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※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。
小樽の夏の風物詩といえばおたる潮まつり!

今年は7月25日(金)~7月26日(日)の3日間で開催されます。おたる潮まつりは小樽に暮らす人々の海への感謝をテーマに始まったお祭りで、今年で59回目を迎えます。
祭りの始まりを告げる潮ふれこみや、潮ねりこみ、神輿パレード、大花火大会など、小樽の街は3日間賑やかに盛り上がります。
今回の記事は2部構成でお届けします。おたる潮まつりに欠かすことの出来ない歌と踊りについて、潮まつり運営に関わるお仕事をしている私gutyが、潮コンシェルジュについて2024年度小樽コンシェルジュ金子さんが記事を書きました。
目次(リンクで移動できます)
▷潮音頭と潮踊り唄(ライター・guty)
「潮踊り唄」~よりリズミカルに威勢良く!~
・潮まつりのための踊り
・歌と踊りは潮まつりのこころ
▷知られざる潮コンシェルジュの舞台ウラ(ライター・金子侑里香)
・潮コンシェルジュとは?
・2025小樽コンシェルジュを直撃!
・おもてなし修行~案内人研修~
・おふたりへのメッセージ
潮音頭と潮踊り唄
「潮音頭」~ドンドコザブーンだドンザブン~「おたる潮まつり」といえば潮音頭。小樽に暮らす人々であれば、誰もがこのフレーズを耳にしたことがあると思います。
曲とともに、鮮やかなピンク色の提灯が並ぶ様子や、潮ねりこみで踊る梯団などが頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
この曲を歌っているのは「東京五輪音頭」、「世界の国からこんにちは」など数多くの名曲を歌った三波春夫氏。潮音頭の製作当時、既に大人気演歌歌手であった三波春夫氏のスケジュールは、2年先まで埋まっているような状況でしたが、その合間を縫うようにして録音が行われ、潮音頭が誕生しました。
潮音頭の歌詞は10番までありますが、作詞者の米谷祐司氏は札幌から東京まで向かう飛行機の中で一気に書き上げたそうです。小樽の名所・名跡に触れつつ、明るさとどこかユーモラスさも感じさせる、親しみやすい歌詞です。

筆者の一押しフレーズは
3番「なぞは朝里のお湯で解け」です。
皆さんは何番が好きですか?
「潮踊り唄」~よりリズミカルに威勢良く!~

おたる潮まつりとともに誕生した潮音頭は多くの市民が曲に合わせて長時間踊り続けられるように、ゆったりとした曲で作られました。
潮まつりが10年目の節目を迎えた昭和51年に、「より威勢が良く、リズム感のある曲を」との意見から、第2潮音頭として「潮踊り唄」が作られました。
作詞は小樽在住の詩人・荻原貢氏が担当しました。「潮踊り唄」には小樽に生きる人々の心意気が、飾らない言葉で力強く綴られています。
5番の「その何(なん)も……」の部分は、萩原氏が言葉を選びかねて仮に入れたものでしたが、そのまま製作が進み完成形となったというエピソードがあるそうです。
この歌詞に合わせてテンポが良くリズミカルな曲が付けられ、「潮踊り唄」は完成しました。
ゆったりと優雅な「潮音頭」と、勢いがあり祭りの熱気を感じさせる「潮踊り唄」、どちらもおたる潮まつりには欠かすことの出来ない大切な歌です。「潮ふれこみ」、「潮ねりこみ」で沿道を踊り歩く際には、街頭でこの2曲がスピーカーから流れます。

「潮音頭」と「潮踊り唄」一回ずつ交互に流れるわけではありません。
1曲踊り終わる度に、「次はどっちかな?」と
予想するのも筆者の密かな楽しみとなっています。
「おたる潮まつり公式ホームページ」で聞くことができます。
潮音頭、潮踊り唄(https://otaru.ushiomatsuri.net/gallery/ushio-ondo)
潮まつりのための踊り
曲の製作と同様に、曲に合わせた踊りの創作もまたとても重要な要素でした。
潮まつり実行委員会は、市内の日本舞踊師匠たちにこの大役を託し、流派を超えて一堂に会した師匠たちは、その思いに応えるように、互いに協力し合いながら3時間足らずで潮音頭の振り付けを完成させたと言われています。
小樽の大海原や、小樽を訪れる人々を歓迎する様子、小樽の心意気を大波の振りで表したものなど、市民誰もが踊れるようにオーソドックスでありながら、優雅で洗練された振り付けとなっています。
潮踊り唄の踊りは、曲の勢いを表すような元気良く威勢の良い踊りです。こちらはお神輿を担ぐ様子や花火を打ち上げる様子などを表現しており、その中でも中盤に登場する歌舞伎「勧進帳」の弁慶の六法を模したポーズは、振り付けに緩急を与える印象的な振り付けです。

