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【小樽通2025夏号】ひんやり美味しいカフェめぐり。小樽の夏に出会う3つの物語

2025.06.17

※記事の内容は、配信時の情報に基づきます。 最新情報は、各施設へお問い合わせください。


 これから小樽の夏が本番だけど、夏の小樽って〜、散策するのは楽しいのはわかるけど〜! 暑いし〜、疲れちゃうし〜、お腹も空くし〜、喉も渇く。

小樽にはお店がたくさんあって、どこに行けば良いか迷ってしまう。そこのあなた!!!暑さを吹き飛ばす冷たいごほうびがいっぱい! 思わず立ち寄りたくなるお店をご紹介。

どこも店主さんの想いやこだわりがい〜っぱいで、話を聞いているだけでもワクワクするお店ばかり。夏にしか飲めないアイスコーヒー、感動するようなジェラート、そして映えも狙える! お店とアイテムばかり。

少し隠れ家的で、ちょっと寄り道して、
冷たくておいしい発見が待っている、小樽の夏へ出かけよう!!!





小樽の町を歩いていたら、懐かしいさ漂うお店。それが今回の目的地、「茶房 おこばち」

《店主の野田 寿一さん》

ドアを開けると、まず目に飛び込んでくるのは「靴をぬぐ玄関」。喫茶店で靴を脱ぐ? とちょっと戸惑いながらも足を踏み入れると、店内にはやさしい光が広がっていました。まるで、昔通っていた教室みたい。

《懐かしさ溢れる空間》

店主は、野田寿一(のだ じゅいち)さん。昭和20年代、小樽で生まれ育ち、建設の世界で40年以上働いたのち、この「教室のような喫茶店」をつくりました。ヒントになったのは、母校の堺町小学校。「あの頃の学校を、もう一度つくりたかったんです」と、笑顔で話します。

《優しい光が差し込む空間》

長男の野田さんは、家族の勧めから実家であるこの場所で「喫茶店でもやってみたら?」という一言がきっかけで始まったお店には、建築業で学んだ知恵と工夫がたっぷりと詰まっています。

《木のぬくもりに、ちょっぴりアートのスパイス》

店内を見渡すと、「おや?」があちこちにあります。鉄でできた花器が木に見えたり、時計にユーモアが詰まっていたり。扉の取っ手からほのかに光が差し込みます。これは野田さんや建築仲間の手づくりの一点物ばかりです。
壁はけいそう土、窓ガラスにも拘り、優しい光が差し込む空間は、まるで美術館のようでもあり、懐かしい学校のようでもあります。

《こだわりのトイレをご案内》

特にこだわったのは…トイレと言う 「開放感のあるトイレが忘れられなくてね、上にしきりを無くしたかった」と野田さんは笑顔で話します。これが想像以上に落ち着くトイレです。

《清潔感があり、解放的な居心地の良いトイレ》

おこばちに夏だけ登場する。その名も「幻のアイスコーヒー」!(メニューにはそう書いてませんが)

《夏だけ現れる、“幻”のアイスコーヒー》

実はこのアイスコーヒー、2種類あります。ひとつは普通に仕入れたタイプでこちらも美味しい。
もうひとつは、とびきり特別でサイフォンで丁寧に抽出し、熱々のコーヒーを時間をかけてじっくり冷ます。30分以上もかけてつくるその一杯は、こはく色にキラキラと輝き、飲めばびっくり。コク、香ばしさ! 特別な夏限定の逸品です。

《手間のかかった一杯》

ただし、作るのは1日3〜4杯。しかも、有るか!?無いか!?は運次第。 野田さんいわく、「お電話いただければ、ご用意しておきますよ」とのこと。これはもう“幻”と呼ぶしかない。
そんな絶品アイスコーヒーと一緒に食べたいのが「白玉ぜんざい」。
士幌産の豆で調理した自家製あんこがたっぷり乗った「白玉ぜんざい」は、見た目も味も贅沢な一品で、漬物も付いてきます。

