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生誕130年 坂西志保展…(12/13~2026.3/22)市立小樽文学館

2025.12.07

坂西志保(1896-1976)は、小樽出身の国際的な学者・評論家です。

父は塩谷村伍助沢の櫻井農園に入植した坂西傳明で、志保は、キリスト教信者であった父の影響で幼少期に洗礼を受けました。

満8歳で塩谷簡易教育所伍助沢分校に入学し、その後、小樽初の女学校であった静修女学校(クララ・ロース設立)に進学しました。やがて単身上京し、捜真女学校英文科を経て、東京女子大学に入学。大正11年(1922)にアメリカ・マサチューセッツ州のウィートン大学(Wheaton Collage)に留学。当初は2年ほどの滞在予定でしたが、関東大震災の報を知り、帰国を断念。奨学金を得てミシガン大学大学院で学び、博士号を獲得します。

日本の女性で、文系で学び博士号を得た例はこれが初めてでした。のち、アメリカの国立議会図書館に勤務し、まもなく課長に就任。日本文化に関する書籍・資料の収集と編纂に当たりました。この時期、石川啄木の『一握の砂』や与謝野晶子の『みだれ髪』、狂言の演目等を英訳して、日本文化の紹介に努めました。

日本人として、また女性として輝けるキャリアの道を歩いた志保でしたが、急転直下、真珠湾攻撃の当日にFBIにスパイ容疑で連行され、移民局の施設に収容されてしまいます。

翌年、日本へと強制送還されてからは、外務省の嘱託やNHKの論説委員として働いたものの、今度は〈親米の危険分子〉と疑われて憲兵にマークされ続けました。そのような波乱の時期を経験した志保でしたが、戦後はその優れた翻訳能力を買われて、GHQ民政局長のホイットニー少将から直接の協力要請を受け、GHQに一時勤務。その後は評論家として日本にアメリカの民主主義の真髄を伝えるべく、言論活動を展開。その、歯に衣を着せない切れ味の良い考察は、一般書として数多く刊行されただけではなく、『暮らしの手帖』などの家庭向け雑誌にも発表され、戦後の日本人に広く享受されました。

今回の展示では、坂西志保の人生とその業績について、その著作を中心にご紹介したいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・文学館「生誕130年坂西志保展」より



生誕130年 坂西志保展

開催期間:12月13日()~2026年3月22日()
会  場:市立小樽文学館
休  館 
日:月曜日(1/12・2/23を除く )
・・・・・年末年始(12/29~1/3)・1/13・1/14・2/12・2/24・2/25
開館時間:9時30分~17時(最終入館16時30分)
観  覧  料:一般 300円(240円)・高校生・市内70歳以上150円(120円)
・・・・・障がい者・中学生以下無料
・・・・・※( )内は20名以上の団体料金

【関連事業】
第1回「坂西志保に学ぶ民主主義」
開催日:2026年3月1日()
会 場:市立小樽文学館1階研修室
時 間:14:00~16:00
定 員:40名様
講 師:山川  隆氏(小樽観光ガイドクラブ顧問)
聴講無料


第2回「日本の危機を救った坂西志保の啄木翻訳」
開催日:2026年3月8日()
会 場:市立小樽文学館1階研修室
時 間:14:00~16:00
定 員:40名様
講 師:亀井  志乃氏(市立小樽文学館 館長
)
聴講無料


〈申込方法〉

市立小樽文学館
電話:0134-32-2388
または、LogoフォームQRコード

 

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■市立小樽文学館
住所:小樽市色内1丁目9番5号
電話/FAX:0134-32-2388

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