これまで紹介した踊りはいわゆる「正調」と呼ばれる基本の振り付けです。潮まつり初日の潮ふれこみでは、この正調を踊って優雅にまつりの始まりをふれ込みますが、2日目の潮ねりこみでは、各梯団がそれぞれでアレンジを加えた振り付けで自由に踊りを楽しんでいます。
潮ねりこみではコンテストも開催されるため、毎年振り付けやフォーメーションは勿論、使用する小道具にもこだわって、各梯団が賑やかに個性をアピールしています。
歌と踊りは潮まつりのこころ
このように、おたる潮まつりには長い間大切にされてきた歌と踊りがあります。
潮まつりといえば、この歌に合わせた踊りの様子を思い出す方も多いのではないでしょうか。「潮音頭」、「潮踊り唄」そしてそれぞれの振り付けが生まれた時の思いを忘れることなく、これからもおたる潮まつりのこころを未来に受け継いでいきたいと思います。
ここからは、潮コンシェルジュについてのお話です。
知られざる潮コンシェルジュの舞台ウラ

昨年の潮コンシェルジュ
2日目に行われる「潮ねりこみ」楽しみにしている方も多いと思います。約5000人が小樽の街を踊りながら練り歩く圧巻のイベントです。ところで5000人の先頭で踊っているのは誰だかご存知ですか?潮まつり実行委員長、そして「潮コンシェルジュ」です!
そんな大役を担う潮コンシェルジュさんの“舞台ウラ”に迫ってみました♪
潮コンシェルジュとは
潮コンシェルジュとは、「小樽コンシェルジュ」の潮まつり期間中の姿です。受け継がれたタスキを掛け、綺麗に着付けられた浴衣をまとい、髪型は伝統的な日本髪に。この期間中しか見ることのできない小樽美人に変身します。
そもそも小樽コンシェルジュとは小樽の顔として魅力を内外に発信する、わかりやすく言えば観光大使のような存在です。毎年2名が選出され1年にわたって活動します。2022年に「ミスおたる」から現在の名称に改称されました。
筆者の金子も、昨年度この役を務めていました。潮まつり期間は、名残で「ミスさん」と呼ばれることも多かったですよ♪
2025小樽コンシェルジュを直撃!

三浦夢愛さん
小樽生まれ小樽育ちの大学生。丁寧な受け答えが印象的な彼女ですが、実はモデルやプロレスラーとしても活動するアクティブでパワーのある方です。お話しする前と後とでは印象がガラリと変わる魅力の持ち主です。「肩の筋肉がパンパンで制服が入らないかも…」というアクシデントもあったそう…!6月にプロレスラーとしてデビュー予定とのこと。気になる方は要チェックです!

兼平祐弥さん
小樽商科大学の卒業生で、現在は市内のバーで勤務中。SNSでも大人気のバーテンダーです。絵も描かれるなど、多才な一面も!初めての男性コンシェルジュとして一躍話題となりました。男性の就任に合わせて、潮コンシェルジュとしての装いも新たにアップデートされるそうです。今から楽しみですね!
おもてなし修行~案内人研修~
小樽コンシェルジュは、お客様に良いおもてなしができるよう、就任直後にさまざまな「研修」を受けます。いわば、おもてなし修行――。おふたりによると、すでに「話し方研修」「ウォーキング研修」「メイク・ヘアメイク研修」などが実施されたそうです。それぞれの分野のプロによるご指導が受けられます。
この研修の存在について尋ねてみると、「(就任前は)全然知らなかった!」と口を揃えていました。見えないところで、しっかり努力を積んでいるんですね。

4月22日には、「案内人研修」に同行させていただきました。この日は小樽晴れで、まさに研修日和です。研修前半、「おたる案内人」の阿部英一さんのガイドで、小樽の街並みや歴史的建造物を巡ります。
観光協会を出発し、旧小樽倉庫や旧安田銀行をはじめとする数々の歴史を感じるスポットを訪問。おふたりは阿部さんの説明を熱心に聞き、興味津々のご様子。研修後半は座学!阿部さん特製の教材で、明治からの小樽の史を学びます。北前船と商人、鉄道、運河など、基礎からしっかり身に着ける内容でした。おふたりは真剣にメモを取りながら耳を傾けていました。

研修後、おふたりに感想をうかがいました。三浦さん「21年間小樽に住んでいる身として、明治からの小樽の背景は興味があったので知れて嬉しいです」兼平さん「今までの小樽の流れが理解できて面白かったです。これからの小樽のことも考えさせられます」
おふたりへのメッセージ
案内を担当された阿部さんは、実は普段は観光とは関係のないお仕事をされているサラリーマンですが、ガイドと授業はプロさながらでした。そんな阿部さんはこう語ります。
阿部さん)「コンシェルジュさんには、基本的な大事なことを伝えたいです。物産展などで思いがけない質問をされることもあるので、今の小樽の知識が必要だと思います。」

最後に、コンシェルジュのおふたりに向けて私・金子からは
「市長に負けないで(笑)」とエールを送りました。
案内人研修が終わると、コンシェルジュのおふたりは続けて行われる「物産展研修」に向かわれました。いってらっしゃい!三浦さん、兼平さん、これからのご活躍を期待しております!
今年の潮まつりは7月25日(金)・26日(土)・27日(日)の3日間です!皆さんも、潮コンシェルジュの活躍をぜひ会場でご覧ください!

小樽通編集部ライター guty
札幌出身、小樽在住
好きなことは音楽と美味しいものを食べることとプロレス観戦
万年ダイエッター

小樽通編集部ライター 金子侑里香
小樽商大への進学を機に3年前に小樽へ移住。2024年度小樽コンシェルジュ。
小樽好きで、「おたる案内人」1級を持つ変人商大生。