《白玉ぜんざい と メロンの粕漬け》

甘味とコーヒー、更に漬物と北海道の良いとこどり
「コーヒーにあんこと漬物?」と首をかしげる。 ここでは、絶妙なバランスで三品が共存しています。
漬物は、蘭越町のメロンの粕漬けなのですが、 これが、甘味と苦味をつなぐ名脇役。 「いろいろ試したけど、これが一番しっくりきた」と野田さんがうなずくのも納得です。

《若者たちへの「おもてなし」の想い》

「どんなお客さんに来てほしいですか?」という質問に、野田さんは少し考えてから、「これからの日本を支える若い人たちに、もっと来てほしいですね。年金をもらっている私たちは恵まれているから、できることをしたいんです」
野田さんの次世代への強い想いが伝わってきました。

小樽の夏に、ちょっとひと休み。
『茶房 おこばち』の「幻のアイスコーヒー」は、この夏のオススメひんやりドリンク。 それは、丁寧に、じっくりと待つ楽しさとゆったりと時間を過ごす。そんな特別な一杯です。
小樽の夏、小さな川・於古発川のそばで、あなたもゆったりとした時間を過ごしませんか?

茶房おこばち
住所:北海道小樽市色内1丁目12番4号
TEL:0134-23-0222
営業時間:シャッターが開いている時は何時でも入れます
定休日:不定休
席数:14席(禁煙)







《店主の佐藤 道之さん》

夏のひんやりドリンクを求めて行ってきたのは、小樽中央市場の中にある、コーヒーのいい香りがただよう素敵なお店「Coffee House CHAFF(チャフ)」!扉を開けて店内に入ると、オシャレな赤い焙煎機が置いてあって、もうそこでコーヒーへの拘りを感じてしまいます。

ここのお店は、COE(Cup Of Excellence)などの珍しい豆をたくさん扱ってる。でも、「コーヒーってなんか難しそう」って思っても大丈夫!メニューに、どんな香りとか味がするかがちゃんと書いてあるから、コーヒー初心者でも安心して選べます。

《全部気になる》

佐藤さんのオススメはホットですが!今回は、夏と言うことで強引にひんやりドリンクのお話をたっぷり聞かせて頂きました。
このお店の人気メニュー、「いちごカフェオレ」と「コーヒートニック」は、まさに夏にぴったり!

《夏にぴったり、ひんやり映えドリンク!》

いちごカフェオレは、いちごのやさしい風味、それにコーヒーの香ばしさが絶妙にまざってて、うまっ!ってなるやつです。しかも見た目がかわいすぎて、スマホで撮ってしまう。
そして「コーヒートニック」は、浅煎りのコーヒーとトニックウォーターがまざった、さっぱりスッキリなドリンク。コーヒーってこんなにさわやかに飲めるんだ!とちょっと感動した(笑)もともと夏だけのメニューだったけど、人気すぎて今は年中飲めるように!
アイスコーヒーのいれ方にも拘り!
定番の夏ドリンク、チャフのアイスコーヒー。なんと、「急冷式」、「浸漬式」、「ウォータードリップ」(点滴式)の3種類の淹れ方です!あなたは、どの淹れ方がお好みかな?何度も足を運んで飲み比べて欲しい。
店名の意味にビックリ!
「チャフ」っていう店の名前、なんかかわいい感じだけど、実は「チャフ」ってコーヒー豆を焙煎したときに出る薄皮のことで“ゴミ”として捨てられるそうです。「社会のゴミにならないように」っていう意味をこめて、この名前にしたっていう佐藤さん、かっこよすぎる…!

佐藤さんは、もともと大学事務員で40年以上働いてた真面目な方で、60歳で定年になったあと、「次の10年は大好きなコーヒでチャレンジしよう!」ってこの店を始めたんだって。
まだまだこれから!
「もうすぐチャレンジのなので、そろそろ次のステップについて考え始めているよ」って、笑顔で話す佐藤さん。最近は札幌の大丸でやってた「コーヒーとスイーツのペアリングフェスティバル」にも行って、全国のコーヒーを飲んで、自分の味を確認しまだまだやれると感じたそうです。勉強熱心です!

