネト水産直売所
古平郡古平町入船町63
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漁業協同組合の直営加工場の直売所。高い加工技術を持つだけあって秀逸な商品が多数あります。「磯福」の愛称で有名なツブ貝の塩辛は40年以上も製法が変わっていない逸品です。
ボタンエビのぷりぷり感とねっとりとした食感、甘みが楽しめるボタンエビ塩辛を購入。家族で食べきれる80g入りがあるのもうれしい。

東しゃこたん漁協直売所
古平郡古平町港町437
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ご夫婦2人で営む小さなワイナリー。自らブドウを育て、日本の食に寄り添う白ワインをメインに醸造しています。海を楽しんだ日のセレクトは、「日常を美味しく、ちょっと気分が上がる泡を」コンセプトとしたフレッシュさとにごりのうまみが楽しい辛口スパークリング「OCEAN」。

OSA WINERY
小樽市色内1丁目6番地4号
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午後6時、小樽の民泊に到着。シャワーを浴びたらキッチンで調理開始です。
活ホタテは子供たちと一緒にミートナイフで初めてさばきました、パクパクと動くホタテに子供たちは大興奮!ホタテとカキは生とスチームで、ワインに合うようにレモンをきかせたサルサソースを添えました。ホタテの稚貝はアヒージョに。冷えた白ワインで乾杯しながら、今日一日の出来事を振り返ります。

「また行きたいね」
「今度はキャンプもいいかも」

そんな会話が自然と弾む、旅のしめくくりとなりました。



 今回の積丹半島一周の旅は、海の景色と海の幸を存分に楽しむと同時に、お店の方との会話いや、子どもたちの発見・驚きがたくさん詰まった一日となりました。

ただ「見る」「食べる」だけでなく、「持ち帰って味わう」という体験が加わることで、旅の記憶はさらに深まります。

小樽に住む私たちだからこそ楽しめる、豊かで身近な旅のご提案。

次はあなたも、積丹の海をめぐってみてはいかがでしょうか。



小樽通編集部 編集長 大塚英治

小樽生まれ。日本泳法の師範にして、ダイビングインストラクター。
現在は海洋調査会社の代表として、文字通り「海と共に生きる」人生を歩んでいます。

小樽の海とともに育ち、海に魅せられ、海に学び、今もその魅力を次の世代へと伝え続ける日々。同時に小樽という街を、もっと洗練された世界に誇れる“海の街”へと導くことにも尽力しています。



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