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Not obvious|日常にお菓子と幸せを『おたるのほそ道』公園通りをゆく③【Webマガジン小樽通】

2026.04.09



最後の一軒は少し見つけるのが難しいかもしれない。

公園通りを進み5号線を越えると右手見えてくるコンビニ。
その裏側にこっそり佇んでいるのが
『Not obvious』さんだ。

2021年2月にオープンしたこちらのお店では、店主の丸山百恵さんが手作りのチーズケーキや焼菓子を販売している。

以前は普通の会社員として働いていた丸山さん。
新型コロナの流行がきっかけでいまのお店を始めたのだそう。
「コロナ禍になると前みたいには人と気軽には会えなくなって…
人に来てもらえるようなことをしたいなって思うようになって、仕事を変えました」

「お菓子作りはもともとやっていたとかではなくて、お店をやるって決めてから一から勉強しました。
疲れてるときとかに甘いものを食べたら笑顔になるじゃないですか!
苦しい、制限された生活の中でも少しでも笑顔にできるもの…そんな仕事をしたくてお店を始めました」

お店の内装も自分で手掛けたのだそう。
「ここも普通の一般住宅なので保健所の審査を通るためにDIYでドアを作ったりして、いろいろ基準があったので本当大変でした(笑)」

店内には看板メニューのチーズケーキに加え、週替わりのケーキや焼菓子が並んでいる。
すべて丸山さんの手作りだ。

「商品は基本的に4種類のチーズケーキを定番にしていまして、あとは自分がこういうのをつくりたいなっていうものを置いているので…
ラインナップはあまり決まっていないですね」

定番メニューの中には、小麦の代わりに米粉を使ったチーズケーキもある。
「小麦アレルギーが出たって話を聞いたり、健康のためにグルテンフリーなんだっていう方が周りにけっこういたりしたので、米粉に変えました」

「あと、最初はチーズケーキ専門って感じでやっていたんですけど、チーズケーキが苦手だってお客様もけっこういらして…
せっかく来ていただいたのに何も買えないってことがないように、チーズケーキ以外のものも作るようになりました。
週替わりのケーキや焼菓子は自分が思いついたものを作るって感じです」

この日は夕方にお邪魔したのでだいぶ売れてしまった後だった。
いろいろ選んでみたいという人は早い時間がおすすめ!

「リピーターのお客様に飽きがこないように!っていうのは心掛けていて、お店に来たときに『あ、これ初めて見る!試してみよう』って思ってもらえるようにいろいろなものを作っています」

「定番のマドレーヌとかフィナンシェはよく作るようにしてて、クッキーやサブレはフレーバーを変えてアレンジしています。
そのときそのときで品ぞろえが変わるので、『この前買ったあれがない!』ってときにはご連絡をいただければ作っておくこともできますよ」

お客さんからのリクエストも受け付けていて頼まれる方も多いんだとか。
「リクエストはお客さんが自分で食べる用よりも、誰かにプレゼントとしてあげる用が多いですね。
あと、転勤が決まってお世話になったひとたちに焼菓子のセットを贈りたいって方もけっこういます」

ちなみに、店名の『Not obvious』は『ノット・アヴビィアス』と読むのだそう。

「コロナ禍で当たり前のことが当たり前にできなくなっていうことから始めたお店なので、何事も当たり前じゃないんだよっていう意味を込めました」

お話を聞くだけでは我慢できなかったので、『NYチーズチーズ』と『米粉のバスクチーズケーキ』もテイクアウト。
どちらもしっとりと濃厚で、それでいて甘くなりすぎない絶妙なお味。
バスクチーズケーキの方はほんのりとお米の自然な甘みも混ざっていて、とてもおいしい。

「『地元の普段使いのチーズケーキ屋さん』ってコンセプトでやっているので、ケーキ1個からでも気軽に買いに来ていただけたら嬉しいです」
確かに、毎日のちょっとしたご褒美にピッタリだ。

うっかり見逃してしまいそうな場所だけど、知っておけば寄り道がもっと楽しくなりそうだ。



これで4回目の『おたるのほそ道』。

いつも取材のたびに感じているのが、
お話を聞いてお店の方の思いや人情に触れると、それから通りを歩くたびにそのお店がやたらとくっきりと色づいて見えるようになるのだ。

色づいたお店は、見慣れた通りの風景の中でもついつい目に留まる。
またすぐ立ち寄りたくなるし、誰かに教えたくなってしまう。
特に今回ご紹介した3軒は、そんな日常的でいて魅力的でもあるお店ばかりだった。

もしこの記事を読んで本当に行ってみたくなってくれる方がいたら、僕が感じたお店の魅力がちゃんと伝わったようでとてもとても嬉しい。

ここで今回の一句。

『知ってると つい寄りたくなる 帰り道』



『おたるのほそ道』公園通りをゆくシリーズはこちら
①うどんのしろ|生き様がつくる最高の一杯
②呑み処 弐弐(ふたつ)|人情あふれる飲み処



小樽通編集部 小竹多聞
広島生まれ愛知育ち。
北海道の雪は好きだけど寒さには弱い。小樽での楽しみは行きたい店リストをコンプリートすること(159軒/268軒)



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