「小樽の人においしいコーヒーを届けたい」っていう思いで、できるだけ安く、でも本気で良い豆を使っている佐藤さん。その気持ちが、お店のあったかい雰囲気や香りに表れている気がしました。
チャフは、佐藤さんご夫婦の「小樽への想い」がつまった場所。市場の中で、今日もコーヒーのいい香りをただよわせて、皆さんを待ってくれています!

Coffee House CHAFF(コーヒーハウス チャフ)
住所:北海道小樽市稲穂3丁目11番1号 小樽中央市場ビル1棟
TEL:0134-64-1359
営業時間:12:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:火曜、水曜
席数:10席(禁煙)
SNS:Facebook







小樽市の国道沿いを車で走っていると、銭函エリアにあるログハウスが並んでいます。その一角に今回のおすすめジェラートのお店「Gelato & Cafe Lumia(ルミア)」が見えてきます。ここは、オーナーの佐藤考洋さんの優しさがいっぱいつまったジェラート屋さん。

《店主の佐藤 考洋さん》

佐藤さんは、もともと長野県でお菓子を作る仕事をしていた中、出張で札幌工場へ手伝いをしているうちに、気づいたら移住!そして退職後、今年「ルミア」をオープン。今では銭函の人気店になっています。

《お店のロゴ》

《店内:イートインスペース》

「ルミア」という名前は、最初カスミソウとカルミアの花言葉が好きで造語を考えたけど、結局カルミアからのみ取ったそうです。なんだか面白い佐藤さん。お店のロゴにはアイスと傘が描かれていて、自身が『超雨男』の佐藤さん、更には心に雨が降った時の助けになる、ここに来た人がホッとできるように…という願いがこめられています。しっかりイートインスペースもあります。

ジェラートの味は、生の素材をできるだけ活かすのがポイントで、時には加熱した素材やピューレも活用して、オリジナルジェラートに拘るお店です。特に和のジェラートがオススメで「おはぎジェラート」が大人気だったそうで、今回は品切れでした。そして、取材時にはまだ発売されていなかった「笹団子ジェラート」も、現在は販売が始まっています。お米をつぶして作ったお米ジェラートに、笹の葉の粉をまぜて、あんこを合わせるんだって。なんだかすごくおいしそう!

《左:チョコミント、中央:黒糖ほうじ茶、右:キャラメルラテ》

《左:ミルク、中央:ピスタチオ、右:チョコ》

「うちは一つひとつ仕込んで、一晩寝かせて、熟成させる。だから、同じ味でも毎回ちょっとずつ違うんですよ」と佐藤さん。素材の味を大事にしているのが、すごく伝わってきます。
お客さんは女性が多いけど、佐藤さんは「心が疲れた人を癒したい」って思いが強く、40代くらいの男の人にもジェラートを食べて元気を出してほしいそうです。「仕事とか家のことでいろいろあるでしょ?だから、うちのジェラートでホッとしてもらえたらうれしいんです」そんな居場所を作りたい!って、にっこり笑ってくれました。

《色んな味が楽しめる『たいふう6種盛り』》

《『おおあめ(ダブル)』》

最近はジェラートだけじゃなく、お酒も出すようになり、おつまみ系のメニューも考えているみたい。今までとはちょっと違うお客さんにも、楽しんでもらえるように準備中なんだって。
小樽に、こんなあったかくて楽しいお店があるなんて、うれしい。ドライブの帰りや観光のあとに、ちょっと雨宿り気分で「ルミア」の扉を開けてみませんか?

Gelato&Cafe Lumia(ルミア)
住所:北海道小樽市銭函2丁目30番8号 ゼニバコテラスハウスA
TEL:050-8885-4843
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜、第3火曜
席数:4席(禁煙)
SNS:Instagram





小樽通編集部ライター 高久模夫(たかくのりお)
小樽生まれ小樽育ちのアラフォー男子。甘いものとコーヒーをこよなく愛し、趣味はサウナと健康にいいことをとことん追求する“健康オタク”。飴屋を引き継ぐ、四代目“あめ男”、小樽観光案内人1級の資格を活かして「小樽を観光地日本一にする」ことを密かに目論む水面下活動家でもあります。ライター活動もその一環。地元民だからこそ伝えられる、小樽の奥深い魅力を発信していきます。

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